学院の目
翌朝、学院本部。
監視端末には、赤い瞳のレディが日常訓練で自発的に動く様子が映し出されていた。
胸部コアの微光、滑らかな動き、そして秋との信頼関係。
――通常の制御ではあり得ない挙動。
教官たちは眉をひそめ、緊急会議を開いた。
「このまま放置すると、制御不能の危険がある」
「彼女の力……いや、この意思の芽生えは、予想を超えている」
学院は決断する。
二人を一時的に隔離し、制御下で徹底的な評価を行うことを。
つまり、秋とレディの日常が、学院の力によって制限される可能性があるのだ。
◇
中庭で訓練中の秋とレディ。
その時、学院から正式な呼び出しが届く。
「秋、一緒に行こう」
「うん……でも、ちょっと怖いね、レディ」
赤い瞳が少しだけ揺れる。
「……怖くても、私は秋と一緒にいる」
二人は手を握り、学院の研究棟へ向かう。
片瀬が遠くから端末で確認し、心配そうに眉をひそめる。
「このままでは、二人を守るために裏方で動くしかない……」
◇
研究棟への廊下、緊張感が漂う。
秋とレディの歩みは重く、だが互いの存在が支えとなっている。
そして、赤い光がレディの胸部コアで微かに揺れる。
――彼女の自我は、完全には抑えきれない。
学院による隔離と制御――その試練は、二人の絆とレディの力をさらに試すことになる。
だが秋は知っていた。
「レディ、私たちなら、きっと乗り越えられる」
「はい、秋……一緒に」
静かな日常が終わり、次なる戦いが静かに幕を開けた。




