第十三話 それでも俺はやってない
次話です
「…」
「…」
俺たちはしばらく無言で見つめあった。
ちなみに今の俺の状況を簡単に説明すると、まず忘れ物をしました。そして自室に戻ると見知らぬ幼女がいました。
…ねーよ。
状況が特殊すぎて対応が追いつかない。
これ確実にお縄だぜ…
まあとにかくここは年上の対応を…
「お主は誰じゃ!」
「こっちの台詞だッ!!」
…早速やっちまった…状況にペースを乱されている。冷静になろう。
「はあ…俺はこの部屋の住人でソウ・スメラギだ。お前は誰なんだ?」
「先に名乗ったのう!妾の勝ちじゃ」
「え!?そういう勝負だったのか!?」
アカン。
ノリがやべえ。
「じゃなくて…先に名乗るのは負けじゃなくて礼儀って言うんだ。お前名前は?」
「それにしてもお主変な名前じゃのう。スメラギと呼べばよいのか?」
「そんな変か?まあ普通にソウでいいよ」
「氏で呼ぶのが普通なのか…?まあよい。妾はイサナじゃ。イサナ様と呼ぶがよいぞ?」
「どういう…」
キーンコーン…
俺が質問をしかけたその時、授業の開始を告げる鐘がなりはじめた。
「やっべ…イサナ様、話は後だ!この部屋から出るなよ?」
そう言い残して俺は本来の目的である忘れ物の指輪をひっつかんで駆け出した。だがこのままでは間に合わない。
仕方ないッ!!こうなったら…奥義!
風魔法ッ!
かつてロイ戦で使った高速移動である。魔法の有効利用だ。
なんとかチャイムが鳴り終わるまでに教室に滑り込むことができた。
息を整えながらロイの方へ目をやると、隣にいつもは見ない女子生徒がいた。長い黒髪を後ろで縛っており、後ろ姿から受け取れるイメージは大和撫子といったところか。なんだよ、あいつもすみにおけないな。妬けちゃうぞ。
「おーい、ロイ」
その瞬間、何故か隣の女子がビクッとする。
「おお、ギリギリだな」
「…誰?」
隣の女子をさして尋ねる。ロイがニヤニヤしているのは触れないでおこう。
そのロイが答えようとするよりも前にその女子が口を開いた。
「私はルノア・リリック。今日は三人での実習らしいからあなたを待っていたの」
「口実…がっ!」
なにか言いかけたロイが肘打ちをされている。怖い。
「えーと、なんて呼べばいいんだ?ルノア?リリック?」
「……ルナでいいわ」
「そうか、よろしくな、ルナ」
その瞬間ルナが顔をそらす。俺何か悪いこと言ったかな?
横で終始ロイがニヤニヤしている。気持ち悪い。…と、今度は膝蹴りをされていた。
いい気味だ。
新キャラ2人一気に出して見ましたw




