7丁目
夏の午後に
真昼は泣いた。
広い世界の中、
私はただ一人生き残った。
死滅。全てが死滅した。
そして消滅した。
残った缶詰を食べたら
真昼も逝くと思っていた。
しかし翌日には、
草が生えていた。
そしてどんどん動物が目覚めて、
一人の男が真昼の前に立つ。
"妻になってください。"
真昼は妻になり、子供を宿す。
怖いものは世界。
私は箱舟なんか
用意しなかったのに、
世界の女になった。
=目が覚める=
不思議な夢だったと
真昼は笑う。
謎の男なんかじゃなかった。
男は旦那で、私は臨月。
ただ幸せだからかと真昼は感じる。
だったら歩こう。
真昼は、健やかな7丁目を少し散歩する。