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八話 魔法とはなんぞや?

 謎空間から出た瞬間に、チーンと音が室内に響く。コレだけでカード作成機を作ったのが誰か判る。電子レンジの音だもの。


「コレで登録が完了いたしました。カードの内容確認は他の人に見られないようにしてご確認ください」


 受付リーダーのサリアから説明を受ける。どうやらカードの持ち主が有る部分を強く押すと色々情報がでてくる、本人の情報が色々と見れる。ただサブカル的なステータスカードミタイな物ではない様で、レベルやらステータスやらスキルやらは記載されてない。そもそもこの世界にはレベルの概念は無い様だ?


「説明や登録は終了いたしましたが、ご質問等はございますか?」


「いえ、今の所は無いですね」


 二~三言会話をしてからギルドを出る。さぁ問題の魔法のお時間だ。




「という事で、無事? 両ギルドに登録出来たので、軽く食べ物を食べながら魔法チェックだ」


「たしか、魔力を言葉に乗せて契約した神様に対してキーワードを紡ぐだっけ?」


「そうそう、契約した神にお前を殺す為にお前の力を貸せって言うんだよ」


 割と古いネタを持ち出す空。何故知っているのか疑問だ、その証拠に頭の上で?を出している咲である。


「うん、まぁ滑ったみたいだけどいいか。とりあえずとっても恥ずかしい詠唱をするんだよね……タシカ簡単なのでも〝魔力を元に今こそ契約の履行を、魔力を火に火を(ギョク)に、法と為りし力を彼の敵に、ファイアボール!!〟だったっけ、うんすっごく恥ずかしいねコレ」


「クラスメイトの誰かが羞恥心も無く高らかに叫んでる気がするんだよ」


「まぁ数人ヤリカネナイやつらがいるよなぁ……」


 中ニ患者はどうやら居るようだ。お薬は出ません不治の病ですから。黒歴史を積み上げて欲しいものです。とは言え、魔法は武器になる。ならば練習するしかないだろうと二人は練習するようだが……咲が小声でボソボソと練習してる横で、うんうんと悩む空。


「ねぇ、練習してない様だけど? もしかして恥ずかしいから前衛は俺に任せろ! って事? ソレで魔法は私にやらせて、恥ずかしい詠唱をにやにや聞く気だね!」


「いやいや、ちょっと気になってる事があってね。図書館に行って調べ者してた時なんだけど、魔法について詠唱に関しては沢山あったのに、魔法陣については一切無かったんだ。でも僕等がこの世界に来た時に、教室に現れたのは明らかに魔法陣と言えるモノだった」


「ん? 不思議だね。魔法って神様の加護を元に詠唱して顕現させるんでしょ」


「そう、一定の法則を基にしてる。そして〝ぬしさん〟は〝詠唱は口頭契約〟だと言った。そうであるなら、契約書があっても可笑しくない話じゃないか? だと言うのに、一切の記述が無い」


「契約書って……あっ! 魔法陣の事!」


「魔法陣を契約書と考えれば、詠唱無しの魔法が実現できるはず! ただその情報が一切無いんだよね。一切考えられてないか、秘匿されているのかどっちだろうね」


「うーん、でも魔法陣をどうやって作るの? 某漫画みたいに杖で地面にくるくる描くのなんて、戦闘中には無理じゃない?」


「色々方法はあると思うよ?魔道書(グリモワール)や符術と言った形なら幾らでも使い道はあるんじゃないかな? 他にもあると思うけどね」


「なるほど! 魔道書(グリモワール)を開いて金色でビリビリしてる龍や、一億もする破魔的なお札をべしっと当てたりとかするんだね」


 何故知っている。それらの作品も割りと古いぞ。そんな疑問を空は華麗にスルーしつつ話を進める。


「まぁそんな感じ? ただ法則が判らない。教室に浮んだ魔法陣も確りと覚えてる訳じゃないからね。要研究事項って所かな」


 契約書魔法的な物の研究を全力でやろうと思っている空。本気で詠唱は恥ずかしい様だ。


「それに詠唱についても、別にあんな恥ずかしいワードじゃなくても良くない? 契約なんだから契約内容なんて普通色々と有るだろうし、表現の仕方も自由なはずだよ」


 ソレこそ、詐欺紛いな内容にしたり、契約内容に穴があったり、言葉一つでも色々と違う言語だったり、前後の文で内容が変わったりと契約内容は確り確認しましょう。


「まぁやる事はいっぱいだよ、という訳で桜井さんは詠唱がんばってね! こっちは色々と理論研究するから」


「まって、ソレって私に恥ずかしい思いを重ねろと? ソッチが完成したら必要ないよね!」


「いやいや、見ててたのs……げふんげふん、実際には完成しないかもしれない、完成させる心算でもね? ただ早急には片方が詠唱した魔法が使えるようには為っておいた方が良い。即戦力ってヤツだね」


「うー……なんか腑に落ちないけど……私に詠唱魔法が出来るようにって事だよね?」


「うん、出来るようになってくれれば現状の火力アップは間違いないからね」


「何か言いくるめられた気がするけど……わかったよ」


 詠唱の闇を悉く避けようとする空だが、脳内では図書館にて調べ上げた内容を元に、魔法陣や符の作成について猛スピードで思考している。多数の理論を組み上げてからトライアンドエラーは空の得意領域。ソレが出来なければゲーマーとして二流にも劣るだろう……感覚天才と言った理不尽を除けば。

 そんな感じで数日、魔法の練習と研究をしながら金策と言う名の魔石狩りに励む二人だった。











「もういやあああああああああああああ、詠唱ものすごく長いし恥ずかしいし噛んだら最初からで絶望しかないよおおおおおおお」


「桜井さん頑張ってね、にやにや」


「其処! にやにやって口で言わないで!」


 実に楽しそうな二人……空であった。

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