オマケと言う名の閑話
今回はオマケです。話は短いです、本筋の話とは関係ない……かな?
ほんの少し時は飛び、その日の就寝前。
「そうえば、マスター忘れる所でしたよ」
「どうしたイン。何かあったか?」
「竜を討伐した時に約束した、マスターからのご褒美を貰ってません!」
……あ、すっかり忘れてた。
「……何が良い」
「じゃあマスターと一緒のベットで寝たいです。勿論ギューッて、してくれれますよね!……まさかマスター程の男の方が嘘を言う訳が無いですよねぇ?」
こ、コイツ……俺を煽ってやがる。良いだろうそっちがその気なら此方にも考えがある。
「……別に良いぞ。ほら来い」
「……はぇ?……わ、わあいっ!ありがとうございますマスター!」
正か俺が了承するとは思って無かった様で、赤面しながら俺の方に背を向けベットに横たわる。
「おい、イン。なに後ろを向いてんだ、こっちを向けよ」
「え!?……きゃあっ!?」
後ろを向いていたインを此方に向け、インを俺の胸辺りに来るように抱き締める。
「ま、ま、ま、 マスター!?な、なに、何を!?」
「お前が抱き締めてくれって言ったんだろ。今日は大人しく俺の抱き枕になっとけ」
更に強めに抱き締める。するとインは諦めたか、それともこの状況を楽しもうとしたのか、インは自ら顔を俺の体を寄せた。
そんなこんなで就寝し、ウトウトと半分夢の世界に浸かっていると、インが話しかけてきたので目が覚める。何だと思いインを見ると、トロンとした目で此方を見ていた。舌足らずに呼び掛けるイン。現実と夢の狭間にいて、現実と夢とが混同している様だった。
「ねぇ、ますたぁ」
「……どうした?」
「ますたぁ。私はますたぁの事が大好きです。まだ会って1週間程しか経ってませんが、私は貴方の事が大好きなんです。ますたぁはどうですか?」
「俺か……まあ、嫌いじゃないよ」
濁した答えを言うとインは少し拗ねたように言う。
「もぉ~ますたぁ~YesかNoのどちらかでお願いしますぅ」
「……はあ、YesだよYes。嫌いな相手を抱き締める訳が無いだろ」
その言葉にインは満面の笑みを浮かべ俺の首筋にキスをした。
「ますたぁ。ありがとう……ございます。私は……ます……たぁと…………離れ離れ……なっても…………必ずお側に……駆けつけ……ます……から…………ね……」
その言葉を最後に、静かに寝息をたてて寝てしまった。
「ったくコイツは……おやすみ、イン」
インの頭を一撫でし俺も眠りに就く、ほんのりと残るインの唇の感触と香り、睡眠は何時もよりとても良かったと付け加えておく。




