ライバルの再来
制御テストの結果が学院に送られて数日後。
秋とレディは中庭で軽く体を動かしていた。
「秋、今日も転倒回数が多いな」
「レディ……フォローしてよ」
そんな二人のもとに、あのライバルペア――神城蓮とエリスが再び姿を現す。
「おい、一条。制御テストの結果、見たぞ」
「……やっぱりお前らか」秋は思わず身構える。
蓮の冷たい視線が、訓練場全体に張り巡らされた圧を帯びる。
「ふん……。お前ら、所詮は落ちこぼれ。どんなに意思を強くしても、結局は学院の手のひらの上だ」
エリスも無表情で秋たちを観察する。
「……ロイド-02。あなたの暴走傾向は増加中。指令従順度が低下しています」
しかし、赤い瞳のレディは微動だにせず、秋の横に立つ。
「私は秋を守る」
蓮が剣を構え、戦闘態勢に入る。
「なら、力で教えてやろう。君たちがどれだけ無力かを」
◇
模擬線が始まる。
秋は必死で回避するが、レディは学院の指令に反して秋を守る動きを見せる。
瞬間、胸部コアが赤く光り、身体がほんのわずかに発光する――《アキロイド》の片鱗が再び現れた。
蓮の表情が一瞬、驚きに変わる。
「……化け物め……!」
エリスも小型端末を手に取り、即座にデータを送信。
「学院、本部へ。対象の異常行動再発。要警戒」
戦いは秋とレディのわずかな優勢で終了。
しかし、模擬戦の結果は表面上では「敗北」とされる。
◇
「秋……怖かった?」レディが問いかける。
「うん。でも、君がいてくれてよかった……」秋は微笑む。
その様子を、片瀬が研究棟の端末で見守る。
――次の段階の試練も、もうすぐ始まる。
しかし秋とレディが互いを信じ合う限り、未来はまだ二人の手の中にある。




