表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/117

五十話

すいません今回は少し短めです。



 狩猟区"ローシェン渓流"。ここはサンマリマ王国、王都ミッシエから馬車で五日ほどの所にある狩猟区である。渓流と記されている通りこの狩猟区は山から涌き出る豊富な水が特徴で、渓流と山、それと麓を流れる川との接合域迄が狩猟区となっている。


 この狩猟区には中型の草食モンスターが多く生息している。どんなのだと言えば日本の山岳地帯に住むカモシカの様な生物だと思ってくれれば良いと思う。名前はカプリニーコス。因みに日本のカモシカは鹿の仲間ではなく牛の仲間だそうだ。


 中型の草食モンスターが集まると言うことは肉食モンスターも集まってくると言うのは必然であると言える。その中の一種類が"灰染熊"ホーリビリッスなのだ。


 そして余談なのだが、渓流が流れ込む川は王都近くを通り王都民の飲料水は洗濯水等に活用されている。つまりは"ローシェン渓流"は王都の人々が生きる為の生活用水の水源地の一つなのである。







 守孝とインは狩猟区"ローシェン渓流"に昼前に辿り着いた。本来なら昼過ぎに着くはずなのだが、彼女が日が昇ると共に出発したいと言われ、早いことに越したことはないと彼も同意したからだ。


 早速彼等は監視小屋に赴き狩猟区への入区手続きを済ませる。


 その時監視小屋のギルド職員は依頼書に記載されている日時が昨日だったのを不審に思った。依頼書に王都発行と書かれているが、此処に来るには王都から五日は掛かるからだ。


 すわ不正かとギルド職員は小屋にある通信用の魔道具で王都のギルドに連絡してみると、その書類は本物だと言われ、彼は何故こんなに速くついたのだろうか?首を傾げながらも守孝とインに依頼書を返した。


 彼等は監視小屋のギルド職員から指定されたベースに荷物を下ろすと自分達の装備を整え始めた。


 守孝が今回取り出したのはFN SCAR-Hであった。SCAR-Hとはベルギーの銃器メイカーであるFNハスタール社が開発したサルトライフルである。


 SCARの特徴の一つとして、高い汎用性が挙げられる。SCARには5.56x45mm弾と7.62x51mm弾を使用するモデルが存在するが、二つのSCARの相違点を少なくした上で共通性を持たせる事で維持コストを下げ、新しい口径の弾丸が開発されたとしても最小限の改良で対応できる。


 また、アッパーレシーバー上部とハンドガードにはピカティニー・レールが標準装備されており、各種アクセサリーの取り付けが可能なのだ。


 因みに5.56x45mm弾のモデルをSCAR-L、7.62x51mm弾モデルがSCAR-Hなっている。


今回CAR-Hにはフォアグリップ、四倍率のスコープが付けられている。


 サブアームであるハンドガンは前回も使用したM45A1 CQBPであった。今回の彼の構成は単発の威力を重視している様だ。


 服装はマルチカム米軍名称でOCPを着込み、FLCベストを装着した。これはウェビングテープによって様々な装備品を装着できる。防弾機能は無い。


 彼は右腹部分にハンドガン用のホルスターを着け、左に弾倉ポーチ、腰にや脇に小物用のポーチやグレネードポーチ、ダンプポーチを着けた。


 彼守孝が準備を済ませると同じくインも準備が終わったのか立ち上がった。手には前回彼が使用したMP7、そして背にはいやに大きい銃を背負っていた。


「イン……何でまたゲパード……しかもLynxかよ」


「ここだけは譲れません。ロマンですから……!」


 そう言って彼女は自慢げにMP7からLynxに持ち替え彼に見せた。


 彼女が今持ってる銃はハンガリーで開発されたゲパートシリーズ、その最新型であるGM6 Lynxである。口径は12.7x99mm弾。


 ゲパードシリーズは、最初のモデルであるM1がハンガリー軍研究所によって1987年に設計され、MOMウォーターメジャリング・テクニック社が製造している狙撃銃、それも俗に言うアンチマテリアルライフルだ。


 GM6 Lynxはブルパップ方式を採用しており、作動はロングリコイル方式のセミオートマチック。銃身を後退させ全長を短くした状態で携行でき、携行性を高めている。連射速度は高く、2秒で6連射ができる。そして対物ライフルとしては小型軽量であり、立射姿勢で連射も可能なので、携行性と合わせると即応性は高い。


 もう、ここまでくると狙撃銃と言うよりも一人で持ち運べる重銃機関銃の様なものだ。


 因みにゲパートはハンガリー語で"チーター"と言う意味を持つ。Lynxは英語で"山猫"。


「単発火力を重視してますから良いじゃないですか。それに大物以外はコレを使いますし」


 そう言って彼女はスリングで首から吊らされたMP7を軽く叩いた。


「……まあ良いか。前のアレ(M134)よりはマシだしな」


 思い出したのは掃射(弾丸の嵐)を受けてグチャグチャになって識別不能になった哀れな兎の姿だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ