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未来のレディの告白
未来のレディは、赤い瞳を細め、静かに語り出した。
「久遠――未来の秋が望んでいるのは、ただの破壊じゃない。
彼女は“未来をやり直す”ために、この時代を壊そうとしているの」
秋は凍りついた。
「未来を……やり直す? どういうこと?」
「秋、あなたは今、仲間に囲まれている。
でも未来では……誰も残らなかった。
だから久遠は思ったの。――“すべてを最初から作り直せばいい”って」
レディ(現在)は震える声で問う。
「つまり……私も、その未来では――」
未来のレディは目を伏せた。
「……あなたは久遠の隣にはいなかった。だから、私はこうして時を越えた」
沈黙が重く落ちる。
秋は唇を噛みしめた。
未来の自分は孤独に呑まれ、全てを敵に回した。
――同じ未来を辿らないためには、今を変えるしかない。
未来のレディは仮面を握りしめ、背を向ける。
「私は導くことしかできない。答えはあなたたちが掴むの」
そう言い残し、彼女は夜の闇に消えた。
月明かりに立ち尽くす秋とレディの心には、決意と恐怖が入り混じっていた。




