1/17
プロローグ
綺麗な少女が蹲って泣いている。
僕はそれをただ見ていることしかできなかった。
「なんで?なんでーーといっしょにあそんじゃいけないの?」
綺麗な少女が僕を見上げる。
僕は目を逸らすことしかできなかった。
「なんでーーはなにもいわないの?」
綺麗な少女が赤くなった目で僕を見つめている。
僕は唇を噛んで無言を貫くことしかできなかった。
「もう、いい。ーーなんてもうしらない!」
綺麗な少女は顔を真っ赤にして僕の目の前から走り去った。
それでも僕は何もできなかった。
僕は知っている。
あの綺麗な少女が僕と遊んではいけない理由を。
「ぼくがブサイクだから」




