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ぼっち戦隊ソロレンジャー2

作者: Luoi-z-iouR(涙州 硫黄)

このお話はクソSSです。書くつもりはなかったのですがなぜか続編を作ることになりました。一応下記URLを張っておきますが読んでも読まなくても大丈夫です。普段書いている異世界転生物の方を読んでもらった方がずっとうれしいです。


ぼっち戦隊ソロレンジャー

https://ncode.syosetu.com/n8708fx/

『くーりすますが今年もやぁってくるぅ〜』

 某フライドチキンチェーン店の宣伝が聞こえてくる季節になった。ウイルスが発見されてからはや一年が過ぎてしまった今日この頃、おうち時間を過ごす家族や恋人が多いためか例年よりもリア獣の出現率が低い。それでもリア充がいる所にはリア獣がいるはずである。リモートワークが幅広く導入されたこともあって今年の都内はほんの少しだけ静かでいてどこか寂しさを感じる人も少なくなかった。そのせいか自粛気味になっているイルミネーションがかえって幻想的なムードを作り出している。どんなものでも派手にすればいいという訳では無いことを電飾たちは伝えているのかもしれない、なんてありえないことを考えているM字ハゲで小太りな男が1人、古着を利用して作ったマスクを付け、右手にボロボロのマイバッグ

を持って足早にアパートへ入っていった。


烈斗「全く、このご時世なんだからデリバリー頼めばいいのになんでわざわざチキンをスーパーで買わなきゃ行けねーんだよ。しかも雪降るかもしれねぇって予報出てんだぞ? おかしくね? しかもリーダーをパシらせるってダメだろいろいろと。こういうのは亜織に任せりゃいいのにマジでなんで俺なんだ? 」

 文句を言いながら築50年は経過しているアパートの自室のインターホンを鳴らす。ビーッと鳴るとすぐに中から小太りな後頭部ハゲの男が出てきた。

倫久「遅かったじゃねぇか」

烈斗「これでも最速だ」

倫久「太ってるから遅いんだろうが」

烈斗「それお前が言うの? 」

 2人とも罵りあいながらも薄ら笑いを浮かべていて冗談を言い合えるくらいには仲がいい。智久はチキンを受け取り烈斗を家に入れる。中は六畳一間。コタツが1つだけあり、おっさんが5人集まった。


桃尻「烈斗、おつかれ〜。オレまだPU○Gやってるからチキン取っといて」

 コタツの出禁を受けているスキンヘッドで小太りの男は桃尻。常にイカと火薬の臭いを放つ。そのせいでコタツに入ると悪臭が更に悪化するため厚着とスマホの発熱で寒さを凌ぐ。


村崎「烈斗、マイ○ン買ってきたかい? フライドチキンは胃もたれするからって代わりにお願いしたヤツ」

 この集まりでの最高齢である村崎。昔ながらのバーコードヘアーで薄毛に抵抗している。


亜織「烈斗さん、ちゃんこ鍋の出汁も買ってきましたか? 」

 1番若い亜織。気苦労が激しいせいで若ハゲになったが、1度警察に捕まってからは気苦労の負担が減ったという。だが死んだ毛根は帰ってこなかった。


烈斗「やりたい放題か。買ってきたよタバコもちゃんこ鍋も。倫久が持ってる袋に入ってますよと」

村崎「クリスマスまでに全員が無事にシャバに戻れたんだから少しくらいハメ外してもいいだろう……これメビ○スじゃ、あ、ごめん、合ってるわ」

桃尻「あっぶね、相手クソエイムで助かったわぁ」

亜織「みんなお腹空いてるんですよ? 」

烈斗「だから早く帰ってきたんだろうが」

倫久「まぁまぁ落ち着け烈斗。今日くらいはのんびりしようぜ」

烈斗「のんびりしすぎなんだよ。〇ber〇ATSのバイトだって全員でやってもそんなに儲からないしよ。というかそれこそU〇erE〇TSで頼めば良かったじゃねぇか」

村崎「まぁまぁ、部屋は5人で1つとはいえ社宅を貸してくれてるんだし衣食住には困らんだろう。あ、やっぱりワシもチキン食う。いい匂いして旨そう」

烈斗「割引されたオードブル買ってきといてよかった」

亜織「せっかく出来たてですし早く食べましょう! 烈斗さん、ありがとうございます」

烈斗「後で金出せよ」

 ボロボロのマイバッグから冷めたチキンを取り出す。むしゃむしゃと品の欠片もない汚い食べ方を誰も咎める事無くコタツに足を入れてクリスマス気分を味わう。そんな中、アパートから警報が鳴った。



『未来予報装置ウィルカムスから緊急司令。3時間後にリア獣発生の可能性大。場所はA県C市裏路地、ターゲットは1体。詳細は各デバイスにてチェックせよ』


 5人のいる部屋に緊急アナウンスが流れる。未来予報装置ウィルカムスとは未来で起こる事件をAIが察知し、それを事前に防ぐための警報装置である。


桃尻「まって! まだ終わってないから! ドン勝取ってないから! チキン食ってないから! 」

烈斗「言ってる場合か! 仕事だ仕事! 」

亜織「詳細は……これといって変わったことは無し。いつも通り武装や交通費その他諸々は各自で自己負担だそうです」

村崎「やれやれ、こういうことするからワシら下っ端が苦労することになるんだ。だが雇い続けてくれてる以上やるしかなかろう」

倫久「村崎さん。警察に捕まったのに庇ってくれただけマシだと思えてしまう辺り俺たちは社畜なんだろうって思いますよ……」



 2時間後、通達された現場には酒に酔った30代のエリートのような男が全裸にメガネとネクタイだけの変態だった。その男は公園や住宅街、駅のホームに線路へと立ち入り騒ぎを起こしていた。現在は踏切で車の進路を妨害している。

リア獣「あっびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃ! 俺ちゃん正義の悪党PKO! パンツ食いちぎるおじさんだ! 女の子を誘拐しておなかいっぱい食べた後、この世の全てをハナクソのぬか漬けにしてやるぜー! 」

倫久「なぁ、アレってリア獣か? 」

烈斗「違う気がするが顔写真を見るからにアレがそうだろう」

亜織「頭打ったんですかね? どう見ても普通のリア獣ではないですし、人間を襲っているようにも見えません」

桃尻「もしかしたら激レアな憑依種か? 」

村崎「ありうるな。憑依種は分からないことが多いから捕獲対象だ。逃がすなよ」

烈斗「OK、とりあえず名乗りくらいはするか」



「そこまでだ! 悪しき獣よ! 」

「ぴぴょ? 」

 踏切にいるリア獣が食いついた。振り向くとそこには5人の男がいた。横並びに整列する彼らの背後から強い光が当てられている。カラフルな全身タイツを身に纏い、タイツにはあちこちにツギハギやワッペンで補修されている。全員が顔までタイツで隠しているが体型は隠すことが出来ず5人のうちの3人、赤、緑、ピンクが所謂メタボ体型、紫は辛うじて小太り体型だがそれが余計に見窄らしく、青だけ痩せ細っている。その奇抜すぎる五人衆に女性もリア獣もポカンと開いた口が塞がらない。そこに赤……ではなく緑タイツの太った男が声高らかにリア獣に宣戦布告をする。


「滾る血液の赤! ソロレッド! 」

「揺蕩う湯船の青! ソロブルー! 」

「進むべき証の緑! ソログリーン! 」

「妖艶な香りの紫! ソロパープル! 」

「膨らむ妄想の桃! ソロピンク! 」


ソロレッド「5つの頭皮が輝く時、悪しき獣を討ち滅ぼす! 」

「「「「「ぼっち戦隊!ソロレンジャー!!! 」」」」」


 決めゼリフと決めポーズが決まると先程まで強い光が当たっていた彼らの背後が爆発し、それぞれの色の煙が立ち上る。全身タイツが顔も覆っているため顔が見えないが、彼らのタイツ越しにニヤつく顔が微かに浮かぶ。


ソロレッド「さぁ、悪しき獣の『リア獣』よ! このソロレンジャーの名において、ついでにサタンのおじさんとキリストに変わって成敗してくれよう!! 」

ソログリーン「クリスマスイブイブに蔓延るリア獣め! 」

ソロパープル「ただでさえ性の6時間にイラついてんのにフライングスタートもいい所だバカヤロー!! 」

ソロピンク「大量のニトロを飲ませて体内からじっくりこんがり爆破してやる! 」


 リア獣は五人衆に向かって宣戦布告に応えるように吠える。その言葉を皮切りに五人衆は名乗り始める。


リア獣「うぴょょおおお! えんぴつけしごむスルメイカ! 」

ソログリーン「もはや何言ってるのか分かんねぇよ」

ソロパープル「意思疎通も取れてない。憑依種で間違いないな」

ソロピンク「今回火薬の出番はこれくらいしか無さそうだ」

ソロブルー「前回と同じくらいの予算しかないんですからどの道今ので全部使い切りましたよ」


 低予算故に満足に仕事すら出来ないのがこの部署である。そんな窓際から投げ捨てられた部署に与えられたこの仕事は宝札のようだった。


ソロレッド「憑依種は通常の人間に何らかの異常が起きて奇妙な動きをするリア獣になっている。だから身体能力は元の人間の強さと変わらない」

ソログリーン「その通り! 去年のようにはいかないぜ! それに憑依種は社会復帰もできる珍しいタイプだ。ネットに拡散される前にぱっぱと終わらせるぞ! 」

ソロパープル「相手はヒョヨガリの頭脳派だ。知能が低下して身体能力が向上しない憑依種であれば人数有利を利用して抑えつければ問題なかろう」

ソロピンク「人間弾幕作戦と洒落こもうじゃあないか」

リア獣「ぴょぴょぴょ! コンクリートの〆鯖! 」

ソロブルー「こっちに来ます! 」

ソロレッド「戦闘開始だ! 」


 リア獣がソロレンジャーに向かって走り出す。まずはレッドが飛び蹴りを繰り出す。だがアキレス腱がプツンと音を立てて切れてしまった。

ソロレッド「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛! 」

ソログリーン「何してんだ! 準備運動くらいしとけ! グリーンスタンプ装備! 」

 すかさずグリーンがフォローに入る。社長でも滅多に使わなそうな大きな判子を逆手に持ってレッドを守る体勢を取る。


ソロパープル「大丈夫だ倫久、今回は新兵器を用意してきたぞ」

ソロブルー「え、そんな予算どこにも無かったじゃないですか」

ソロピンク「あ、アレか! 村崎さんが頑張って作ってたヤツ」

ソロパープル「そうだ! 烈斗、お前が使え」

 アキレス腱が切れて倒れるソロレッドにソロパープルが何かを渡す。それは空になったビールの500ミリ缶を主原料とした工作だった。

ソロレッド「……なんすか? 」

ソロパープル「見りゃ分かるじゃろ。レッド……ぐはっ!? 」

  ソロパープルが説明しようとするとリア獣がソロパープルの顔面にヒップアタックを浴びせて雄叫びを上げる。余程嬉しいのかそのままソロレンジャーを放置して小躍りまでし始める。


ソロブルー「村崎さん! 」

ソロピンク「仕方ねぇ! ピンクミート装b……ぎゃああああ! 」

ソログリーン「桃尻! ソイツは……手遅れか! 」

ソロブルー「というか鶏もも肉あるなら家にいた時に焼いてくださいよ」

 ソロピンクの取り出した骨付きの鶏もも肉はリア獣の回し蹴りによって通りすがりの車のボンネットへと飛んで行った。当の本人も回し蹴りを受けて左手を負傷したがまだ戦える。現状で動けるのは無傷のソロブルー、ソロレッドを庇うソログリーン、左手が鶏肉の脂に塗れたソロピンクの3人。ソロレッドは動けないがソロパープルが遺した工作を持っている。ただ、この工作が何の役に経つのか、そもそもどうやって使うのかは気絶しているソロパープルしか知らない。


ソロブルー(今はまだ取り返しが付く! まずは村崎さんの作戦通り2〜3人で取り押さえる。その後すかさず烈斗さんが持ってるアイテムで完全に捕縛する! 村崎さんのことだ。きっと投網とかの拘束具を発射するものだろう。となると使い方が鍵になる! )

 頭脳担当のソロブルーが頭の中で勝ち筋を見出す。最年少ながら唯一の高学歴のためピンチに陥った時はみんなが頼りにする。

ソログリーン「亜織! 作戦は!? 」

ソロブルー「倫久さんと桃尻さんでリア獣を捉えてください! 烈斗さんはそのアイテムを何時でも使えるように! 私が烈斗さんを運びます! 」

ソロピンク「流石亜織だ、村崎さんの敵は取る! 」

作戦を聞いてリア獣に立ち向かうグリーンとピンク。グリーンが抜けた穴をブルーがカバーしてレッドを背負い、一応の戦闘態勢は整えた。

ソロレッド「す、すまねぇ……」

ソロブルー「大丈夫です。2人がリア獣を取り押さえてくれるので、あとはそのアイテムを撃ち込んで終わりです」

ソロレッド「ごっつぁんゴールみたいな感じだな」

 だがここで誤算が1つあった。最初に見た時よりも動きが軽やかになっていたリア獣は更に軽やかにアクロバティックに動な動きでグリーンとピンクの隙間をNBA選手のようなドリブルで抜いていく。

ソログリーン「亜織! すまん! 」

ソロピンク「抜かれた! 」

ソロブルー「来ます! 」

ソロレッド「ちぃ! 」

リア獣「ぴょあああああああ! 」


 2人の壁を超えてきたリア獣は飛び蹴りを繰り出す。動きが早いリア獣に対してソロブルーは足を負傷したソロレッドを背負っているため防御も回避も難しい。更にソロブルーはソロレッドよりも体重が軽い痩せ型であることが災いして余計に動きが鈍い。回避もままならない。ソロブルーは腹部にリア獣の足の裏がしっかりと入り込み、消化しかけのチキンを吐き出す。

ソロブルー「ぐぼ、ぼぼぼぼぼ」

ソロレッド「亜織! すまねぇ! 」

 ソロブルーの戦闘不能をチャンスと捉えたソロレッドは使い方も分からない工作を構える。それらしく構えるとトリガーらしき部品を見つける。これだ、と判断した次の瞬間、ソロブルーはリア獣の足を押さえつけていた。

ソロブルー「い……ま……! 」

 リア獣の後方から追いかけるソログリーンとソロピンク。あぁ、きっと俺や亜織がやられても大丈夫。コイツらがやってくれる。立派な仲間がやってくれる。そう確信したソロレッド。信じてトリガーを引く。だが、現実は甘くなかった。

ソロレッド「がごば!! 」

 ソロパープルが作った工作は、確かに投網を発射する装置だった。だが作りが甘く、装填用の蓋がソロレッドの顔面に叩きつけられてしまった。肝心の投網も缶が発射の勢いに耐えきれず破裂したせいでリア獣にではなくソログリーンの方向へと飛んでいく。

ソログリーン「うわっ! ちょ、動けねぇ! 」

ソロピンク「くそっ! 動けねぇヤツからやるのかよ! 」

 3人の足止めも虚しくソロレッドとソロブルーが倒れる。リア獣は足にしがみつくソロブルーの手を払い、頭を踏みつけて踊る。バブル期さながらのダンスで手のひらのスナップと揺れる股間を周囲に見せつけて楽しんでいる。


ソロピンク「倫久、俺が引きつけるからあとは頼むぞ! 」

ソログリーン「ま、まて! まだ準備出来てない! お前は負傷もしてるだろ! 」

ソロピンク「いつ逃げ出すかわかんねぇ以上足止めは必須だ。だから俺が止める! 」

ソログリーン「桃尻! 」

 必死に呼び止めるソログリーン。それでも逃がさないように走るソロピンク。リア獣はまたおもちゃが増えたと喜ぶ子どものように手を叩きながら立ち向かう。

ソロピンク「ぉぉおおおおお! 」

リア獣「うっぴょおおおおお! 」

 拳と拳が掠る。そのまま両者の顔面に拳が入る。だがソロピンクの放った一撃は運悪く拳半分届かない。厳密には腕が届かなかった。結局ソロピンクは何もできずにその場で倒れる。

ソロピンク「く、そ……」

 だがソロピンクが稼いだ時間は無駄ではなかった。ソログリーンが投網から脱出し、左手にそれを鞭の様に構え、右手で愛用の武器であるグリーンスタンプを装備している。

ソログリーン「うおおおおぉ! 」

リア獣「ぴぴょ……ぴょ? 」

ソロレッド「に……逃がすかよ……! 」

ソロパープル「若造よ、目を覚まさんか……! 」

 早々に倒れたソロパープルとアキレス腱以外は比較的ダメージの少ないソロレッドがリア獣の足を掴む。簡単に払われてしまうがリーダーとして、最年長としての執念で何度でも食らいつく。その隙にソログリーンが痛烈な二連撃を放つ。

ソログリーン「『グリーンアプロバル、ネットプラス』! 」

リア獣「ぴょおおおおおおっ!? 」

 初撃はリア獣の腹部に投網が投げられる。一瞬だけ注意が腹部に引き寄せられるリア獣。視線が明らかに下に向かうが、本命は頭を狙ったスタンプの一撃。倫久はありったけの力を乗せてリア獣の頭にスタンプを押す。リア獣は耐えられずスタンプごと頭を地面に叩きつけられた。

リア獣「ぴ……」

 動かなくなったリア獣。死んでいるわけではない。一度気絶させて本部にリア獣を輸送してから憑依種として、1人の人間として観察し、社会復帰に向けて治療されてゆく。そのためにはリア獣を都内某所に運ばなければならないが、そんなことは忘れてソロレンジャーは喜びに包まれる。


ソロレッド「や……やった! 」

ソロパープル「わっははははは……長生きするもんじゃな」

ソロブルー「ヴォェエエ……はぁ……はぁ……村崎さん来月で54でしょうが……」

ソロピンク「……」←サムズアップしてる

ソログリーン「や、やった……のか……? 」

 5人は各々で勝利の雄叫びを上げる。地球全土に届くかのような大きな声の者から静かに勝利を噛み締める者もいる。今日は勝利の美酒でも楽しもうか、それとも病院が先かと考えていると警察が来た。


ソロレッド「あ、警察来た」

ソログリーン「おい、嫌な予感するぞ」

ソロパープル「去年もこんな感じじゃなかったか? 」

ソロピンク「まさか、オレたちはリア獣を止めたんだぜ? 」

ソロブルー「あれ? 今回は鉄道会社の方も? 」

 不思議そうに来客を仰向けに寝そべりながら見ていると、警察と鉄道会社の社員の後ろからゾロゾロと武装した特殊部隊が勢揃いでいる。どう見てもリア獣一体を確保する戦力ではない。オーバーキルである。そして警察が口を開く。


ソロレッド「……あのー、お巡りさん? 」


警察「匿名で『奇妙な5人組がサラリーマンを襲っている』と通報が複数件あった。爆発物を所持しているとの情報もあったが、どうやら本当だったようだな」

鉄道会社「更にここは踏切。線路の上でもあるのにこんなふざけたことして恥ずかしくないのか!? お巡りさん、往来を妨害する罪になりますよね? 」

警察「もちろん。そのほかにもいろいろ捕まえる理由がある。こいつら5人を確保しろ! 」


武装した警察「「「イエッサー! 」」」


ソロレッド「え! あ! ちょ、ちょまっ! 」

ソログリーン「オレたちじゃない! あ、リア獣! 逃げてる!! ぎゃあああ! 」

ソロピンク「ふざけんな! 俺達はソロレンジャーだぞ! リア獣を駆逐しないと行けないのにああああああああぁぁぁ!!! 」

ソロパープル「今年はいい感じに年越し出来そうだったのにいだだだだだだ! 肩がぁっ! 腰がぁっ! 」

ソロブルー「どうしてこうなった……いや、全部なんだけどさ……」




 翌朝


「本日はクリスマスイブです!今年は雪は降らなそうですが非常に冷え込みます。ステイホームで大切な家族と共に過ごしてみるのが良さそうですね。感染対策をしっかり取って、皆様にとって素敵な1日になりますように。以上、お天気でした」


「さて、次のニュースです。昨夜、A県C市の踏切上にて5人の不審な男たちが逮捕されました。男たちは全員がツギハギの全身タイツを履き、1人の女性に襲いかかったようです。警察の調べによりますと5人は口を揃えて『リア獣に襲われていた女性を助けたのになぜ我々が逮捕されなければならないのか』と容疑を否認しています。強姦未遂事件として警察が調べを続ける方針ですが、男たちは自らを『ぼっち戦隊ソロレンジャー』と名乗っていたことから精神鑑定を急いでいます」




 ありがとう、ソロレンジャー!


 さようなら、ソロレンジャー!


 再び全国ネットに顔と頭と活躍が知れ渡ったぞ!


 一日早いけれど青いサンタさんから手錠と逮捕歴のプレゼントだ!


 矛盾した名前と存在であるあなた達の活躍は2分くらいは忘れない!!


 彼らのクリスマスと人生に幸あれ!!




 ぼっち戦隊ソロレンジャー




 完





お目汚し失礼いたしました。彼らは多分もう二度と登場しませんと去年は言いましたがそんなことはありませんでした。そういやこの男たちってイエロー不在な理由は去年製作する際にリュウ〇ウジャーを見ていたせいです。カレーの話を書こうとしてイエローがいないことに気が付きませんでしたが結局カレーは作りませんでした。作者は今年もありったけのC4(粘着爆弾)をかき集めてリア充を探しに行ってきます。


宣伝です。

普段は”ベテラン勇者のおつかい”という勇者が魔王を討伐するというよくある感じの作品を執筆しております。異世界転生物ですがそれらしい話は全く出てきていません。よくある勇者が魔王を倒すまでのお話を書いているのですが、現在はバトル主体になってきています。おかしい、元々はギャグ主体にするはずだったのにどうしてこんなことになったんだ……

下記URL、またはなろう内の検索機能にて、ぜひともご覧ください。


ベテラン勇者のおつかい

https://ncode.syosetu.com/n4768fk/

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