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10月×日
薄暗い部屋に1人、俺はいた。
この間【昔のこと】をちょっとだけ思い出した
あの日はなにかのお祝いで、冬兄ぃお手製のケーキがテーブルに並んでた
毎回記念日とかお祝いごととかに作ってくれるケーキ
昔から家事とかが上手で【親】の代わりをしてくれてた
俺の事を凄く大事にしてくれてて
自分の事を二の次にするような人だった
だからあの日も【あの人】が来た時
怪訝そうな顔をして
「さっさと帰ってくれよ。お前なんかに来て欲しくないんだよ!」
珍しく声を張り上げたから俺はびっくりして
冬兄ぃの服を引っ張った覚えがある
そう言われた【あの人】は仕方なさそうに帰っていって
でも、その日の夜中に家に来たんだ
「__くん。この間した約束覚えてるかな?」
いつもの優しい笑顔で玄関先に立ってた【あの人】はこの時だけ怖くて
「さぁ、約束通りに2人だけの世界に行こうか」
そう言われて…何処かで嗅いだ事のある嫌な臭いがして…
そこから全然思い出せない。
…今何処かで声がしたような気がする
【約束】。それを守れって。何処かで聞いたことのある声。
なんだっけ?【約束】って。大事な事を忘れている気がしてモヤモヤする
でもそれは絶対に思い出しちゃいけない気がして
よく分からない。自分が分からなくなって…。
『…僕は何も悪いことシテナイ。だから怒らないよね…オ兄チャン?』




