イチの目的
こうして俺は戦国史運営の会社に赴く。
都心から少し離れた距離に住む俺の家からは一時間程の距離の所だった。
田舎住みだから訪問は難しい、等の理由も考えたが話し合えるうちが最善と考えたのだ。
海外法人の日本支社だからだろうか?
いたってどこにでもありそうなビルのワンフロアであった。
受付もいないようなのでインターホンを押す。
ピッ
「こんにちわ。ムカキンと申します。○時にお約束の件で伺いましたがご担当者様はいらっしゃいますでしょうか?」
謎『お待ちしておりました。どうぞ中へおすすみ頂き、中でお待ち下さい』
(聞き覚えのあるような、、)
入室し、しばらく経つと担当がやって、、きた??
『お久しぶりです。ムカキンさん』
「!! イチさん?!?!」
なにがなんだかわからないがそこにいるのはイチだった。
『驚かれたと思います。想定より時間かかりましたが、、順を追って説明しますね。それからこれからの事を話し合いできたらと思います。』
「はい、、この度色々と申し訳ありませんでした。宜しくお願い致します。」
(もうなにがなんなのか、、)
『ははっ♪ムーサン、緊張しちゃって~
ここからは普通にいきましょう★』
「はぁ。わかりました」
『ムーサン大丈夫だって★逮捕とかないから!普段通りに戻って大丈夫だよ』
「わかりま、、わかった。」
『まずはどこから話そうかな。なんでここにいるのかが疑問でしょ?』
「。。。全部だよ。」
『怒んないで聞いてよ★まずは戦国史、このゲームは僕が作ったものなんだよ。だからここにいるの。』
真相はこうだ。
イチは戦国史の開発者であり、この運営のCEOだった。
俺がこのゲームをインストールしたのが始まりで、この計画が発動したのだった。
インストール時点でGPSがONになっているとバックプログラムで情報が送られており、インストール時点で俺がイチの近所であることがわかっていたそうだ。
ギルド加入条件を満たしてすぐに誘われたのもその為だった。
ギルド加入により、接触の機会をイチは探っていた。
接触の目的は課金させてアカウントを紐付けるのが狙いだった。
そして意図的にサーバーエラーを起こして紐付けさせたアカウントのウォレットへと徐々に金銭を送りつける。
そこから現金化へのステップを辿らせることであった。(ここが想定より時間かかったそうで、他の候補者を探すか悩んだらしい)
この戦国史、新規サーバー開放されなかったのもその為であった。
ゲームの売上は度外視だからだ。
そして戦国史の実質のプレーヤーはほぼBOTであり、雇われたプレーヤーが少数活動していただけとのこと。
あくまで俺に現金化させる為の箱にすぎないとことだ。
(現金化させる目的、なんのために)
イチの正体が語られる。
『ムーサン。仮装通貨盗難事件って知ってる?』
「あぁ。数百億盗まれたとかニュースで見たよ」
『全て含めると1000億以上なんだよ。全て僕なんだ。』




