第1話「ワーストコンビ誕生!」
春。
新しい制服のスカートを気にしながら、私は学園の大講堂に立っていた。
ここは、未来のヒーローを育てる養成学園。
――なのに私は、入学試験ギリギリで拾われただけの「落ちこぼれ候補生」。
「これより、バディ候補生の発表を行います!」
教員の声が響く。
バディ候補生――人間の候補生に与えられるアンドロイドの相棒。
最高のヒーローには、最高のバディが必要不可欠。
私の胸はドキドキ……というより、不安で潰れそうだった。
「一条 秋!」
「は、はいっ!」
裏返った声に、前列がクスクス笑う。
そして発表された名前は――
「ロイド・モデルT9」
ざわ……っと会場がざわめく。
「T9? まだ廃棄されてないのか」
「ポンコツモデルだろ……」
「お似合いだな、ワースト候補生に」
私の顔がカッと熱くなる。
やがて姿を現したのは――銀色の長髪に赤い瞳、スタイル抜群の美女アンドロイド。
完璧に見えるその姿に、周囲も一瞬だけ見惚れた……が。
「あなたが私のマスターですか?」
「え、あ、うん」
「正直に申し上げます。頼りなさそうです」
会場が大爆笑に包まれた。
「おい聞いたか! ポンコツじゃなくて“正直すぎるポンコツ”だ!」
「これでワーストコンビ完成だな!」
私は顔を真っ赤にして俯き、ロイドは真顔で続ける。
「ですが、命令には従います。たとえ無能でも」
……こうして、“ワーストコンビ”は誕生したのだった。




