その作品、きっとエタりますよ
■はじめに
約8割。
これはゆで魂(以下、筆者)の考えている連載作品がエタる割合です。
つまり今日100作品の連載が始まったら、その内80作品くらいはエタります。
なんだか生存競争みたいな数字ですね。
作者様の汗と涙が詰まっている作品ちゃん、ほとんどゴールに辿り着けないのです。
裏付けというほどではないですが、下記のデータを筆者は拾っています。
【完結済連載小説】57,541作品 ・・・①
【すべての連載小説】243,061作品 ・・・②
皆様が本エッセイをご覧になっている頃にはもうちょっと増えているはずです。
ここで(①÷②)から完結済の作品の割合を求めると約23.7%となります。
裏を返すと残りの約76.3%の作品は未完です。
「ちょっと待てよ。いま現在連載しているのだから、もうちょっと完結する確率は大きいだろう」
そういう声が聴こえてきそうですが、筆者は下記のように反論します。
「筆を折った作者様がアカウントor作品を削除したケースもあるでしょう」
「元々完結していた小説を一気にアップした方も多いでしょう」
つまりエタる確率など知りようがないのです。
冒頭で約8割と宣言したのは、7割でもなければ、9割でもない程度に受け取ってください。
ここから疑問の提起なのですが、なぜエタるのか不思議になりませんか?
エタらせる前提で連載する人なんて普通は存在しませんよね。
(もし名乗り出る方がいましたらゴメンナサイ)
そうなのです。皆様は好きで執筆しているのに、大学受験のごとき狭き門なのですよ。
完結というゴールは。
気になる方は以降へお進みください。
<まとめ>
約8割の作品がエタる運命にある。
■完結するって凄い
そうなのです。
作品を完結まで持っていくのって、平凡なようでいて実は大変なことなのです。
執筆をしている方は賛同いただけるのではないでしょうか。
ざっと考えただけでもエタる理由はいくつも挙げられます。
・受験や部活で時間が取れない
・仕事が忙しすぎてエネルギーがない
・作品に自信が持てなくなった
・あれだけ好きだった執筆が……
・身近な人に不幸があった etc
まるで道中に出てくるお邪魔虫のように。
これらの要因が作者様から何かを奪っていきます。
それらの障害をすべて乗り越えた先にある完結というゴール。
苦しい面もあるからこそ、宝の山のように輝かしいのではないでしょうか。
完全に余談ですが、筆者はいろいろな作品を読みます。
なので毎日のように評価ボタンを押している時期もあります。
甘いんですよね、我ながら。(4を付けるのも心苦しかったり……)
1点でも多くほしい人もいるじゃないですか。
その気持ち、ものすごく理解できます。
<まとめ>
完結する=すごい事
■読者としてどうなんだ
唐突ですがトーンダウンさせてください。
特にメンタルが弱い方は心にフィルターを掛けておいてください。
ここに口汚い読み専門のユーザがいます。
「なんだよ、この作品。
せっかく毎日読んでやったのに、更新が止まりやがった。
ブックマークなんか外してやる」
「作者の都合でしばらく休載しますだと。
読者を舐めるな。1・1評価だ」
「完結保証じゃなかったのかよ!
嘘つき作者め、人類として最低だな」
「PCが壊れました?
はぁ、さっさと買えよ、馬鹿チン」
(なろうの作者って、エタる奴が多くて嫌になるわ~)
(これで書籍化狙っているとか、マジ義務教育からやり直せよ~)
ぶつぶつ。こうして彼(彼女)のフラストレーションは溜まっていくのであった。
※ ※
オーバーに書いたつもりですが、普通にありそうで怖いですね。
もしかしたら実際にあの手のメッセージを受け取った方がいるかもしれません。
毒者ってやつですか。
ですがね、こういうタイプと人と完全に縁を切るのは難しいのです。
感想欄をすべて閉じようが、外部の掲示板に晒される可能性はありますし。
ええと、正直にいうと皆様のすぐ側にいますよ。
画面をスクロールすると「ゆで魂」って文字がありますよね。
そいつ、毒者です。(最高のホラーだ)
さすがに感想欄へ暴言を書き込むことは無いですが、書きそうになったことはあります。
だって腹立つのですよね。作品がエタると。
怒る人の気持ちも分かるのですよ。単なる人間ですから。
だからといって、作者を責める権利があるかと問われれば「NO」といいます。
・作者は書きたいものを好きなだけ書く権利がある
・読者は読みたい作品を取捨選択する権利がある
こうして併記すると、作者は「エタらせる権利」を有しているのです。
読者にできるのは読むのを止めることです。この一文は書きたくないですが、ブックマークを外す権利と1・1評価を入れる権利も読者は有していますね。
<まとめ>
作品がエタると読者は腹が立つ。
それは紛れもない事実なんだ……。
■エタらないための処方箋
万能薬はないです。はい、ごめんなさい。
いやいや、さすがに冷たすぎる。
ちょっとしたヒントならば提供することができます。
中には、筆者が感想欄や活動報告に書き込んだものもあります。
(1)PV、ブックマーク、ポイントを気にしない
この作者様は気にしすぎじゃないか、と心配になることがあります。
おそらく毎日チェックして一喜一憂されているのでしょう。
はっきりと断言します。それは毒です。自傷行為です。
PVから得られる快楽って刹那的なのですよ。
アドレナリンと一緒です。次はもっと強い刺激がほしくなるのです。感覚の慣れですね。
するとどうなるか……。ポイントのために執筆するという心理状態になります。
これに苦しんだり筆を折った作者様を探すことは簡単です。
時間さえあればすぐ見つかりますから。
どうすればこの苦しみから逃れられるのか。
それは数字のチェックを避けることです。
気にしない努力です。
ほら、体重計に乗ると体重が気になるでしょう。
でも三か月くらい体重を計ってないと少しも気にならない。(あれ、違います?)
一週間とはいわず三日、その間だけでも数字を気にせず執筆すると楽になります。
気になる→チェックする→もっと気になる→もっとチェックする……。
はい、無限ループを断ち切りましょう。
恋人からのメールではないのです。無視しても怒られません。
(2)他人様からの感想を気にしすぎない
若い10代の方に多いかもしれません。
アドバイスとかもらうと嬉しいじゃないですか。
すぐに反映させたくなるじゃないですか。
これは主観になるのですが、やめておいた方がいいですよ。
誤字だったりお作法(三点リーダ等)レベルだといいですが、それ以上はお勧めしません。
筆者がお勧めするのは「次回作から気をつける」というスタンスです。
正直、粗なんていくらでも発見できるのですよ。
いま手元に商業用の小説がありますが、いちゃもんなんて付けようと思えば付けられます。
(でも、面白いから粗があってもお金を出すんだよね)
そんなものです。
師の教えを聴きすぎる弟子は成長しません。
プロでさえ粗はあるのですから、いわんや素人をや。
(3)100%の力ではなく、80%くらいの力で執筆する
ここまでくると切り札です。
手抜きみたいで読者に失礼と思うかもしれませんが、世の中には80%が溢れています。
執筆ってマラソンに近い感覚ですよね。
毎日コツコツ、息長くやっていく。
短距離走みたいに突っ走ると、そりゃすぐにダウンしてしまいます。
新作を書き始めた瞬間っていうのは、モチベーションMAXな訳です。
まだ戦闘が始まったばかりなのに、主人公が覚醒しています。
でもでもでも、いざピンチになったらもう一人の自分的なのが出てくるはずなどなく。
お察しの通り、エタることになります。
下記のような発言を聴いたことってありませんか?
「本気で作った自信作より、息抜きで書いたもう一つの作品のほうが人気だし書いていて楽しい……」
これってどこの世界でも普通にあることだと思います。
<まとめ>
万能薬はない。ないが……。
■さいごに
「小説家になろう」というサイトにやってきて、大きな疑問を持ったことがあります。
「モチベーションが低下して更新できません。ごめんなさい」
「個人的なトラブルがあって今週はお休みします。ごめんなさい」
「致命的な矛盾があり、いったん作品を削除します。ごめんなさい」
この人たちは誰に対して謝っているのだろうか、という疑問です。
その後SNSのような性格があることに気づき、ある程度は納得しました。
(でもなあ、仕事じゃないんだから)
そのようなモヤモヤは筆者の胸の中でずっと存在していました。
このエッセイを書いたのだって、ごめんなさい発言に食傷気味だったからです。
※ ※
ここまで目を通して下さった方の中には、下記に該当する人がいるのではないでしょうか?
・いまの作品を続けるのが苦痛で苦痛で仕方ない
・筆を折るのは読者に申し訳ない気がする
もしかしたら崖っぷちに追い込まれたような気持ちになり、私生活に悪影響を及ぼしている方がいるかもしれません。
ええ、わかりますよ。筆が進まないのは苦しいですよね。
こんな作品を書いて何の意味があるんだって自問しますよね。
そんな方々にいいたいです。
いったんリセットすることを検討しませんか。
筆を折ることは謝罪するようなことじゃないです。
実のところ、このエッセイはエタる作品を減らすために書いたのではありません。
エタることに悩んでいる人を一人でも減らすために書きました。
あなたの手元に迷える子羊のような作品はございませんか。
削除しろとはいいません。
無理やり完結させろともいいません。
ですが、その存在がストレスや苦痛に感じるのでしたら。
野に放ってあげても良いのではないでしょうか。(悪びれずに堂々と!)
詭弁となりますが「エタる」という判断も一つの完結なのです。
そこに自責の念など持ち込まないでください。
どうか皆様によき作家ライフがあらんことを。
ここまで読んで下さった方々に感謝の気持ちを。
感想はご自由に書いていただいて大丈夫ですし、他者様に迷惑をかける書き込みでなければ削除はいたしません。
目は通しますが、返信はしない方針とさせてください。