『紋章を持つ者達…。』
◆夜の学園・中庭
秋は眠れず、レディと一緒に中庭に出ていた。
紙片に書かれた“檻”“器”“夜明け”という言葉が、ずっと頭を離れない。
「……ねぇ、レディ。あの紙、誰が置いたんだろう?」
「現時点では特定不能。だが一つ確かなのは——それは“監視者”からの警告か挑発だ」
その瞬間、暗がりから不穏な気配が迫った。
月明かりの下に浮かび上がったのは、腕に奇妙な紋章を浮かべた生徒。
虚ろな瞳で秋とレディを睨みつけ、呟く。
「……檻を壊さねば……夜明けのために……」
次の瞬間、彼は異常な力で襲いかかってきた!
秋は必死に避け、レディが庇う。
だがその様子を見た監視カメラの奥で、ひとりの女性研究員が焦ったように立ち上がる。
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◆研究棟・片瀬の接触
数日後。
片瀬研究員は人目を避け、廊下の陰で秋に声をかけた。
「……秋さん。レディと一緒に、ちょっと来てもらえる?」
怪訝な顔をしながらも、秋はレディと共に片瀬の小さな研究室へ足を運ぶ。
そこは他の研究棟とは違い、暖かい照明と散らかった書類が生活感を醸していた。
「安心して。私はあなたたちの敵じゃない」
片瀬は真剣な瞳で言った。
「——レディの力は危険視されている。けど、私は違う。
あの力こそ、未来を救う鍵だと信じてる」
秋の胸に熱いものが走る。
彼女は言葉を絞り出した。
「……じゃあ、私たちの味方……なんですか?」
「ええ。誰よりも、あなたたちの」
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◆ライバルペアの再襲撃
数日後の模擬戦演習。
ライバルペアがまたしても秋とレディに仕掛けてきた。
だが今回は以前のような挑発ではなく、明らかに殺気を帯びていた。
「一条秋……そのアンドロイドは檻だ! 壊さなければならない!」
彼らの体にも、あの紋章が浮かび上がる。
まるで何者かに操られているかのように。
秋は混乱しながらも叫んだ。
「やめてよ! レディは檻なんかじゃない! 私の、大事な仲間だ!」
レディの赤い瞳が微かに輝き、秋の言葉に同調するように力が共鳴する。
——だがその背後では、仮面をつけた“夜明け”の構成員が静かに演習場を見下ろしていた。
「……やはり動いたな。器と、その鍵が」




