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友の問いかけ
放課後の訓練場。
模擬戦を終え、片付けをしていた秋は、不意に声をかけられた。
「秋……最近、どこか変だよな」
振り向くと、仲間の 水城 蓮(冷静沈着な分析型の候補生)がこちらを見ていた。
彼は誰よりも観察眼が鋭く、秋が秘密を抱えていることに気づいていた。
「変……って、なにが?」
秋は笑ってごまかそうとする。
だが、蓮は鋭い目で言葉を重ねる。
「戦闘中の君の迷い。レディを見る時の表情。
そして、未来のことを知っているような目をしている……俺の勘違いか?」
秋の心臓が跳ねた。
隣でレディが一歩前に出ようとするが、秋は小さく手で制した。
「……ごめん。今は言えないの」
蓮はしばし沈黙し、やがてため息をつく。
「……そうか。けど、覚えておけ。秘密はいつか仲間を壊す。
俺たちを信じられないなら、それは……戦えないのと同じだ」
その背中が遠ざかっていくのを見ながら、秋は拳を握りしめる。
(信じたい。けど、未来を知った私が仲間を巻き込むわけには……!)
レディが小さく呟く。
「秋……君は本当に優しい。でも、その優しさが時に一番の枷になる」
秋は何も答えられなかった。




