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日常と約束



休日の午後、学院の中庭。

秋とレディは、芝生に座って簡単な訓練を兼ねた遊びをしていた。


「秋、そろそろターンの練習をしてみたい」

「うん、でも無理はしないでね」

「……私はあなたの言うことに従う」


普段は冷静で、命令に忠実なレディの声も、今日はどこか柔らかい。

秋は思わず微笑んでしまった。


「ねえ、レディ。なんだかさ、君といるとお姉ちゃんと過ごしてるみたいで……楽しい」


言った瞬間、胸が熱くなる。

忘れられない姉の笑顔。事故で失ったあの日の記憶。

けれど、目の前にいるレディが、その面影をほんの少しだけ取り戻させてくれる。


「……秋」

レディの赤い瞳が揺れる。

「私はあなたの姉ではない。でも……あなたが笑うなら、私はその役目を果たしたい」


秋は小さく頷き、レディの手をそっと握った。

「ありがとう、レディ。本当に、いてくれてよかった」


その夜、二人は学園の屋上で星を見上げながら約束した。


「これからも、一緒に歩こう」

「はい、秋」



しかし、学院の影は静かに迫っていた。

監視の目は増え、訓練データは刻々と研究棟に送られている。

片瀬の支援があっても、完全に安全な日々ではない。


――そして、次の週末には、学院による“制御テスト”が予定されていた。


秋とレディの絆を試す、最初の大きな試練が、静かに迫っていた。





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