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7月○日
梅雨も明けた夜
ちょっと生暖かい風がベランダを抜けていく
その風に笹の葉が揺れて1枚落ちていく
「春一君。良かったら余った笹持って帰って!」
そんな軽いノリで冬兄ぃの先生に渡された
小児科主催で七夕飾りを作って余ったらしい
一緒にいた冬兄ぃの方は、ノリノリで七夕飾りの余りを袋いっぱいに貰ってて
満面の笑顔でこっちを見る冬兄ぃの期待を裏切る訳にもいかず
断りづらいせいもあって、まぁ仕方なく受け取って今に至る
はっきり言って、まぁまぁの大きさの笹を持ったまま電車に乗るのは辛かった…
そんなこと考えてる俺を軽く無視して飾り付けをする冬兄ぃの方を見た
異様なほどに特別な日に関して力を入れる冬兄ぃは、こういう事が大好きで
もの凄く楽しそうに黙々と作ってる
ちなみに俺が手伝わないのは不器用すぎて冬兄ぃに軽く睨まれるからであって
決して楽をしているわけではないでない事は、ここで説明したところで意味が無いことは分かってる
というか、2人だけで書いてるから冬兄ぃにも見られるけどまぁいいや
それよりも一大事なことが今起きている
冬兄ぃに渡された1枚の短冊とペン
言いたいことは分かってる、願い事を書けって話で
叶う訳がないのに神頼みみたいな事をするのは非現実的で
だったら、その願いのために努力を惜しまずに居るべきだと思う
でも冬兄ぃがションボリするのは心が痛むから
1つだけ天の神様に願い事をしてみる事にした
『神様。一生のお願いですから、冬兄ぃとずっと一緒にいさせてください』




