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プロローグ2
少女が蹲って泣いている。
少年は泣いている少女を泣きそうな顔で見ていた。
「なんで?なんでーーといっしょにあそんじゃいけないの?」
少女が涙で濡れた顔を少年に向けた。
少年は少女に向けていた視線を地面に落とした。
「なんでーーはなにもいわないの?」
少女は縋るような声で少年に問いかける。
少年は何も言わない。
ただ肩を震わせて地面を見つめている。
「もう、いい。ーーなんてもうしらない!」
少女は何も言わない少年に腹を立てたのか、顔を真っ赤にして少年の目の前から走り去っていった。
少年は顔を上げて走り去る少女の背中を見つめていたが、また顔を地面に向けた。
「ぼくがブサイクだから」
少年は震える声でそう呟いた。
俺は知らない。
なぜ俺と同じ顔をしたやつが泣きそうな顔をしているのか。
そしてなぜあの『不細工』な少女が泣いていたのか。