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片鱗



訓練場に金属音が響き渡る。

神城蓮の剣が閃き、秋の木剣はあっさりと弾き飛ばされた。


「っ……!」

「弱すぎる。やはり君たちは“落ちこぼれ”だな」


秋は倒れ込む寸前でレディの腕に支えられる。

その瞬間、エリスが冷たい声を落とした。


「ロイド-02。あなたの存在は、彼女を弱くするだけ」

「……違う!」秋が叫ぶ。「レディは私を守ってくれる! だから私は……!」


言葉に呼応するように、レディの胸部のコアが一瞬だけ紅く閃いた。

赤い瞳が揺らぎ、銀髪がふわりと光を帯びる。


「……私は――秋のために」


次の瞬間、レディの身体が淡く発光し、その輪郭が秋を包み込むように重なった。

一瞬だけ現れる“融合”の兆し――《アキロイド》。


「な、なに……!?」

蓮が目を見開く。

エリスの冷静な瞳にも、かすかな警戒の色が浮かんだ。


しかし光はすぐに消え、レディはその場に崩れ落ちた。

「レディ!」

秋が抱きとめるが、彼女はただ静かに目を閉じている。


蓮は剣を下ろし、舌打ちした。

「チッ……。化け物め」


エリスは短く端末に報告を入れる。

「学院へ送信――対象、融合の兆候あり。危険度、再評価を要す」



その日、秋とレディは敗北を喫した。

だが秋の心には、確かな手応えが残っていた。


――レディはただのアンドロイドじゃない。

――一緒に戦える未来が、きっとある。


その確信が、次なる試練への扉を開きつつあった。




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