覚醒か…。アキロイド!?
◆演習場・混乱の最中
ライバルペアと激しくぶつかり合う秋とレディ。
互角以上に戦っていたはずなのに、相手の動きはどこかぎこちなく、まるで“誰かに操られている”かのようだった。
「どうして……こんな戦い方を……!」
秋が叫ぶが、返ってくるのは焦点の合わない瞳。
その時、演習場の観覧席に影が立った。
黒いフードに仮面をつけた人物。
低く響く声が場を支配する。
「——その問いに答える必要はない。
彼らは器を試すための道具にすぎぬ」
生徒たちがざわめき、教師たちも制止に動こうとする。
だが仮面の人物が指を鳴らすと、結界のような光が演習場を覆い、外からは干渉できなくなった。
「秋・レディ。器と鍵。どちらも“夜明け”に必要だ」
「……あなたが、あの紙片を……!」
秋の声は震えていたが、その背後でレディが一歩前に出る。
「解析完了。——敵性対象、確定」
その赤い瞳が一瞬だけ、深紅から黄金色に変わった。
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◆覚醒の片鱗
仮面の構成員が指を振り下ろすと同時に、ライバルペアが操られたように突撃してきた。
だが秋が強く叫ぶ。
「やめろぉぉっ!!」
その怒りにレディの心が同調する。
赤い瞳が完全に黄金に染まり、身体から迸る光が秋を包み込む。
「……アキ。防御を私に委ねろ」
「うん、レディ!」
次の瞬間——秋の身体にレディが重なるように纏われ、白銀の装甲が形を成していく。
“アキロイド”の姿だ。
圧倒的な力により、ライバルペアの攻撃は一瞬で制圧された。
仮面の構成員も思わず一歩退く。
「……ここまでの力を……。だがまだ“未完成”か」
不気味な言葉を残し、仮面の人物は煙のように消えた。
結界が解け、騒然とする演習場。
秋とレディは光を失い、その場に膝をついた。
「……はぁ、はぁ……レディ……」
「問題ない。だが——あと一歩で完全覚醒に至る」
秋の背筋に寒気が走った。
“完全覚醒”。
それが何を意味するのか、まだ誰も知らない。




