第七話 主人公要素満載
結構長めです
次話です
確かにそこには色がついているもやがしっかりと存在していた。だが、とてもじゃないが表現しにくい、中途半端な色だ。強いて言うなら青紫、と言ったところか。もしかして俺の魔力がなんか駄目だったのだろうか。
俺が悩んでいるとフィオが覗き込んできた。
「わあ、珍しいねえ」
「これ、何色なんだ?」
「それは複数色が混ざってる、混色だよ」
またなにか問題が起きたのかと心配そうに聞いた俺をよそに、フィオはこともなげにそう言った。
単色じゃないのはどうやら本当らしい。
「まるち…?」
「うん。得意な属性が一つじゃない時になるのさ。見たところ…紫と何かだね」
よく分からないがどうやらいいことらしい。フィオが注意深くもやを見ていたと思うと、玉をいじり始めた。すると驚くことにもやが二つに分離し始めた。すげー。
「うん、紫と青だねー。つまり超属性と水属性が得意みたいだよ」
どうやら俺の見たては間違っていなかったようだ。マルチか…へへ。
超属性はまだやったことないので分からないが、水属性は予想外だった。俺は雷魔法が好きだったんだが。水が突出してできるって気はしなかったんだよな、炎と相殺って感じで。
「うーん、水は僕にも予想外だよ。ソウの火と水はほとんど同じ威力だったからね。なんで水だけ出たのか…」
不思議そうにフィオがつぶやく。
ふむ。フィオに分からないんじゃ大概の人には分からないな。無論俺も例に漏れず、だ。
ともかく、それから水魔法の練習をメインにやっていった。そのかいあってか、最終的には氷魔法ができるようになった。ちなみにアカデリアの授業は休んでいた。帰った時ケンタがめんどくさそうだが。と、そこまで思った時ふと思い出した。
「あっ!」
「どうしたの?」
「アクセサリー…」
すっかり忘れていた。そういえばアカデリアで必要と言われていたアクセサリーを買うために街へ出てきていたのだ。そのままなし崩し的に特訓へ移行したために完全に頭から抜け落ちていた。
「アクセサリーがいるの?じゃああげるよー」
「うん…うん?」
ちょっと待て。
フィオはなんでもないことのように言っているが、最初に言ったようにアクセサリーはとても高価なものだ。もしかして効果の薄い余り物をくれると言っているのかもしれないと思ってついて行ってみると、
「この中から好きなの選んでいーよー」
うわお。そこにはいくつもアクセサリーがあった。それも全て高級品だ。俺なんかじゃ到底手の出せないレベルのものが無造作に置いてある。
「お前こんなにどうやって…?」
「えへへ、すごいでしょー?」
すごいけども。まあ言葉を濁したようだったし、話したくないならそこまで聞こうとは思わなかったので、それ以上詮索しないでおいた。性格的に“闇”ともつながってなさそうだしな。
「ふふ、ソウは優しいね」
「ん?なんか言ったか?」
「…なんでもないよ」
夢中でアクセサリー見入っていた俺はフィオの言葉が聞こえなかった。だが本当に貰ってもいいものか…
「ん…これ…なんか気になる…」
「!それは…」
フィオが驚いたように言う。なにかまずいものを選んでしまったのだろうか。
不安になった俺だが、俺が思っているのとは全く別のものだった。
「お目が高いね。それは『召喚石』だよー」
「!!!!そんなもんもらえるか!!」
『召喚石』。超上級魔術師しか手に入れられないというアクセサリーだ。名前だけは聞いたことあったが、見たのは初めてだ。任意の召喚獣もしくは精霊などを中に封印し、いつでも召喚できる代物だ。召喚石は強者の証でもあるのだ。
「選んだんでしょ、あげるよ」
「え、でも」
「これは師匠からの命令でーす」
「えー」
こうして俺は無事(?)アクセサリーを手に入れたのだった。
この召喚石が後に大きな役割を担うとも知らずに。