八十三話
お待たせしました!
今回は少し短めです
屋敷の中に入り、事前に用意していた服に着替える。戦闘服で護衛等出来ないからだ。着替え終わるとある部屋に通されそこにゴトフリードとルドガーの二者が待っていた。
「待っていたぞ早速今日から動いてもらう。モリタカ君の服装は……少し変わっているがまぁ大丈夫だろう。しかしソフィア君の服装は一体……?」
現在の守孝は黒色のスーツに白いワイシャツ、赤いネクタイと黒い革靴……ごく一般的な俗に言うサラリーマンの様な服装をしていた。武装はM19とカラテルナイフをスーツ内に上手く隠している。
チラッとこの世界に来たときに見たスーツ一式を着るとは思わなかった。しかもそこらの洋服屋で売ってるような安物ではなく完璧に採寸されているオーダーメイドな代物だ……正直下半身の特定部位まで綺麗に採寸されているのは色々と悪寒がしたが。
で、インは何時も通りのメイド服を着ていた。これも普通の使用人の格好ではあるので特に問題は無い。それで問題のあるソフィアなのだが……
「うぅ……」
彼女は赤面し体を隠そうと身をよじり、可愛らしくスカートがフワリと舞う。その格好と言うのがフリフリである……フリフリである!
色は青色のジャンパースカートであるがフリルやレースをふんだんに使用し可愛らしいリボンをいくつも着けている。まぁロリータファッションと言えば分かりやすいだろうか。首元には赤色のチョーカーが鈍く輝いている。
ソフィアの服装は三日でマルクスが用意してくれた。
「可愛らしいと思いますよソフィアちゃん」
フィーネは目を輝かせながら彼女の頭を撫でる。彼女意外とそう言うのが好きなのかも知れない。
「……黒……いや紫でもうちょっとスカートを短くすれば……!」
いやどちらかと言うと人形遊びに近いなこれは。
「……オホンッえーとですね俺とインは問題なく護衛を遂行できるのですが、ソフィアですとそれが難しい事があると思うのです」
その問いにゴトフリードは頷く。
「確かに獣人と言う種族では恐らく……いや確実に他の貴族の者達の前では表に出すことすらできんだろう……成る程そう言うことか」
彼等の意図に気付き彼はまじまじとソフィアを見る。この世界は過去、我々が他人種を蔑視し差別を他種族にしている。
だから彼等のやり方はある種、守孝……いや人類種の悪癖を利用した。
「この国では獣人をど……使役するのが、よくある事ですからね。それで今回彼女はフィーネ様若しくはルドガー様の愛玩用……まぁペット役として一番近くで護衛をしてもらうつもりです」
言うならばペット同伴と言う体ならばある程度のお目こぼしもあるだろうと言うことだ。無論無造作に考えついた事ではない。
「た、確かに……貴族や富豪の一部ではそういった事は良くあることですが……」
チラリとルドガーはソフィアと守孝を見る。その行いは報告を受けた言動などからかけ離れていた。
「ええこれが一番効率が良い……あぁ勿論ソフィアも了承しています」
彼女はうんと頷く。この男、主義主張を他人に押し付ける事はしない。しかし仕事に関しては、それで上手く行くのなら容赦はしなかった。
「……それでは私のお話と家事手伝いとして雇った事にしましょう。ギルド職員なら獣人の使用人を持っていてもおかしくないですから」
「それではそう言う事にしましょう」
それではとゴトフリードは立ち上がると全員も共に立ち上がる。
「今日から早速仕事に取りかかってもらう。今日は手慣らしに丁度よい友好貴族と会う予定があるしっかりと頼むぞ」
どうでしたか?面白かったなら幸いです




