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三話 移動しながら話をしましょう

今回は会話多目になっております。

 空の衝撃的な問いに心にダメージを受けつつも、そういえば彼はクラスで余り周囲と係わって無かったなぁと思い出す咲。

 今更ではあるが簡単な自己紹介をし、人里をさがしつつも簡単な話をしていく。


「しかし僕等の境遇は思った以上にマシな方かな」


「マシって……岩本君がどんな想像したか分からないけど、何処に何かあるかわからない場所に飛ばされてるんだよ? 良いとはいえないと思うんだけど?」


「幾つか想定できるパターン上げると、あの教室に現れた魔法陣っぽい何かを前提に考えるなら僕等は召喚されたのが前提として、まず最悪なのだとゲームや漫画とかによくある魔王の所に飛ばされるって事かな。コレだと間違いなく有無も言えず奴隷や駒にされるだろうね」


「うわぁ、ソレは嫌だなぁって此処にいない人たちの事考えたら早くなんとかしないと!」


「まぁ待て落ち着け、最悪なパターンだから他にも幾つか上げるけど、コレは王宮や神殿と言った所に召喚される可能性。この状態だと大きく分けて二種類でマシな方だと魔王とか魔物とかに国が襲われて助けて下さいって状態」


「良くある転移勇者物語みたいなものだね、でもマシってどういうこと? ソレなら問題ないんじゃないの?」


「よく考えてみて? 僕みたいな祖父が狩猟を経験しててソレを見た事がある人どれだけいる? それ以前に僕等は教育でどんな生き物の命も重く置くように学んでる、常に命が失われる状態を見たりするような環境にない。そんな僕等に命の奪い合いをしろと、ヘタしたら意思ある存在を殺せと言われるわけだ」


「それは……言われると確かにそうだね、漫画とかだと簡単に行動してるけど実際にその立ち居地に置かれたらと思うと」


「怖いよね、しかも問答無用で召喚されてどういう風になるか分からない常態での〝お願い〟だからね、言い方悪いけど拉致しておいて自分達だと、お尻拭けないから呼んだんだ君たちなら出来るでしょ? さぁ戻りたかったら拭いてって言ってきてるんだよ」


「その例えだと、実にアレだけど……私なら拭きたくないかなぁ、って……マシな方でソレだとそうじゃない方は嫌な予感しかしないかな」


「悪い方はアレかな魔王の話と近いかも、ただ建前とか宗教とかが係わるから裏でコソコソ遣る分、時間的猶予とかが有る可能性が救いだろうね。まぁ魔王がいるからーとかじゃなく他国との戦争で勝つためのキーにとかってのも有るだろうから良くは無いね」


 なんとも不安を煽る会話をする空、咲はそんな話を聞いたからか友達の安否が気になって仕方なくなるのだが、空はそんな心情を察しつつも知らんと言わんばかりに話を続ける。


「そんな訳だから予想できる内容からしたら今の状況はマシって話、まぁ他の人達も僕達みたいな状況かもしれないし先ずは人里を探さないとね」


「そうなんだろうけど、助けに行けるなら行きたいよ」


「桜井さんが行くのは自由だけど僕はついて行かないよ? 行くにしても色々と準備しないと」


 今直ぐにでも探したい咲に対して、ある意味当たり前の事を告げる。

 何をするにしても先ずは情報収集が大切であり、無策で飛び込めば良くて自分たちも同じ扱いを受けるだろう、悪ければ闇から闇へとなるだろう。

 そういった状況に成るかもしれない事を告げる空に、心では納得できない咲だが安全に行動するのが大切なのは理解できている。


「僕としては探すにしても優先順位は別のものが上、皆の情報を収集しつつ帰還方法や安全地帯を見つけるべきだろうね、一番最良なのは合流と共にすぐ日本へ帰れる事かな、下手に手間取れば全員が帰還できない状態になりかねない、自由に動けるこの状態は本当に救いだろうね」


「うーん……確実に行こうとしたらソレしかないのかなぁ、でもそうしてる間にも犠牲がでるかもしれないよ?」


「ソレばっかりは僕等は祈るしかないだろうね、皆の運と実力の向上と判断力を」


 助けたくても会えなければどうしようもない、会った所で策が無ければさらに悪い状況になりかねない、そういった状況であれば今やる事は限られてくるもので判断を間違えずに行動する大切さを再確認しあう二人。


「今は僕等にできる事をやって行こう、先ずは何が何でも人里を探す事そして其処で情報、主に歴史や技術や国際状況をっと……あれって行商人かな?」


「なんだか色んな荷物を運んでる商隊みたいなのが休憩してるね」


 今後の行動を話しつつ移動する二人だが此処に来てやっと人が居るであろうものを見つける、要約色々と状況がすすみそうである。


「とりあえず言葉が通じるかも分からないし相手も本当に商人かも判らないから、先ずは僕だけで接触するよ、桜井さんは少し隠れててもらっていいかな?」


「私も行きたいけど女だしね、行き成り盗賊でしたとかだったらアウトだし隠れて戦闘が起きてもいいように備えておくよ」


「ソレでお願い、背中はまかせたよ?」


 先ほどは色々言いつつも、なんだかんだで咲に優しい空である、コレがツンデレだろうか? 男のソレは美味しくないのだけれど。

 まともに話が出来ればいいなと思いつつ今後のために商隊ぽいソレに近づいていく、売れるものは其れなりに持っているので此処で物品を揃えられたら上出来だろう、休憩している商隊の人に意を決して声をかける。


「申し訳ないが、色々と話はできるだろうか?」

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