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融合…。
片瀬は冷や汗をぬぐいながら端末を操作していた。
「……監視されてる? 誰かが、この“記憶の鍵”を覗いてる…」
「どういうことだ、片瀬?」秋が問いただす。
「……わからない。ただ、この信号は学園の外から……いや、もっと深い場所から……」
レディが周囲を鋭い視線で見渡す。
「外からではなく、内部……すでに入り込まれている可能性もあるわね」
緊張が走るなか、片瀬は震える指で記憶の鍵を取り出し、クロエのコアへと近づけた。
次の瞬間――。
轟音と共に光が迸り、クロエのコアと記憶の鍵が吸い寄せられるように融合を始めた。
『――これは……予期せぬ統合……』
『……監視信号、逆流開始……侵入者の正体、露見の危険……』
クロエのコアの声が直接、秋とレディの意識に響き渡る。
三人は思わず顔を見合わせる。
「融合……!? 止められないのか!?」秋の叫び。
「だめ……もう完全に結合プロセスに入ってる!」片瀬が青ざめる。
コアの光が激しく明滅し、まるで意志を持つかのように彼らの前で新たな形を作り出そうとしていた――。




