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21ページ目

1月10日/ アメのちクモリ

最初に思い出したことは【独占欲】

次に思い出したのは【罪悪感】

じゃあ…今ボクが今思い出したものはナニ?

そう自分に問いかけて、出てきた答えに驚愕した。

何者でもない【兄への恐怖】

それが、全ての答えだった。

もうすぐ上がるであろう雨に濡れながら家に急いだ。

ハル兄ぃが何故あの日の事を忘れたかのように振舞ったのか。

あの火事の後に運ばれた病院でボクは

「【僕】のせいで…【僕】のせいで…ごめんなさい」

その言葉の意味を理解せず、ただ驚いた表情でボクを抱きしめてくれた。

…本当は忘却も混乱も何も無くて、ましてや【春一】になりすましたのも理由があった。


【あの人】を刺した後にボクに突き立てたナイフは…

ボクの頬に傷を残してそのまま後ろの壁に刺さった。

「俺らはずっと一緒だよ。ずっとずっと…」

そう呟くハル兄ぃが恐ろしかった。

今までやってきた事。今やってしまった事。

全てが走馬灯のように駆け巡った。

「冬十!僕が…春一が全部やったことにする!」

酸素の減った空間で叫んだせいで息が途切れた。

そのまま気絶してしまった。

後に、消防隊員に救助されて病院へ搬送された。

目を覚ますとスーツ姿の男性達がボクを見つめていた。

「目を覚ましたばかりで申し訳ないが、我々は警察の者だ」

「僕がやりました」

ボクが発した自白に驚いた刑事の人達は詳しく話を聞いてきた。

あった事を全て話していく途中でおかしな事に気づいた。

【あの人】の話が出てこない。

それ以上にあの火事で死者は出ず、負傷者も重傷はボクら二人だけだと言った。

その話内容に内心驚愕していたが、無駄な事を話すのはハル兄ぃを危険にさらしかねないから

放火の事は反省してるという雰囲気のまま押し通した。

刑事の人達も殺人事件が起きていたなんて思ってもいないだろう。

「最後に聴いてもいいかい?」

一番偉いっぽい刑事が問いかけてきた。

「君は放火犯なのは分かった。その場に留まれば巻き込まれるのは分かっていたはず。」

不審がるように問いかけてきた。

「君は何故あそこにいたんだ?」

愚問だ。そう思いながら、微笑みを添えて言ってあげた。

「僕は、あの人を一人にしたくなかっただけです」

そういったボクを恐ろしいものを見るような目で見てきた。

それでやっと気づけた。

『ボクは…狂ってる。その狂気でハル兄ぃの心を殺してしまったんだ…。』

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