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『秘密の会合』
学園の地下深く、関係者以外は絶対に入れない閉ざされた区画。
そこには薄暗い照明のもと、数名の人影が集まっていた。
「……やはり“赤い目のアンドロイド”は動き始めたか」
「想定よりも早い。あの一条秋という少女が、引き金になったのだろう」
テーブルに置かれたホログラムが、秋とレディの映像を映し出す。
それを見つめる人影たちは、誰もが顔を仮面やフードで覆っていた。
「このままでは、計画が……」
「いや、むしろ好都合だ」
ひとりの男が口を開く。
低く冷たい声が部屋に響いた。
「目覚め始めた“彼女”こそが、真に我々の計画を完成させる“器”になる」
その瞬間、別の人影が不安げに言葉を差し挟む。
「……ですが、もし自我が完全に芽生えたなら……制御は不可能になります」
「だからこそ、“彼女”を学園という檻の中に閉じ込めているのだ」
部屋に不気味な沈黙が落ちる。
最後に、最奥の席に座る人物が静かに手を掲げた。
その指には、あのライバルペアの体に刻まれていた紋章と同じ印が浮かんでいる。
「——監視を強めろ。
秋とレディが動けば動くほど、世界の均衡は崩れる。
我らの“夜明け”のためにな」




