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監視の影



「レディ、こっちこっち!」

秋は食堂の隅の席で、トレーを手招きする。


以前は食事を“燃料補給”としか考えなかったロイド――いや、レディが、今では普通の生徒のようにスプーンを手にしている。

赤い瞳でカレーを見つめながら、慎重にひと口。


「……辛い。だが、不思議ともう一口食べたくなる」

「でしょ? 学食のカレーはクセになるんだよ」


そんな些細なやりとりが、秋には嬉しかった。

もう“相棒”を超えて、彼女と“友達”になっていける気がして。


だが――その様子を、遠くから冷たい視線が見つめていた。



学院研究棟、モニタールーム。

スクリーンには食堂の映像が映し出されている。

そこに映るのは、笑顔を見せる秋と、柔らかな表情を浮かべるレディ。


「……あの個体、プログラム外の反応を示し始めていますね」

「自我の芽生えか。早すぎる」

「一条秋との接触が原因でしょう」


研究員たちの低い声が交わされる。

一枚のファイルが机に置かれる。そこには赤字で大きく記されていた。


――観察対象:ロイド-02(通称レディ)。

――危険度:要警戒。



「秋、どうした? さっきから黙って」

「ううん、なんでもないよ」


ただの食堂のひととき。

けれど、秋の胸の奥にはかすかなざわめきがあった。

それが「監視の影」によるものだと、まだ知る由もなかった。




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