女友達
お茶の時間が終わる頃から空が急に曇り始め、ちょうど校舎の入口まで戻ったタイミングで強い雨が降り出した。
「やはり降ったか・・すぐやむと思うか?」
先ほどからチラチラと天気を気にしていたロイルが、隣を歩くオレオンに話しかける。
「さあ・・?」
まあ、こいつにわかるわけないよな。
この世界に来て初めての雨だ。
日本の雨と何も変わらない。
入り口から見える外の景色が、灰色にけぶっていく。
ぶ厚い雲に覆われた空を見るに、すぐにはやまないだろう。
「うわー、降ったな」
「やんでくれー」
「最悪だ」
周囲の男子生徒達が、ロイルと同じく空を見ながらギャーギャー騒ぎ始める。
「なんです?」
つい、気になって声を上げる。
その辺の人間に適当に質問したつもりが、運悪くオレオンだった。
「お前には関係ないだろ」
思いっきりメンチを切られる。
「雨だと午後の授業に影響するんだ」
意外にも、ロイルが答えてくれた。
こちらを見てはいなかったが。
「今日は『教練』だからね。雨でも外で強行するんだよ」
げんなりした顔のルーガハントが補足してくれる。
『教練』とは『軍事教練』の略らしい。
戦争ごっこだな。
緊急事態に天気は関係ないからと、土砂降りでも筋トレや走り込み、戦闘訓練なんかをさせられるらしい。
「大きな戦争なんて、もう何十年もないのにさ」と、ぼやいている。
男女別の授業は2コマぶち抜きの2時間だ。
さぞ大変だろう。
俺、女子で良かったわ。
石造りの校舎は、雨が降ると湿気がすごい。
木製の窓を閉め切ってるから換気も悪いし、めっちゃ蒸し暑くなりそうだ。
教室に戻る途中、なんか屋内の雰囲気が変わったなと思ったら、明かりがついてた。
フラボワーノの屋敷にあった、水蛍石の水灯だよ。
ジャンボサイズの水灯がいたるところに設置され、窓を閉め切り薄暗くなった建物内を煌々《こうこう》と照らしている。
学校で使われているということは、公的施設なんかにも同じ様に配備されているのかもな。
国外に輸出とかもしてそうだ。
消耗品だから、常に買い足される。
これは儲かるわ。
いまさらだが、俺ってすごい家のお嬢様だったんだなと実感した瞬間だった。
家にも使用人がいっぱいいるし、豪華な部屋にも住んでるけどさ。
日本と文化レベルが違うから、いまいちピンとこなかったんだよな。
雨はやむ気配を見せず、そのまま昼の時間になった。
俺はおっぱい4人組とランチタイムだ。
今日はもうベアドはいない。
広い食堂のどこかにはいるんだろうが、生徒がワラワラしてるからわかんないな。
何の気なしに見回していると、ロイル達のグループが見えた。
オレオン、ルーガハントはわかるとして、誰だかわからないのが2、3人いる。
いずれも、大貴族の息子達なんだろう。
女子はリコピナ1人だけ。
そうえいば、女子の友達がいないとか言ってたもんな。
クラス内ではいつもオレオンと一緒だ。
その方がロイルとの時間も増えるし、父親のクルクミー侯爵の指示なんだろう。
リコピナは女子の中からは浮いている。
優しく声なんかかければ、ルジンカを刺激するからな。
フラボワーノはクルクミーと並び立つ大貴族だし、父や兄のルジンカ愛も有名だ。
特に、兄のベアドはフラボワーノ侯爵家とアントシア伯爵家の両方を継ぐ。
アントシアも非常に大きな家らしく、ルジンカのバックは今後さらに強大なものになる。
みなさん、さぞ気を使っていることだろう。
ロイルにも、リコピナと仲良くしてくれって言われているからな。
俺が原因なのは間違いない。
とにかく、午後のおっぱいマッサージから関係改善スタートだ。
「昨日、ロイル様とのお散歩で、リコピナさんと仲良くするようにご指示がありましたの。だから、午後の授業はリコピナさんと受けますわね」
俺がウキウキとアーニャちゃん達に断りを入れると、和やかに食事をしていた少女達が、いっせいに動きを止めた。
「ロイル様がそんなことを!?」
「あまりにもデリカシーがないわ。ルジンカさんがお可哀想」
「気にすることありませんわ」
一様に目をつり上げ、想像以上に強い反応が返ってきた。
「私も反対ですわ。どうしてリコピナなんかと!」
アーニャちゃんの表情も険しい。
「で、でも、仲良くした方がロイル様の好感度が上がると思いますのよ?」
俺の言葉に黙る4人。
最初に口を開いたのは、真剣な目をしたアーニャちゃんだった。
肩に垂らした1本の三つ編みが、首と一緒に大きく左右に揺れた。
「ルジンカさん。好きな方の言うことだからって、全部聞き入れてはいけませんわ。母に言われたんですけど、そういうことを繰り返していると・・・・」
言い淀み、俯いて顔を赤らめる。
「繰り返していると?」
俺に続きを促され、意を決したように顔を上げた。
「お、お嫁に行けない体にされてしまうって!」
「「「まあ!」」」
アーニャちゃんの言葉に、他の少女達も動揺する。
これってそんな話なのか?
「お嫁に行けない体って?」
つい、前のめりにアーニャちゃんの顔を覗き込み、セクハラに走る俺。
「え!?そ、それは・・・」
耳まで赤くなり、巨乳を揺らしてソワソワするアーニャちゃん。
恥ずかしがって肩をすくめ、腕を寄せているせいで、胸の生地がパンパンだ。
「あ、赤ちゃんができるんですわ・・」
「赤ちゃん?」
ずいぶん飛躍したな。
「そ、そうです。だから、時には拒絶することも大切なんです」
重々しく頷いた。
「私もそういうの、聞いたことありますわ」
大乳ちゃんが口を開く。
フワフワとした柔らかな金髪が弾んだ。
「とあるご令嬢のお話なんですけど、舞踏会で見知らぬ男性の袖のカフスに、髪のリボンが引っかかってしまったんですって。2人はその場で恋に落ちて、ご令嬢はその男性にリボンを差し上げたそうですわ」
「まあ、素敵ね!」
少女達がうっとりする。
大乳ちゃんは頷きながら続けた。
「それで、後日、別の催し事で再会して、今度はハンカチを交換したんですって」
「ハンカチ交換って憧れますわ」
栗色のくせっ毛を水色のリボンでハーフアップにしている中乳ちゃんが、ため息をついた。
「その次は、手袋を差し上げて、さらにその後は・・・・ポ、ポケットに手を入れさせたんですって!」
「「「まあ!」」」
顔を赤らめ、口元を押さえてのけ反る少女達。
大乳ちゃんは声を落として続ける。
「そして・・そして、その次はとうとう・・・・く、靴下を・・・差し上げたんですって!それも男性の目の前で脱いで!!」
キャーッ!といくつもの悲鳴が上がる。
「信じられないわ!」
「いけないわ!学校でこんなお話・・・!」
「はしたないわ!はしたないわ!」
キャイキャイ騒ぎだしたテーブルに、周囲が何事かと振り返る。
「みなさん、お静かに!声が大きいですわ!」
我に返ったアーニャちゃんが皆を制止する。
俺は話の続きが気になった。
「その後どうなったんです?」
小声で大乳ちゃんに確認する。
大乳ちゃんは超小声でボソボソと答えた。
「あ、赤ちゃんができたんですって!」
またスゲー飛躍したな。
呆然としている少女達。
靴下っていうのは、俺の想像よりもはるかにエロいものだったらしい。
パンツみたいな位置づけなんだろうか。
「お、お聞きになりましたでしょ?ルジンカさん。こういうことがあるんですわ。だから、嫌なことは嫌とお断りするべきですわ」
アーニャちゃんが話を戻した。
「でも、リコピナさんと一緒に授業を受けるだけですよ?それにお胸のマッサージをする約束をしましたの。さっきのお茶会で」
「お、お胸のマッサージ!?」
アーニャちゃんがデカい声を出す。
やめてくれ。
エロ話の後だと、急に卑猥な単語に聞こえるな。
「声が大きいですわ!ただのマッサージですわ。いやらしいものではなくてよ?」
俺は必死に弁解する。
本当はいやらしさしかないからな。
「赤ちゃんができましてよ!」
小乳ちゃんが忠告してくる。
ストレートのプラチナブロンドが勢いよく跳ねた。
「ひ、飛躍しすぎですよ。女性同士ですのよ!それに、赤ちゃんの作り方くらい知っていますから」
「ルジンカさんが?」
「足を見られたら赤ちゃんができると信じていたルジンカさんが!?」
アーニャちゃんと大乳ちゃんが目を丸くする。
その2人を見て、「え?」と驚く小乳、中乳コンビ。
この娘らはルジンカちゃんのご同類だったらしいな。
もっとも、アーニャちゃんや大乳ちゃんだって、どこまで真実を知っているかは怪しいものだ。
俺は浮世離れしたお嬢様達に、正しい性教育を施してやることにした。
「こうして、まず服を脱ぎますのよ」
今日のメニューはロールキャベツみたいな煮込みだった。
俺はナイフとフォークで、ひき肉を包むキャベツ状の野菜をそっと剥がしていく。
少女達が食い入るように俺の皿を見る。
「え?全部?え?」
小乳ちゃんが大きな目をいっぱいに見開いて言葉を失う。
「そうですわ。生まれたままの姿になりますのよ」
「だ、男性の前で!?」
中乳ちゃんの顔から血の気が引いていく。
「ですわ」
俺は肯定しながら、隣の皿から魚のソテーを持ってくる。
「こちらが男性。もちろん、生まれたままの姿です」
アーニャちゃんと大乳ちゃんが顔色を変える。
「ダメ!ルジンカさん、ダメですわ!」
「いけませんわ!お願い、やめて!」
俺は2人の制止を振り切り、魚でひき肉を組み伏せた。
フォークの裏で魚をギュッと押し、2つを密着させる。
「「キャア!」」
アーニャと大乳コンビが叫び、両手で目を覆う。
指のすき間からしっかり覗いているのはお約束だ。
ひき肉と魚が見えるだけだが。
「こ、こんな・・重なるなんて・・は、裸で・・っ!?」
小乳ちゃんが真っ赤になり、ドン引きしている。
中乳ちゃんは自分を抱きながら涙ぐみ、無言でブルブル震えていた。
「まだ赤ちゃんはできません」
俺は付け合わせのインゲンみたいな野菜を指でつまみ、少女達にかかげて見せる。
「これは、赤ちゃんの種が入ったパイプです。男性はみなさん隠し持っていらっしゃいます」
「!!!!!!!」
説明を聞いたアーニャちゃんが、壊れた掃除機みたいな音を立てて息を吸い込み、イスから立ち上がる。
「ダメ!それだけはダメですわ!!いけませんわ、いけませんわ!破廉恥ですわ!」
茹でタコのように真っ赤になって、まくし立てた。
小乳、中乳は完全に沈黙だ。
互いを抱き合い、息を詰めて俺の説明の続きを待っている。
大乳ちゃんも、ここで離脱だな。
「あ、赤ちゃんのパイプって・・・・?」と呆然としている。
正しい知識を持っているのはアーニャちゃんだけだったのか。
おっぱいの大きさと性知識の質は完全に比例している。
親御さん達の判断は、ある意味正しい。
「このパイプをこうして・・・」
俺はいんげんをひき肉に近づける。
「ダメ―――――!!!!!」
アーニャちゃんがフォークを掴み、ひき肉に覆いかぶさった魚をはじき、俺からいんげんを取り上げた。
ちなみに、他人の皿にフォークをつっこむなんて、テーブルマナー的にはあるまじきだ。
「ルジンカさん!!こんなの間違ってますわ!こ、子どもを作ったからって、男性が結婚してくれるとは限りませんのよ!?もっとご自分を大切になさって!!」
俺の肩を押さえ、涙ぐむ。
ちょっと興奮しすぎだ。
「お、落ち着いてアーニャさん。私の知識を披露したまでです。子どもを作る気なんてありませんから」
必死になだめにかかるが、肩をつかむアーニャちゃんの手から力が抜けない。
「でも、リコピナとお胸を揉み合うのでしょう!?ロイル様のご命令で!!」
だいぶ勘違いしている。
「ち、違います。私がマッサージするだけです。ロイル様のご命令でもありませんわ」
「同じことですわ!さっきのご令嬢だって、いきなり靴下をくれと言われていたら、きっぱり断っていたはずですわ!最初は飲み込みやすい要求をして、だんだん破廉恥な内容に変えていくのが男性なんですのよ!
2人でお胸を揉み合うようになったら、きっとロイル様がご参加なさいますわ!」
とんでもストーリーを聞かされた中乳ちゃんが、ついにオーバーヒートで卒倒寸前になる。
ふらつく体を小・大の2人が慌てて支えた。
ここまで一応、すべて小声だ。
アーニャちゃんの「破廉恥ですわ」を除けばな。
だが、少女達の顔色を見れば、どんな話をしているのか一目瞭然だろう。
またオレオンなんかに絡まれたら面倒だし、ベアドに見つかるのも微妙だ。
あの思春期ボーイをこれ以上刺激したくないからな。
とにかく、なんとか少女達を静めないと、リコピナのおっぱいが揉めなくなる。
俺は全員に制止を促した。
「落ち着いて。落ち着いてみなさん。深呼吸して。テーブルの下をご覧になって」
「??テーブルの下??」
アーニャちゃんを含め、全員がキョトンとなる。
「そうです。こっそりとご覧になって」
不可思議な指示に首を傾げつつ、4人が昨日のベアドよろしく、テーブルの下をのぞき込む。
俺はスカートとペティコートを少しだけめくり、むき出しの足首を一瞬だけチラリと見せた。
「!?」
少女達の衝撃が伝わってくる。
「え?・・・え?・・・ルジンカさん・・・・?」
見たことのない生き物を見るような目で、アーニャちゃんが俺を見る。
「ク・・・クツシタは・・・・・?」
大乳ちゃんの問いは、声がかすれ、ほとんど聞き取れない。
「履いてませんの」
「!!!!!!」
俺の言葉に、再び衝撃を受けている。
実は今、生足なんだ。
今日はあんまり蒸し暑かったからな。
昼の前にトイレで脱いじゃったんだよ。
どうせ、午後は女子しかいないし、最後の1時間は一応男子もいるが、その後は馬車で帰るだけだしな。
涼しくて快適だ。
「ど、どうして!?あ・・・まさか、お茶会でロイル様に!?」
アーニャちゃんが青ざめる。
どんな茶会だよ。
「違います。さっき自分で脱ぎましたの。新しい自分になる決意表明です」
急いで適当な理由をでっちあげる。
表情を失った少女達が、呆然と俺を見た。
「昨日、今日と感じたんですけど、ロイル様は私の記憶喪失のこと、ちっとも悲しんでいないみたいですの。それに、私よりリコピナを気に入られているのもわかりました。このままじゃ選ばれるのは、きっとリコピナですわ」
「そんな・・・!」
アーニャちゃんが言葉を挟もうとするのを、俺は首を振って止める。
「そうなる前に、やれることは全部やっておきたいんです。リコピナと仲良くなれば、ロイル様によい印象を持っていただけるし、好いていただける秘訣もわかるかもしれません。私、ロイル様に振り向いていただくためなら、なんでもやります。こんな靴下脱ぐくらい、少しも恥ずかしくありませんわ」
だから、おっぱいマッサージに行ってきまーす!
そう言おうとしたんだが、思わず口をつぐんだ。
アーニャちゃんの瞳から、大粒の涙が溢れていた。
その粒を指で払いながら、必死に俺を見る。
「ルジンカさん。人の心の内側は簡単にはわかりませんわ。ロイル様が悲しんでいないなんて決めつけてはいけませんわ・・・」
「は、はい・・!」
予想外にドラマティックな反応に、ビビる俺。
アーニャちゃんはかまわず続ける。
「ベアド様から、ルジンカさんが私を覚えていないと聞いた時、本当はとても悲しかったですわ!私も予知の人間ですから、記憶の難しさは他の方より心得ています。ずっとずっと一番のお友達でしたのに・・・悲しくて、そんな目にあったルジンカさんがお可哀想で・・・」
手で顔を覆い、泣きだしてしまった。
予知による記憶障害は治らない。
少女達の中で、アーニャちゃんだけは完治の見込が無いことをわかっていたわけだ。
階段から落ちたと信じてる奴なんていないしな。
「私達だって同じですわ!幼い頃からずっと一緒でしたのよ?」
ハンカチを目にあてながら、もらい泣きする大乳ちゃんの言葉に、目を真っ赤にした2人も大きく頷く。
4人はベアド目的でルジンカと仲良くしているんだろう、という俺の考えは外れていたらしい。
ちゃんといいお友達がいたんだな。
俺はひたすらオタオタする。
セクハラ以外じゃこの口は上手く動かないからな。
気の利いた言葉1つ言えないまま、ただ泣き続ける少女達を見守る。
さっきまであんなにキャーキャーはしゃいでたのにな。
女子って未知だ。
長い沈黙の後、ハンカチで顔を拭ったアーニャちゃんが、ようやく口を開いた。
「ルジンカさんの決意はよくわかりましたわ。もう、反対いたしませんわ。仲良くいたしましょう。リコピナさんと」
目も鼻の頭も真っ赤だ。
「あ、ありがとうアーニャさん」
さすがに罪悪感を感じながら、礼を言う。
俺のエロ欲を満たすために、無駄にめっちゃ泣かせちゃったからな。
「それと、リコピナさんのお胸は私が揉みます」
俺の目を見ながら、きっぱりと言った。
「ど、どうして?」
それじゃ意味がない。
俺が揉まないと!
「ルジンカさんは無防備すぎますわ。ロイル様のご命令でリコピナさんと胸を揉み合うなら、すでに子作りの一部ですわ。ロイル様が3人でと仰ったとき、お断りすることができまして?」
勘違いは根深いな。
「アーニャさんの勘違いです。マッサージは私が言い出したことなんです」
「いいえ。ルジンカさんがそんな破廉恥な提案されるわけがありませんわ。かばっていらっしゃるんでしょ?ロイル様を。靴下のことだって・・・」
顔をしかめたアーニャちゃんの頭の中には、既に壮大なストーリーが出来上がってるんだろう。
裸足を見せたのは完全に失敗だったな。
でも、リコピナのおっぱいは俺の獲物だ!!
「いいえ!本当に!違うんです!私が揉みたいんです。アーニャさん!」
「ダメです。だから、ルジンカさんは、私にマッサージを教えて下さいな」
っ!?
マジか!?
リコピナが魚料理なら、アーニャちゃんは肉料理。
メインディッシュだよ。
自ら皿の上に横たわってくれるというのか。
本当に?
信じられん!
最高だ!
最高だ!!
何度も言うが最高だ!!!
さっきまで感じていた胸の罪悪感がいっきに消えた。
巨乳をつかむ自分のイメージがひたすら頭をグルグル回り、コルセットに締め付けられた胸がドキドキ高鳴る。
いいのか?
一番最初に触るおっぱいが、こんなにボリューミーで。
贅沢すぎる!
もう、それ以下のおっぱいじゃ満足できなくなっちゃたりしてな?
興奮でのぼせ上がりそうになっていると、小~大乳ちゃん達が口を開いた。
「私達もお手伝いいたしますわ」
「ルジンカさんの恋のためですもの」
「リコピナさんと仲良くいたしましょ」
心強い言葉をかけてくれる。
「お友達ですものね」
アーニャちゃんが微笑んだ。
ありがとう!
ありがとう!
ごめんな、君達のこと覚えてなくて。
あと、いい加減、小~大乳達の名前も覚えよう。
素直にそう思った。




