Der letzte Husar　最後のフサール

19世紀末、オーストリア＝ハンガリー帝国
貴族の家に生まれたハインリヒは、6歳の時に父が反乱の疑いで逮捕され、貴族位を剥奪されシュヴァルツベルク家に養子に出された。

立場のない家での過酷な幼少期を経て時は流れ、青年となったハインリヒは帝国の陸軍学校を卒業し、
名誉ある「フサール（軽騎兵）」の軍服に袖を通す。
だがその頃には、時代はすでに銃と砲が戦場を支配していた。
騎兵は「過去の栄光」と呼ばれ、貴族の象徴は“無用の誇り”へと変わっていく。

戦場に立つことを夢見ていたハインリヒは、
同僚ユルゲンやヴォルフガングとともに、やがて第一次世界大戦へと身を投じる。
そこに待っていたのは、鉄と煙の荒野、そして“騎兵の時代の終わり”だった。

疾走する馬の蹄音が、機関銃の轟音にかき消される中で、
ハインリヒは問う——「誇りとは、何のためにあるのか」

業火に焼かれ滅びゆく帝国
一人の騎兵が見た“最後の戦場”の物語