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沈黙の森-2-
* 沈黙の森-2-
作:あしゃの よかみち
午前3時の虫の囁き合いが...私を森へと誘い込む。
何もない野原の上を、道もない草原の上を、
ただ、ただ、前へと進むだけだった。
森は闇と同化していた。
私の考えも及ばないほど、森は深刻な闇となっていた。
私は闇に足をふみいれると、全ての囁きは遠くに投げ飛ばされ、
取り残される気分を味う。だが私はすぐ沈黙に同化した。
闇と沈黙の森は私の存在を否定していた。
そして私の意識も私の存在を否定した。
そこで私は心の奥底で生きる私でも他人でもない物、
全ての物でないものを見つける。
沈黙の森で、私は深い深い否定の中の…
否定を否定する存在を見つけたのだ。
それはとても深い。そして私は森を去った。
朝が巡ると、今までの私の陳腐な肯定が、
否定を否定する絶対の肯定を見いだすだろう...