表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

最近の

野村さんと野々村くん

作者: まさゑ

稚拙です

 クラスに一人不思議な子がいる。

 休み時間は上の空でぼーっとしていて、表情は長く伸びた前髪で伺えない。 

 友達らしい友達もいなくヤンキー組にパシリにされているのも見かける。

 これだけなら暗い奴として終わるが彼には伝説がある。

 一度ヤンキーに本気で顔面を殴られたことがあったらしい、しかし殴られた彼は頬が腫れることも赤くなることもなく何もなかったようだった。逆に殴った方の拳が砕けて病院送りになった。

 だからかパシリにすることはあっても暴力を振るわれることは絶対にないのであった。

 彼は野々村といった。

 

 今日もお昼に購買にパシリにされる。

 「あーあ今日は焼きそばパンの気分だわ、ついでにコーラも飲みてぇ、野々村勝ってきてくんねぇ」

 クラスのヤンキー、ゴウキは声高々に命令をする。

 それに同調して金魚の糞ことゴウキの友達スエタカもパンと飲み物を要求する。

 席でぼーっとしていた野々村はおもむろに立ち上がり教室から出ていった。

 数分後に焼きそばパンなどを抱え無言でゴウキたちの前に置くとまた席で大人しく座る。

 周りのクラスメートはもはや見慣れた光景に目をそらし無視をするだけ、昔ゴウキたちに注意した者もいたがガタイもでかく力強いゴウキにボコボコにされ以降誰も口を挟まなくなった。

 

 しかし主なパシリはお昼を買ってこさせる位で授業後すぐ野々村は帰ってしまうため悪化することもなく現状は停滞していた。


 クラスにはゴウキのようなヤンキーだけでなく女子にもカースト上位な者がいた。

 野村さんという女子生徒を中心とした陽の道を生きる者だ。彼女らは他のクラスの運動できる者やおしゃれな子と関わっていてゴウキのような一クラスにとどまらずとてもグローバルな存在だ。


 いつもは早く帰るはずだがゴウキたちにもっと早くゴウキに呼び止められある役目を任されていた。

 「あの、ノムラさん、ちょっとお話いいですか」

 明るい男子と女子の集団の中声をかけた。

 

 野村さんから何回か声を掛けられたが全部無視した。

 結局は大人しくなって後ろを付いてきてくれてとてもありがたい、一緒にいた人たちも気を使ってくれたのか覗き見しようと尾行する影もない。

 野村さんを一人で連れて校舎裏に呼んで来い、その時誰にも尾行もされるな。

 この命令のもとに校舎裏に付くとゴウキとスエタカがニヤニヤした笑みを浮かべながら立っていた。

 「野々村君、あのこれどういうこと」

 少し、いやかなり怒気を孕んだ声で呼ばれる、無視したが。

 「おう、野々村、あとはそこの陰で誰も来ないように見張っておけぇ」

 感情はなくゴウキの言う通り歩いてきた道をちょっと戻り見張り役をする。

 校舎裏なだけあって人気もなく静かなため声が少し聞こえてくる。

 野村さんの怒りの声、ゴウキとスエタカの調子に乗った声。

 カカシになったみたいにぼーっとたち見張り役を忠実にこなす。

 しかし野村さんの声が悲鳴に変わった瞬間、体が勝手に動き走り出していた。

 戻るとゴウキたちに服を引っ張られた野村さんという犯罪現場如しに遭遇する。

 「野々村、おい何戻ってんだよぉ。ちゃんと見張ってろよ」

 口をふさがれながらも藻掻く野村さんは助けてと目で訴えかけてくる、その姿に体が冷たくなる。

 「早く戻れよ」

 スエタカも怒鳴り上げる。

 どんどんどんどん、体が冷めていく。

 野村さんを襲うゴウキとスエタカ。襲う、襲う。このままじゃ野村さんは酷い目に合う。野村さんは傷つく。ゴウキとスエタカは悪いことをしている。野村さんが傷つく。自分がこの場所に連れてきたから傷つく。傷つく。

 頭の中をあらゆる思考がめぐる。

 自分の足元を見ると血の海が広がっている、周りからは悲鳴やうめき声が聞こえる。

 助けて。助けてと声が聞こえる。

 体は重厚な鎧をまとい、腰には剣を携えている。

 懐かしい感覚につい笑みを浮かべ剣を引き抜くと剣先から血が滴り落ちてくる。

 「あぁ、懐かしいぃ。ナツカシイな」


 一瞬幻覚が見えて顔を上げると何故かぶっ倒れているゴウキとスエタカ、顔を青ざめている野村さんが見えた。

 鎧も剣もなく、いつも通りの制服姿の自分がいた。

 野村さんは酷く具合が悪そうに近くによって来て肩に手を置いてくる。

 「野々村くんさ、あの、、、もうゴウキたちと絡むのやめなよ。もしよければ、わたし、はなし、、、」

 言葉を言い終える前に逃げ出していた。

 嫌な汗が背中をびっしりと濡らす。


 次の日、また席でぼーっとしていた。

 ゴウキたちは今日は一度も声を掛けてはこないでも少し日が経ったらまたいつもの様にパシリをさせるのだろう。

 お昼の時間パシリもなくいつも以上にぼーっとしていると誰かが声を掛けてきた。

 「あのさ、野々村くん。よかったらさ今日昼一緒に食べない」

 明るい声、いつも遠くにいた野村さんが近くとても綺麗に見えた。

 



野々村君:主人公、感情がほとんどない?、パシリ

野村さん:クラスの明るい系女子

ゴウキ:クラスのヤンキー

スエタカ:ゴウキの金魚の糞

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ