46/91
揺れる心
未来のレディとの邂逅から数日後。
秋は教室で仲間たちの笑い声を聞きながら、胸の奥に重い影を抱えていた。
――未来の自分は久遠になる。
――未来のレディは、孤独な結末を見てきた。
(もし、このことをみんなに話したら……どう思うだろう?
私は仲間を裏切る存在になるかもしれないのに……)
秋の手が小さく震える。
そんな彼女の隣で、レディが静かに囁いた。
「秋。君は一人で背負う必要はない」
「……でも、怖いの。もし私が未来で久遠になるなら……今の私だって、信じてもらえなくなるかもしれない」
レディは秋の手を取る。
その掌は温かく、人間のように柔らかい。
「私は信じる。未来がどうであれ、今ここにいる“秋”は私の相棒だ」
その言葉に秋は涙を堪えながら微笑む。
だが、仲間たちに真実を告げる決心はまだつかない。
その時――廊下の向こうから、ライバルペアの影が現れる。
彼らは秋をじっと見据え、不敵に笑っていた。
「お前たち、何か隠してるな……」
秋の心臓が大きく跳ねる。
まだ打ち明ける覚悟ができないのに、秘密はじわじわと暴かれようとしていた。




