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1月 日 /
ふと思い出した記憶の処理に何時間費やしたのだろう。
時計の針は淡々と回り続けていた。
意味が分からない。
理解が出来ない。
ただただ…動くこともできずに時間は過ぎた。
俺の姿をただただジッと見つめる冬十がまた口を開いた。
「ボクは…間違えた。ハル兄ぃを傷つけようなんてバカだよね。」
冬十の瞳からは雫が止めどなく溢れ出していた。
その雫を拭うこともしないで言葉を続けた。
「ハル兄ぃを恨めしいと思ってた。でも…嫌いになんてなれなくて。」
淡々と綴られる冬十の【心の声】
その言葉に俺は何も言えずに聞くことしかできない。
「いっそのことボクだけの人になればいいと思ってた。そうすれば…この気持ちが消えると思った。」
息絶え絶えで綴られていく言葉。
「だから、ハル兄ぃの【優しすぎる声】を奪いたかった。」
そっか…だからかぁ…なんて中途半端な納得をしてた。
大事のはずなのに、ちょっとしたイタズラに感じてる俺は人として最低だと思う。
でも、冬十の言葉が純粋に嬉しくて。
その感情を今言葉にして発したかったけど、俺には出来ることじゃなかった。
「でも…後悔した。ハル兄ぃの【声】がボクの中でどれだけ大きかったって、今知っちゃったから。」
その言葉と同時に落ちた雫。
…雫が床にたどり着く前に冬十は膝から崩れ落ちた。
そして俺はようやく自分のいた【場所】がどういうものか気づいた。
冬十は【誰も知らない秘密の場所】だと言っていた。
現状を言ったらそれは嘘だった。
『最初から【あの人】が描いたシナリオ通りに操られて他に過ぎなかった。』




