第十四話 忘れられ幼女
次話です
…うわあ。
やばいやばい。
みんな見てるよ。
どうしよう。
俺の目の前には今直径10メートルほどのクレーターが煙をあげている。
この惨状を作り出したのは他でもない、
俺だった。
遡ること10分前
「今日は三人一組でアクセサリーの使い方を実際に使いながら学んでいく」
ルナが言った通りに教師がそう言い、闘技場へ移動をはじめる。教室では危ないからな。
俺はドルーさんに貰った指輪を使うことにしていた。
闘技場へ到着すると、クラスメイト達が次々と3人組に分かれて行動を始めてゆく。負けじと俺たちも始めようとした…のだが。
「ソウのアクセサリーの効果は?」
「ああ、俺のは………」
「「…」」
「なあ、俺の指輪の効果ってなに?」
「知らないわよ…」
というわけで先生に聞きにいくことにした。そういえばドルーさんに効果を聞いてなかったな。
先生は割と簡単に答えてくれた。
「ああ、これは魔術を備蓄するアクセサリーだな。予備電源みたいなもんだ。…ん?もうなんか魔術が入ってるぞ?つかってみたらどうだ?」
なるほど、備えあれば憂いなしってか。
「備蓄するアクセサリーらしい。あ、もうなんか入ってるらしいから出すぞー」
どうやらドルーさんがあらかじめ何かいれておいてくれたらしい。さっすが優しい!
そう思いながら魔力の枷を外す。
その瞬間。
ドォォォォォォォォォォォォン!!!
「…へ?」
凄まじい大爆発が起こった。爆風がまきおこり、地面にクレーターができる。今の俺がやったのか?クラスメイトの視線がささる。こんなことになるとは…ドルーさん先言っといてよ…
褒めた直後にけなすとは、俺も大した変わり身である。
先生がすかさず近づいて来る。
「どうしたんだ?」
「いや、指輪にすごい魔術がこめられてまして」
「…何?このサイズの魔石にこんな巨大な魔術が!?これは相当な純度だぞ…」
先生が驚愕している。何やらすごいものらしい。あのお店には世話になりっぱなしだな。
褒めてけなして褒めて。ごめんなさい。
なんとかその場は収まり、引き続きアクセサリーの実習となった。
そして今日の実習で分かったのだが、このアクセサリーは割とすごい。割とというかめちゃくちゃすごい。超使える。
一時的に魔術を備蓄できるのだが、その容量が半端ない。そして驚くべきことに、自分の魔術だけでなく、他人の魔術を吸収して備蓄できる。とんだ代物を貰ってしまった。ちなみに売ると5000万アウドはくだらないらしい。(1アウド≒1円程だ)どれだけ遊んで暮らせるだろうか。いや、売らないけども。
しかし何か忘れている気がする。ロイとルナと別れてからも考えているが思い出せない。考えているうちに自室の前まできてしまった。なんだろうか。…よし、諦めよう。思い出せない。今日は指輪という思わぬ収穫に喜びながらまた明日考えーーー
あ。
思い出した。
てゆうか目の前にいた。自室の扉を開けるとそこには不機嫌そうな幼女、イサナ…いや、イサナ様がいた。




