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9月×日
冬兄ぃが笑わなくなった
最近怖い顔ばかりして生活してる
俺としてはどうにかしたいとは思ってる
でも、原因が何なのかは分からない
今まで一緒に居た数年間で初めてのこと
冬兄ぃは根本的に【喋らない人】だから
話をするにしたって、向こうがダメならどうしようもない
今まで隠し事なんてしなかったのに
いや、今まで隠し通してきたのかもしれないけど
今の俺には、その隠し事が心を覆う茨みたいで苦しい
深くキツく絡む茨は俺の心を殺していく
そこから流れるエキタイが俺の体を満たしていく
ふと、昔のことを思い出した
「君は何故あそこにいたんだ?」
殺風景な部屋の中で、数人の大人に問いかけられた
何の話か思い出せなくて
でもはっきり俺は答えた
「僕は、あの人を一人にしたくなかっただけです」
笑った俺が何故【僕】とその時喋ったのか訳がわからなくなって
その記憶と一緒に赤い炎と燃える家がフラッシュバックした
あぁ…そっか…そうだった…
何でこんなにも大事なコト忘れてたんだろう
『来月に冬兄ぃの誕生日ダカラ、盛大にお祝いしなきゃね』




