お願い退いて~膀胱が限界で体育の授業を抜け出した委員長はトイレ目前で不良達に捕まってしまう
「あのっ……トイレに行ってきても、いいですか……!」
思春期も真っ只中の中学3年の女子生徒が、他の生徒もいる前でこの一言を言うのに、いったいどれほどの勇気が必要だろうか。
多少恥じらいながらも、危なくなる前に言い出せる者はいるだろう。全く気にせず『トイレ行ってきまーす』などと言ってしまう者も。
だがこの年代の女子の大半にとっては、かなりの覚悟がいる言葉であるはずだ。
少なくとも今、教師の前で時代遅れのブルマから伸びる脚を切なげに擦り合わせる少女、河村彩月にとっては、恥ずかしくて仕方のないことだった。
下腹を襲う重みに耐えかね、勇気を振り絞ってトイレを願い出た彩月。
だが、そんな彼女に対して、担当の体育教師の言葉は冷たかった。
「トイレは休み時間の間に済ませておけ。どうしてもというなら行かせてやるが……あと10分も我慢できないのか?」
「え……あ…………いえ……我慢……します……っ」
『トイレに行きたい』というだけでギリギリだったのだ。『たった10分も我慢できない』などと、言えるはずがない。
泣きそうな表情を浮かべながら、彩月は体育館の隅に戻っていった。
「え、行かせてもらえなかったの……? 大丈夫、彩月……?」
「え、ええ……あと、10分だし……全然……平気っ……んんっ……!」
心配する友人にそう返す彩月だが、もちろん嘘だ。我慢できるのなら、彩月は授業中に『トイレに行きたい』などと言い出しはしない。
運悪く、登校からこの4時間目の体育までトイレのタイミングを逃し続けた彩月の膀胱は、半日をかけて注がれ続けた小水でパンパンに膨れ上がっている。
もうほんの僅かな時間も耐えらないと思ったからこそ、彩月は恥を偲んで尿意を打ち明けたのだ。
「我慢……できるっ……私は……絶対……我慢……!」
普段の5倍は遅く感じる秒針を睨みつけながら、震える声で『我慢』と繰り返す彩月。
今日はバレーの授業で、休める時間があることが救いだが、それは他の生徒も彩月をゆっくりと眺めるということ。
忙しなく擦り合わされる脚に、何人もの生徒達の視線が突き刺さった。
(なぁ、河村さん、あれ……)
(あぁ……めっちゃ我慢してる)
(あれさ、漏らしちゃったりしねぇ?)
(マジかよ……河村さんのお漏らし……)
(え? お前そうゆう趣味してんの?)
(や、でも河村さんの見たら、俺も性癖歪む自身あるぞ)
(てか、今のもじもじだけで10回いける)
――特に、男子達の絡みつくような視線が。
河村彩月は、このクラスの委員長をしている生徒だ。当然、性格はかなり真面目。
後ろ髪は首辺りで切り揃え、パッツンにした前髪は、左端だけピンで止めている。
笑えばかなりの美少女なのだが、日々ふざけて回る男子達を叱りつけているため、勿体ないことに怒り顔になっていることが殆どだ。
そのため多くの男子から煙たがられているが……隠れ人気も高かったりする。
大半が怒り顔でも、顔立ちが整っていることには変わりない。
胸は決して大きくはないが、ボディラインの出やすい体育着なら、しっかりと膨らみを確認できる程度にはある。
何より安産型の尻とむっちり肉付きのいい脚が、性を持て余す男子達を大きく刺激するのだ。
普段は校則通りの丈のスカートに隠されているが、体育の時間なら、時代遅れのブルマが全てを露わにしてくれる。
男子達にとっては至福のひと時だ。
そんな体育着姿の彩月が、小水を漏らしそうになり身悶えている。
普段はキッと睨みつけてくる目も、今は不安と苦しさで弱々しい涙目に。
精力旺盛な若者がこんなものを見せられては、平静でいられるはずもない。
反対側のコートの男子達は、皆股間を大きく固め、前屈みになっていた。
「んっ、んんっ……! が、我慢……あと、7分……あぁぁっ……!」
順番が来て、よろよろとコートに出る彩月。
腰を引き、脚をくの字に曲げて全身を震わせる姿は、いつブルマが濡れ始めてもおかしくない危うさを感じさせた。
学業、スポーツどちらも得意な彩月は、こうゆう試合形式ではいつも頼りにされる存在だが、さすがに今の彩月を戦力として期待する者はいない。
何せ彩月の下腹は、注意深く見れば外からでもわかるほどに、ぽっこりと存在を主張しているのだ。
そこに打球が突き刺さりでもすれば、彩月は上下の口から悲鳴を迸らせ、心に一生物の傷を負うことになるだろう。
味方はなるべく彩月のフォローに回るようにしているし、相手側も彩月の方にボールが飛ばないように注意していた。
だが、様々な生徒が入り混じる体育のバレーボール。誰もが打球を自在に操れるわけではない。
あまり得意ではない者が手元を狂わせ、彩月に強烈なサーブが襲いかかった。
「んんっっ!!」
反射的にレシーブをする彩月。ボールは理想的な位置に上がったが、その代償は大きかった。
腕で受けた衝撃が膀胱に伝わり、瞬間的に尿意が高まる。
しかも、脚を踏ん張ったせいで『出す』方の力が入ってしまった。
「あっ、あぁぁっ!?」
彩月の下腹にほんの一瞬だが、強烈に甘く、だが心が押し潰されそうになるほどの、屈辱的な快感が流れ込む。
幸い、下着まで届く量ではなかったが、尿道に破滅の呼び水が入り込んでしまった。
「だっ……だめっ! ごめんなさいっっ!!」
自身が打ち上げたボールが落ちてくるのすら待てずに、彩月はコートから出て、教師の元へと駆け出した。
下腹を庇い、内股をバタバタと動かす不恰好な走りを見せる彩月に、体育館中の視線が集まる。
だが彩月にはもう、それを気にする余裕すら残されていない。
尿道の水気に誘われて、本命の激流が彩月の出口を叩き続けているのだ。
「トイレにっ、トイレに行かせてくださいっ! 今後はっ、んんっ! こ、こんなことがないよう、気をつけますっ! ですからっ、あぁぁっ……! お願いしますっ……トイレにぃ……!」
必死の形相で、教師にトイレを懇願する彩月。
脚をきつく閉じ合わせ、とうとう右手で出口を押さえ込んでしまっている。
「あ、あぁ、すぐに行ってこい……!」
涙ながらの懇願に、教師もようやく彩月の切迫した状況を理解する。
気圧されながらも許可の言葉を絞り出すと、彩月は何度も腰回りを震わせながら、体育館を後にした。
中庭の見える渡り廊下を抜け、校舎に入り、一心不乱にトイレを目指す彩月。
右手はもう出口から離せず、左手で下腹を温めながら、震える脚を懸命に進める。
「あぁっ! あっ、ああぁぁっ!? まだっ、まだだから……! 出ないで……!」
腰を引いて、内股を忙しなく動かす様は、まるで生まれたての子鹿のよう。
尿意の波が下腹を襲う度に立ち止まっては、全身を震わせて出口を引き締める。
時折腰が大きく跳ねるのは、本当に出てしまいそうになる小水への最後の抵抗だ。
「ふぅぅぅ……! ふぅぅぅ……! い、嫌ぁ……あと、少しなのに……我慢が……あ、あ、あぁぁぁっ!」
下着には、すでに小さな染みができてしまっている。
飾り気のない、真っ白い下着だ。
例えトイレに間に合ったとしても、もう黄色い染みが消えることはないだろう。
そして、その水気がブルマにまで染み出すのも時間の問題だ。
――早く、一刻も早くトイレに。
だが、尿意でふらつく足が、迅る気持ちについてこない。
両足だけでは体を支えきれず、左手を壁についてしまう。足取りは、鉛のように重い。
「で……でちゃ……あぁぁっ……だめ……漏れ……くうぅぅぁっ!」
だが、それでも彩月は懸命に足を進め、トイレに続く曲がり角に手をかける。
ここを曲がれば、トイレまであと数m。
脳内では、幸せそうな顔で便器に我慢を解き放つ自分と、廊下を水浸しにして泣き崩れる自分がせめぎ合う。
悪い想像を振り払うように、括約筋に最後の力を込める彩月。
曲がり角から、あの赤いピクトグラムの見える廊下に顔を出し――
「げっ!? 委員長っ!」
バッと右手を出口から離した。
体育館最寄りのトイレ前には、所謂『不良』にカテゴライズされる生徒達気だるそうに座り込んでいた。
彩月と同じクラスの者が2人。残り3人は他のクラスだが、何度か注意したことはある。
普段の彩月なら、眉を吊り上げて叱りつける状況だが、今の彼女にそんな余力はない。
「う、嘘、なんでっ……! あ゛ぁっ!」
尿意はもう我慢の限界で、ただでさえ間に合うか五分五分だったのだ。
予想外の足止めに、もうこれ以上広がらなくなった膀胱が、彩月の意思を無視して収縮を始めている。
それなのに今の彩月は、彼らに弱みを見せまいと、手を出口から離し、姿勢も直立に戻してしまっている。
正した姿勢は膀胱を圧迫し、跳ね上がった尿意が孤立無縁の尿道に押し寄せる。
ジョロッ……。
「ん゛ん゛っ! ど、退いてっ……!」
再びの暴発は、精々ピーナッツ程度だった下着の染みを、出口の周囲に大きく広げた。
もう、彼らを避けて別のトイレに行く時間は残されていない。
彩月が廊下での決壊を免れるには、今すぐ彼らに道を開けてもらう以外の方法はないのだ。
1秒でも早く彼らを退かそうと、彩月は泣きそうになるのを必死に堪え、全力の威圧を瞳に込める。
だが残念ながら、その努力は報われなかった。
「おいおい、今は授業中だぜ? 真面目な委員長様がどこに行こうってんだ?」
「あ、貴方達には、ん゛っ! 関係、ないでしょ……い、いいから退いて……! 早くっ……!」
脂汗と涙に塗れた顔面に、爪が食い込むほどに太股を掴む両手。
堪えきれずもじもじと動いてしまう脚に、時折びくんと跳ねる腰。
そして、サボりなどするはずの無い委員長が、悶えながら授業中に廊下を歩いているというこの状況。
不良達は頭は良く無いが、人の弱みを見つけるのは非常に得意だ。
彼らはとっくに、彩月がトイレに行くために授業を抜け出したということ――それも、あと5分も我慢できない程の緊急状態であることに気がついていた。
立ち上がり、彩月を取り囲む男子達。
「え……何……? ん゛っ! ど、退いてよ……私、急いでるの……!」
周囲からニヤニヤと自分を見下ろす男子達に、彩月の虚勢が剥がれ落ちる。
脚がむき出しになるブルマ姿で、男子5人と向かい合うなど、本当は怖くて仕方ないのだ。
しかも今は、腹の中に爆発寸前の爆弾まで抱えてしまっている。
吊り上げた眉は弱々しい八の字に下がり、死ぬ思いで直立に戻した腰が、恐怖と尿意で再び後ろに引けていく。
「お願い、退いて……ぁっ、くっ……そこを通してっ……! ん゛ん゛っ! お、お願いっ……!」
最早声を出すだけで、小水が溢れてきそうになる。
死ぬ思いで括約筋を締め上げての、涙混じりの必死の懇願。
しかしそんな彩月の態度が、男子達の嗜虐心と性欲を煽ってしまう。
「おい聞いたか? あの委員長が俺達に『お願い』だってよ」
「そうやってしおらしくしてりゃ、可愛げも有るじゃねえか」
「そーそー、顔と体は極上なんだからよ? プリプリしてちゃ勿体ねえって」
懸命に放水を抑え込む彩月を他所に、会話に興じる男子達。
その間にも、彩月の我慢の堤防は少しずつ削られ、先走って飛び越えた飛沫が下着の染みを更に広げていく。
「あ゛っ! ん゛んっ! は、早くっ……私っ、本当に急いで、あ゛ぁっ! おね、がい……!」
「わかってるよ、委員長――小便がしたくて堪んねえんだよな?」
「っ!? ち、ちがっ……!」
我が身を襲う、どうしても悟られなくなかった耐え難い欲求。それがとっくにバレていたことに、彩月が激しく動揺する。
彩月は一部の男性が、女性が尿意を堪え、それに屈してしまう姿に、とてつもない興奮を覚えるということを知っていた。
過去に男子生徒から没収した『大人の雑誌』に、そういった内容が描かれていたのを見てしまったのだ。
男子達から卑猥な視線を向けられる本の中の少女と、今の自分の姿が重なっていく。
耐え難い羞恥に、反射的に否定の言葉を紡ごうとする彩月。
そんな彼女に、男子生徒は一気に距離を詰め、左手でそっと彼女の肩を抱く。
「どんだけ溜まってるか確かめてやるよ」
そう言った男子生徒の目は、彩月への劣情に染まり切っていた。
少女の痴態を写した本の持ち主は、他でも無いこの生徒だ。
空いている右手を広げ、親指以外の4本の指を揃える男子生徒。
それを、隙間なく小水の詰まった彩月の下腹に、ポンっと打ち付けた。
「あ゛っ!? あ゛っ、あっ、あ゛あ゛ぁぁぁっっ!!」
ジョッ、ジョッ! ジョビビッ!
それは、限界を超えかけている彩月にとって耐え難い刺激だ。
パンパンの膀胱は、加えられた圧力を逃すため、溜め込んだ小水を唯一の出口へと押し流す。
疲弊した括約筋は渦巻く激流に屈し、誤魔化しようのない量の小水を下着の中に迸らせてしまった。
下着は完全にびしょ濡れ。吸いきれなくなった小水が、とうとうブルマにまで染み出してきた。
「い゛、嫌ぁっ……! こん、なっ……い゛やぁっ……!!」
彩月の脳裏に、再び雑誌の少女の姿が甦る。
彼女は、今の彩月と同じくブルマを穿いていた。
そしてやはり、男達に下腹を押され、溢れ出る小水を止めようと、両手で股を押さえて身悶えていた。
ジョロッ!
穴の空いた堤防から、またしても染み出す小水。
彩月は雑誌の少女に引きずられるように、その堤防の穴を両手で押さえ込んだ。
「も、もうだめっ! 退いてっ! お願い退いてっ! あ゛あぁぁっ!? だ、だめっ……通してっ……! トイレに、入らせてっ! お願いっ……お願いっ……!!」
両手の蓋による押さえは、いつまでも続くようなものではない。
目の前に迫った決壊に、彩月は恥をかなぐり捨ててトイレを懇願する。
もう彼女に残されているのは、『お漏らしだけはしたくない』という、当たり前すぎる願いだけだ。
だがそんな彩月を前に、膀胱を押した男子は無情にも最後の仕上げに取り掛かる。
「おい、ちょっと押さえててくれよ」
「な、なにをっ……! あ゛ぁっ!」
背後にいた生徒が、彩月の腕を腰の後ろで固定する。両端の生徒も、腕と肩を掴んで彩月の動きを押さえ付けた。
体を無理やり起こされた上、両手も外された彩月は、両足を絡み付かせて体内の水圧を抑え込む。
「離してっ、お願いっ! ん゛あっ!? こ、これじゃ、我慢がっ……! あぁぁっ、トイレっ! お願いトイレにっ!」
「ははっ! お前のトイレはここだよ!」
そして、正面に陣取ったエロ本の男子が、ブルマ越しに彩月の膀胱を圧迫していく。
「あ゛あ゛ぁっ!?」
ジョッ、ジョビビッ!
「やめてっ! やめてぇっ! ん゛はあぁぁっ!? お、押さないでっ!」
膀胱はパンパン、括約筋は満身創痍。
彩月の下腹に、この圧力に抗う力は無い。
一つ腹を押される度に、彩月の尿意は限界を飛び越え、押し出された小水が、下着を突き抜けブルマに溢れ出る。
「はははっ! ブルマが濡れてきてんぞ!? 漏らせ! 漏らしちまえ!」
「あ゛あ゛あぁぁっ! 嫌あぁぁっ! やめてっ、出ちゃうっ! お願いやめてぇぇっっ!!」
ジョジョッ! ジョジョジョッ!
ガクガクと震えることと、膀胱を押す手に合わせて跳ねることしかできなくなった脚に、一筋の滴が伝う。
ついに厚手のブルマでも吸いきれなくなった小水が、脚の方まで溢れ出してきたのだ。
ジョビビッ! ジョビィィッ!
「あ゛っ! あ゛あ゛っ! だめっ……! もうっ、だめぇっ!」
下腹を押す手は止まらない。排尿衝動は、もうずっと最高潮のままだ。
お漏らしなんて、絶対にしたくない。
でも、和らぐことのない尿意の辛さに、心より先に体が屈していく。
――ぐっ、ぐっ!
ジョビビビッ! ジョッ、ジョッ! ジョォォォォッ!
「漏れるっ……! も゛れるぅっっ!!」
尿道が、自分の意思に反して強引に広げられる、狂おしいほどの快感。
破滅の囁きが、彩月の最後の意地を蝕んでいく。
――ぐっ! ぐっ!
ジョォォォッ! ジョォォォッ!
「だめ゛ぇ……っ! も゛れ゛るぅっ……!!」
視界の端の女子トイレの看板が、ぐにゃりと歪んで、景色に溶けた。
「も゛ぅ……だめ゛ぇ……あ゛あぁっ!」
――ぐいぃっ!
「あ゛あ゛あ゛ああぁぁぁぁっっっっ!!!!」
とどめとばかりに押し込まれる悪魔の手。
彩月の腰が、我慢の終わりを告げるように、大きく、哀しく震えた。
ジョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッ!!!!!
ブジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!
力を失った尿道口から、我慢に我慢を重ねた大量の小水が迸る。
まるで消防車の放水のようなそれは、下着とブルマ越しとは思えない勢いで、彩月の股から下の何もかもを水浸しにしていった。
ジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!
ジャババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババッッッッ!!!!
「あ……ああぁぁっ……い、嫌っ……嫌ぁっ……!」
中学3年にもなって、トイレが我慢できずに廊下でお漏らし。
自分がしてしまったことのあまりの情けなさに、受け入れられず泣きながら首を振る彩月。
だが、下腹を支配する放尿の快感が、股から下を濡らす生温かい感触が、彩月に現実を突きつける。
「私……こんな……ところで……あぁぁっ……嘘……!」
自分が、本当にお漏らしをしてしまったんだと。
あまりのショックに、絡み付かせた脚を解くこともできない彩月は、その敗北の証のほとんどを、下半身全体で受け止め続ける。
ビヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャッッッ!!! バシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャッッッ!!! ブシュイイイイイイイイイイイイッッッ!!! ジョババババババババッッッ!!!
「うぅっ……うっ……うぅぅっ……っ……うぁぁぁっ……!」
水溜まりから響くけたたましい水音に、少女の咽び泣く声が重なった。
「は、はは……はははっ……はははははっ!」
彩月の股から溢れる金色の滝のあまりの凄まじさに、しばし呆然としていた男子達。
だが、彩月の泣き声を聞いて徐々に正気を取り戻していく。
「も、漏らしたっ! こいつ、本当に漏らしやがった!」
最初に声を上げたのは、膀胱を押し、彩月を恥辱に突き落とした張本人だ。
まだ少し勢いに飲まれているが、その顔には劣情や嗜虐心が戻ってきていた。
爛々と輝く目からは、かなりの興奮状態であることが伺える。
「マジかよ……あの河村がお漏らし……」
「見ろよ……ブルマ、ずぶ濡れだぜ……」
「ヤベぇな、これ……エロ過ぎだろ……へへっ」
他の男子達はまだフワフワと現実感のない様子だが、視線は彩月の恥態に注がれ続けている。
嬲るような視線から顔を背けようとする彩月だったが、全方向を囲まれているため、顔を俯かせることしかできない。
下を向いた顔から、未だ広がり続ける水溜まりに、ぽろぽろと涙が落ちていく。
「みない……で……ぐずっ……うぅぅっ……み……ない……で……っ……ひっぐ……っ」
「はははははははっっ!! なぁ、どうだ!? 中3にもなって小便漏らした気分は!?」
「や……めて……うぁぁっ……そんな……えぐっ……言わないで…うぅっ……っ……」
心を抉る言葉に、彩月の脚から力が抜けていく。
ガクンと膝が折れるが、3人の男に支えられた体は崩れ落ちることはなかった。
だが、水たまりに沈んでしまった方がマシだったかもしれない。
バランスを取ろうと脚が開いてしまい、ブルマを突き抜けた小水が、勢いよく床を打ち付けてしまう。
シュビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッッッッッ!!!!!
ビシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッ!!!!
「あぁぁっ……嫌ぁぁ……と、とまっ……て……あぁぁぁっ……!」
更なる恥辱に、か細い悲鳴をあげる彩月だが、彼女を襲う悲劇はまだこれだけではなかった。
正面の男が、チラリと後ろを振り向く。
その視線を追うと、彩月の目に信じられない光景が飛び込んできた。
「あっ、あぁぁっ……! 嫌っ……嫌っ……!!」
「撮れてるな?」
「あぁ、バッチリだ」
1人フリーになっていた5人目の男子が、スマホのカメラを彩月に向けていたのだ。
「嫌っ! 嫌あぁぁっっ!! 撮らないでっ! カメラを下ろしてっ! お願いっ! 嫌あぁぁぁっっ!!」
お漏らしの映像を収められていたという事実に、彩月が激しく動揺する。
身を捩り、なんとか拘束を解こうとするが、男3人に押さえつけられた体は全く動かない。
それどころか、両脇の男子達は顔を見合わせニヤリと笑うと、小水がつくのも構わず彩月の膝の裏に手を入れ、まるで幼児が用を足すような大勢に抱え上げてしまった。
もちろん、小水の溢れ出る出口をカメラの方に向けて。
「あっ、あっ、やだっ、やめてっ! こんな格好っ、あぁぁっ! 下ろしてええええぇぇぇっっ!!」
ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!
ビヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャッッッッ!!!!
「嫌あああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」
持ち上げられたことで角度が変わり、カメラに向けて噴き出した小水が放物線を描いて床に落ちる。
更に、ブルマに遮られて勢いを無くした分は、尻を伝って直下に落ちていく。
幾つもの支流に分かれた盛大な放水ショーは、未だ終わる気配を見せない。
「ぶははっ! なんだよこれっ、すっげぇ!!」
「おい、まだ出んのかよ!? どんだけ溜め込んでやがったんだ!?」
「滝だ滝! お前今日から『滝村漏れ子』な!」
「それ、全国の滝村さんに失礼だから。こんなお漏らし女と一緒にすんなって」
「やめ……て……もう……やめて……! あぁぁぁっ……止まってよ……とまっ……て……!」
心無い言葉の応酬が、一つ、また一つと彩月を打ち付ける。
叫ぶ気力すらも奪われた彩月は、もう身じろぎすらできない。
膀胱の中身が空になるまで、泣きながらカメラに向けて、小水を出し続けた。
「うぅっ……ぐずっ……うぅぅっ……えっぐ…………あぁっ!?」
1分を超える壮絶な放尿が終わり、男達が彩月を解放する。
既に一切の力を失った脚は、床につくと同時にガクンと折れ、今度こそ彩月の体が水溜まりにへたり込む。
ブルマと靴下が、冷たくなった小水を吸い上げる不快感を感じながら、彩月は不安と恐怖でいっぱいの男子達に向ける。
「お……お願いっ……誰にも……言わないで……っ……お願い……っ」
中学3年にもなっての、廊下でもお漏らし。
それは多感な思春期の少女、とりわけ羞恥心が強い方の彩月にとっては、耐え難い恥辱だ。
それが他の大勢に知られるなどすれば、もう学校に来ることすらできなくなるだろう。
彩月がこれ以上の辱めから逃れるには、目の前の、女の弱みにつけ込む卑怯者達に縋るしかない。
だが、心はともかく体が、特に下半身は女として著しく成熟した彩月がそんな姿を見せれば、その先に待っているのは悲劇しかない。
「お願い……お願いっ……!」
必死の懇願を続ける彩月を、ニヤニヤと笑いながら見下ろす男子達。
そして、この虐めの中心となった男子が、楽しくて仕方ないといった表情を彩月に向けた。
「そうだよなぁ? 中3にもなって、小便漏らしたなんて知られたら、人生終わっちまうもんなぁ? なぁ、お漏らし委員長?」
「ひっ……! うっ……うぅっ……!」
「いいぜ、黙っててやる」
――その代わり。
「今日からお前、俺達の奴隷な? 逆らったら……わかるよな?」
チラリと、まだスマホの録画を続ける中を見て、男子生徒はへたり込む彩月にそう言った。
彼らが彩月に望むことなど、基本的には一つしかない。
自らを待つ悍しい未来に絶望し、彩月は再び、水溜まりに視線を落とした。
「今日アダルトショップ寄って帰ろうぜ」
「何着せてやっかな? メイド服?」
「姉貴が昔新体操やっててさ、まだ部屋にレオタード残ってるかも」
「いやいや、これはもう一回お漏らしプレイだろ」
「ようこそ、こっちの性癖へ」
「うぅぅっ……うぁぁぅぁっ……うあああぁぁあぁぁぁあぁぁっっ!! うあああぁぁぅあああぁぁああぁうあああぁぁああぁぁっっ!!」
◆◆
結論から言うと、彩月が彼らの性奴隷になることはなかった。
彩月が彼らから解放されたのは、授業終了僅か1分前。
しかも、彩月にとっても彼らにとっても不幸なことに、今日に限って彩月のいる場所から一番近くの教室の授業が、チャイムを待たずに終了してしまったのだ。
絶望に沈む彩月は足音に気付くことができず、金色の水溜まりにへたり込む姿をあっさりと衆目に晒してしまった。
『ち……違うのっ……これは、違うの……! み、見ないでぇっ……!』
彩月は、下級生達から見れば間違いなく『美人の先輩』に入る部類だ。
そんな彩月が、腰回りを締め付けるブルマ姿で、あろうことかお漏らしをした姿を晒している。
件の教室から出てきた1年生――取り分け、性に目覚めたばかりの男子達にとっては、とんでもない大事件だ。
着替えを終え、校舎に戻ってきたクラスメイト達に救い出される頃には、全てが手遅れ。
『美人の3年生がおしっこを漏らした』という噂は学校中に広まり、その半数には、漏らしたのが彩月だと言うことまで知れ渡ってしまっていた。
脅迫のネタを無くした男子達は、彩月から話を聞いたクラスメイト達が教師に働きかけたことで停学。
データの入ったスマホも、その日のうちに没収された。
体育教師はセクハラやパワハラで職を失う……とまではいかなかったが、多感な時期の女子に対する配慮が大きく欠けていたとして、半年間の減俸処分となった。
そして、彩月。
お漏らしと、それが学校中に知れ渡ってしまったショックでしばらく不登校になっていた彼女だったが、クラスメイト達――主に女子達――の連日の見舞いに立ち直り、半月ほどで学校に復帰した。
彩月は敵も多いが、それ以上に味方も多いのだ。
その頃にはお漏らしの噂も下火になっており、彩月のお漏らしによる騒動は、一先ず幕を閉じることになった。
――クラスの男子と、お漏らしを目撃した1年生男子、そして一部の女子に、歪んだ性癖を刻みつけて……。