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選択の時
夜の寮。
カーテン越しに月の光が差し込む部屋で、秋はベッドに横たわりながら眠れずにいた。
(……本当に、私は仲間に言うべきなの?
でも、言ったら――私はきっと怖がられる……)
その時、不意に窓がコンコンと叩かれた。
驚いて振り返ると、そこに立っていたのは“仮面の少女”。
「……!」
秋が息を呑むと、少女は静かに仮面を外す。
未来のレディが、月光に照らされながらこちらを見つめていた。
「秋。選ばなければならない」
「選ぶ……?」
未来のレディはゆっくりと近づき、赤い瞳を細めた。
「仲間を信じ、真実を告げるか。
それとも秘密を抱えたまま、孤独に戦うか」
秋は喉を鳴らした。
未来のレディの姿は、自分の“もしもの未来”を映す鏡そのもの。
孤独に耐えきれず久遠になった未来の自分を止めるには、今、選ばなければならない。
「私は……」
秋が答えようとしたその瞬間、部屋の扉が勢いよく開いた。
そこに立っていたのは――水城 蓮。
「秋……誰と話してる?」
未来のレディの姿は、秋の背後で月光に溶けていく。
残されたのは秋の震える肩と、蓮の真剣な瞳だった。




