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7月×日
今月ももうすぐ終わり
近所の子供たちも終業式を終えて、はしゃぎながら家へ帰る姿を見た
もうすぐ大学も夏休みに入る
ハルと夏休みの計画を今年も立てて、ひと段落してた時…
1本の電話が鳴った
その相手は、滅多な事が無い限りかけてこない両親からだった
両親は海外で仕事してるから、重要なことがない限りかけて来ないんだけど
「…あぁ冬十か。元気してたか?」
自分の父親だって分かってても理解しがたい怖さがある
別に過去に確執があった訳でもないのに何故だか分からない
「冬十?あぁ…そういやアレだったな。春一に代わって貰えるか」
電話が繋がってから3分たって、やっと大事なことを思い出したらしい
傍にいて不思議そうに見てたハルに受話器を渡した
僕の嫌そうな顔でなんとなく察してくれたみたいで、受話器を嫌な顔をせず受け取ってくれた
後からハルに聞いたけど、今回の電話の内容は一言で言えば
「今度のお盆に1度帰るから、時間を空けておいてくれ」
その一言は普通の言葉に聞こえるかもしれない
それでも、それがどうしても僕には辛かった
昔の事を思い出すように
過去の日記を読み返すように
沢山の記憶の砂を漁って、大きな石になり変わった辛い記憶を掘り返すように
首を掻き毟るだけで済まないぐらいに
あの酷い1日を繰り返すように
ハルは平気そうな顔をするから、僕も平気な顔をした
『こんな思いをするぐらいなら、いっそ2人で世界から消してください』




