剣を持たない最強の剣士
ある時ふらっとその男はこの町に立ち寄った場末の酒場だが、傭兵や冒険者を募集施設でもありこの場に・・・
ならず者や騎士崩れ、およそ普通の生活をおくっていないであろう彼らを軽く見ながら依頼書の貼ってある場所まで行くが・・・ため息ひとつで、酒場の一部になっていく・・・・・
マスターが、そんな彼に気がついて声をかける・・・・彼はエール(ビールみたいなの)を注文する
ジョッキを傾けながら~
『まともな仕事が減ってきたな?戦争でも近いのかい?』
「大国同士の戦争があるみたいで、そっちが儲け口にはなっているが・・・それ以外に、有名な剣を持たない剣士とやらが依頼を次々してるとかで・・・仕事がないのさ」
『独り占めするなって言っといてくれよ』
「そういえば?お前さんも武器を持ってないね?武器は、なんだい?それとも魔法かなにかかい?」
『まぁ、剣を少々』
「もってないのにかい?」
『そんなもんだよw』
ヤレヤレと肩をすくめたマスター
そこに新たな人影が・・・その男は白を基調にした服を着てオールバックの黒髪に狐のように釣り上がった目が特徴的な男・・・・
「あれが、噂の剣を持たない剣士だよ」
『へ~そうなんだ』
と言ってもそういうカテゴリーに、はいるのっていろいろいるんだよね
無手のつまり武闘家のようなもの
暗鬼武器使い
魔法剣で、常時展開しない
その辺に落ちてるものに気を通して武器にするタイプとかね
あいつはどのタイプなんだろう?
仕事のこなし具合からして、相当のてだれだよね~
などと思いながら・・・・エールを飲み干しおかわりをもらう
「そう言えばあんたのカッコも変だよな~差し出がましいが?暑くないのかい?」
『ん?そう?』
「黒皮の帯みたいなもので、ほぼ全身グルグル巻きで?」
『ファッションさ、似合うだろ』
ヤレヤレと、マスター・・・白のオールバックに呼ばれて、そちらに行くマスター・・・オールバックが親指でこっちに指差してガンつけまでしながらマスターにいろいろ訊ねているようだが・・・俺は、気にしない
この町に着いたのは、ついさっきだしね
仕事もないので、移動してある村にいる
いると言うか、行き倒れてるのを助けてもらっただけなんだけどね。
武士はくわねど・・・無理っす
というわけで、畑やらなにやら手伝いながら用心棒的な事をしてるわけで・・・・
大国の戦争も始まってるようで、あぶれ者もそちらに参加してるのか静かなものです。
遠い空を時々ドラゴンが叫びながらとんで行く意外は静かなものです・・・・・
と、平和な時間はそうも長く続かないようで・・・・
この付近が戦場になるようで、大国が睨みあってこの村を中心に左右に陣をはってたり・・・・・
やれやれ・・・・
やれやれ、両大国が遠くの方に陣を張って・・・・数的には左が5万、右が6万かな?
どうすればいいかなぁ~?村は守りたいけどね
と、思っていたら・・・
前の町で見た、白服のキツネ目が・・・むらの入り口に・・・何の用だろ?ここもうすぐ戦場だし用事があるとすれば・・・
彼にここが戦場になると危険を知らせに行った村人の男3人が・・・・
一瞬で全身を切り刻まれ、文字通り切り飛ばされた・・・・奴は何も言わずに次の獲物を探す目をしていた
やば!目が合っちまったよ・・・
『おい!どっかで会ったな?』
「はい、お会いしましたね」
殺気をみなぎらせて近付く奴に、切り飛ばされる俺・・・プライスレスw
や~、すごいは、あいつ・・・・全身から刃を突き出して円をかくように目の前の人間を攻撃する・・・出てくる刃の数が尋常じゃない・・・
まぁ、ここは負けたふりするのも一つの手かな・・・早めに治療すれば、切られた人も生きてるみたいだし・・・と思ったら体のいたるところから出した長い刃に一斉に左胸を刺された・・・
おいおい
ちっとやりすぎだろ?
どうせどっちかの軍に頼まれて、この開拓村をないことにしようとしてるってとこだろう・・・・
もちろん、俺の胸にも刃は刺さったんだけどね・・・・
村の女の子が、倒れてて心臓に剣が刺さってる俺のとこに来て・・・・
ちょっとまって、俺死んだフリ失敗?
「おじちゃん、父さんお敵をうって。お願い・・・」と、・・・・
ふぅ。
だよな・・・
俺この村の用心棒だし
「おにいさんだ」
よろよろ起きだした俺は、女の子にそう言うと・・・下がるように手で合図した
キツネ目は驚きもしなかったみたいだ・・・・
刺さったままの剣を、そのままに・・・起きた挙句無造作に引き抜いた俺に驚かないとはね~
キツネ目は円をかくように無数の剣で防御と攻撃を繰り返してきた・・・・
俺は、自分の剣を出す
青白く光る剣実体に乏しい剣だが・・・・受けるやつの剣が砕ける・・・・防御に剣を使うのをやめた奴は回避くわえる・・・・そして、俺の剣を避ける・・・が、・・・・・
俺は剣の密度を上げた、小さくなったその剣は光を強くした。
狙うは心臓回避はさせない、向こうの攻撃をこちらはよけない向こうの剣は刺さるが・・・俺には痛みがない止まらない俺の剣を、やつは刃を多重に重ねることで、止めようとする・・・・・が、無駄だ・・・・密度を上げられた剣は、その全てを砕き切り飛ばし・・・・やつの心臓に剣をつき込んだ・・・・
「お前のもんだ持っておけ・・・」
なんのことかわからない顔をしながら、剣が消えるのと同時に死んだようだ・・・・
「さて」
俺は村人にここに残るように言い逃げることはないと告げる
そして村を出た俺は・・・
右の軍隊に・・・・向かう
密集状態の軍を進めてきた奴らは・・・左の軍の前進に合わせての進軍なのだろう・・・まぁ、ちょうどいい
俺は、剣を抜く・・・昔、狂った魔道士に二つの剣を埋め込まれ自ら魔剣とされてしまった俺・・・俺自体は剣の鍔なんだ・・・だから、刺されても・・・・まぁ、そんなとこだ
全力でぬかれた俺の剣は、俺の頭上に現れる・・・・目の前の軍の人間の魂を吸って・・・・俺は全身を振るうような動きで目の前の軍を横殴りに破壊した・・・・、一瞬で半分の戦力を失った彼らの思考は停止してしまったようだ・・・・次の一撃で・・・残りを屠った・・・
剣を、軍のいたところに突き立てるようにして跳躍した俺は村を飛び越え・・・・高空から・・・落ちながら、左の軍を・・・・下にいた軍の連中はまだ、思考停止にはなってないようだった・・・だが・・・・逃げることを判断することができなかったようだ、下から弓を射かかてくるが・・・・巨大な暴力となった俺には聞かない打ち砕か等粉砕される矢・・・・それが自分たちの上に落ちてくるというのに・・・・
そして静寂が・・・・
あぁ~俺ってバケモンだから村には戻れないよね・・・・・
少女の顔が恐怖に変わってる
まぁ、仕方ない・・・・いつものことだ
俺の中にある二つの魔剣・・・・ソウルイータとソウルブレイカー・・・・・・人の姿をした人じゃない存在
俺の名前は・・・・ソウルブレイド