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久遠の正体
秋の渾身の一撃により、久遠の換えていた顔が露になったのだ!
砕け散った仮面の下から現れた顔に、秋は息を呑んだ。
それは――自分とよく似た顔だった。
だが、その瞳は冷酷に濁り、頬には無数の傷跡が刻まれている。
まるで秋が「希望を失い、戦い続けた果ての姿」を映しているかのように。
「……やっとわかったか。私はお前だ。未来で絶望を選んだ、もう一人の秋だ」
久遠の声は秋のものと同じ響きを持ち、しかし重く低い。
仲間たちは言葉を失い、レディさえも短く沈黙した。
秋は震える声で問いかける。
「どうして……私が、あなたが、そんな姿に……?」
久遠は嗤った。
「仲間を信じた? 感情に従った? 結果は裏切りと崩壊だ。私はその全てを経験した。そして残ったのは力だけだった。だから私は過去に戻り、お前を消す」
秋は拳を握りしめた。
だがその背中を支えるように、仲間たちが前に出る。
「秋、違う。君は一人じゃない」
「未来は変えられる!」
レディが静かに秋の手を取る。
「マスター……。私は、あなたが選ぶ未来を信じます」
秋の瞳に迷いは消えた。
「私は……絶望にはならない。たとえ私自身が敵でも!」
再び、秋と久遠――二人の「秋」が激突する。




