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6月×日
講義が終わってちょうど昼過ぎ程の時間
傍に座っていた同級生に声をかけられた
「春一。良かったら一緒に学食行かね?」
誘いとして普通の選択だし、時間的にも昼食の時間ではある
でも俺には破ることのできない約束があった
「あぁ悪いけど、俺これから用があるからまたな」
そう言って俺は講義室を後にした
大学を出るとニコニコ顔の冬兄ぃが校門近くの外壁にもたれて待っててくれてた
俺のことを見つけると手を取り歩き出す
行き先は冬兄ぃの通う病院だ
今日は月に1度のミニコンサートの日
最初は小児科に入院してる子達に楽しんでもらおうと病院側が冬兄ぃにお願いしてきたのが
今では一般病棟の人達にも好評らしく月1になったのが現状である
冬兄ぃが楽しそうだから俺は反対しなかったけど
実際のとこ大きな負担になってるのは間違いなかった
大学の授業や実習がある中で、それとは別に曲の練習をするはかなり大変らしく
この日の1週間前からは徹夜続きで練習したりもするから困る
その時の表情は真剣ながらも楽しそうだから
だから冬兄ぃを止めようなんて思わないことにしてる
『ピアノを弾きながら笑ってる冬兄ぃが一番愛しいことには変わらないから』




