表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Guns Smoke Raven [傭兵は異世界でも武器をとるようです]  作者: 神無月 郁
第二部 第一章 傭兵と勇者として招ばれた少年
116/117

10回目 悩み

お待たせしました!



夜、ソフィアは昼間にスラウが話したことを守孝に話した。


「そうか……いや尚更帰してやらんとな」


彼はその一言だけだった。冷めているというわけではない自分が他人の気持ちなど考えずに行動し、あまつさえその行いは彼女のためだと本当に思っていた事に己の事ながら呆れていた。


今回はやろうとしていた事とスラウの目的が合致していたから良いもののもし違っていたら己のひとりよがりに彼女を巻き込んでいた。ひとりよがりの善意などただの迷惑でしかない。


“その人の事を思っての事なんだ”などという言い訳は“神のための行いだ”という言い訳をのたまう十字教徒達となんら変わらんのだ。


「俺はこんなにも独善的だったか……?」


いやそんな事はないと首を振る。少なくともまだ元の世界にいた時はこんなではなかったと確信して言える。傭兵時代は確かに仲間からはお人好しって言われてたていたが、それでもこんな暴走気味なことはなかった。そう考えるとやはり此方の世界に来てからなのだろう。


「そうなると原因はこれか……」


ゴトリッとM19コンバットマグナムをホルスターごとテーブルに置きその上に彼が“神”から与えられた銃火器か

車両まで出現させる能力“ピースメイカー”を使うための携帯端末を置く。


「力に酔うとはまさにこの事だな」


銃というのは武器としては最高峰と言って過言ではない。ねらいを定め引き金を引くだけで敵は死ぬ。狙いを定めるスピードや照準精度は個人個人変わってくるが、引き金が引かれ弾丸が放たれたあとは誰しも結果は変わらない。当たるか当たらないかこのどちらかだ。


当たったら例えたった5.56mmの小さな弾丸であろうと用意に人体に深刻なダメージを与える。そしてそのスピードは音速を超えまず避けることはできない。


そんな兵器をこの世界で持つのは彼とその近くにいる二人だけ、自らを戒めていてもどこか天狗になっていたのではなかろうか。


「過ぎたるは及ばざるが如し……か」


そうは言うが俺はこの世界で何がしたいのだろうか。思えば自分の行動に明確な目的がなかった気がする。いつも何かに流されている。自分決めてたとしても、そこには何かしらの事情があってのことだ。王都に来たのもソフィアを助けたのも、辺境伯……当時は伯爵だったがあの時も、全て周りに事情の助けをしたのに過ぎない。


今回だってそうだ。スラウと言う吸血鬼の少女を助け、彼女を故郷に送り帰す。それは彼女のためではあるが彼自身の目的のためではない。


目的のない自由とは確かに素晴らしいものだが人には何かしらの目的、目標が必要だ。目標のない自由は、人には少し荷が重い。人は何かしらの明確な目的に縛られた方が人生を生きやすいのだと思う。


「異世界で何をするか……か」


俺自身がまだまだケツの青いガキだったら己の力を誇示するために人助けをしたり、女を囲ったりしてたかもしれないし、それこそ反則なまでの力を手に入れていたら国盗りをやってたかもしれない。


だが俺はは向こう見ずでいられたガキではない。苦く苦しい経験を経た大人だ立派とは自分では言えないが。


「まだ目的は見えず……とりあえずは彼女を送り届けてから探してみるか」


考えても仕方がない。この世界と自分は繋がっていないのだから。いわば浮いた存在だ、今は流れに身を任せ流れの中で自己を貫くしかない。いつかこの世界で命を賭けれる目的に出会うまで。





ふと思う、教皇国に勇者として召喚された少年。彼は自分と同じ異郷の者だ。彼はなんの目的で彼等と行動を共にしているのだろうか。恐らくまだ成人も迎えてない母親が恋しいお年頃の少年だ。何故手をかしているのだろう?



彼にはこの世界で命を賭けれる目的があるのだろうか……



どうでしたか?面白かったなら幸いです。

ブックマーク、感想お待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ