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「僕、旅に出ます」

皆さん、こんにちは。アカシです。

今僕は空を飛ぶドラゴンが引く馬車、いやドラゴンだから龍車か?に乗って、車内で出された紅茶を飲んでいた。

目の前には魔王の娘、魔姫様ことアクアさんと僕の横で、紅茶のおかわりの準備するメイド服を着た龍の角を生やす女龍人さんがいる。

「アカシ様。紅茶のおかわりはいかがですか?」

女性龍人、名前をナターシャ・コバルトさんが、紅茶のポットを持ちながら話しかけてきた。

「・・・え?あっ、はい!お願いします」

僕はティーカップを出しおかわりをもらう。

さて、なぜ僕がこうなったのか。訳は数時間前までさかのぼります。


――数時間前の王宮内――

「ま、魔王の娘!?ってなんで敵陣の立場的には幹部クラスの人がここに!?」

僕は目の前にいる魔王の娘を指さし驚きをあらわにした。

「アカシ。落ちついてください。大丈夫、彼女は敵じゃないわ」

王女が僕と魔王の娘の間に入り僕を落ち着かせる。

え?敵じゃない?魔王の娘なのに?

「どういうことですか?敵じゃないって」

 僕がそういうと王女は僕を席のあるほうへ誘導しながら話す。

「まぁ、とりあえず座ってください。アカシ。これから大事な話をします」

「あ、はい」

 僕は席に座りとりあえず落ち着く。

「・・・落ち着いてようですね。では団長」

 僕と一緒に部屋に入った騎士団長が姿勢を正し言う。

「はっ!新たに人払いの結界を張ってまいります。勇者アカシ」

 僕を呼ぶ団長に顔を向ける。

「いろいろ大変だろうが、あくまで我らは君の味方だ」

「え?・・・あ、はい」

 僕は訳も分からないまま頷き、団長は部屋を後にした。

「では、えっとまず彼女のことを説明しますね?」

「改めまして、魔界国の姫をやってます、アクメリア・D・サタンです。敵ではありませんよ?」

 彼女が改めて自己紹介をし、王女が続けて説明をした

「実は彼女の接触のおかげで信じられない事態が発覚したんです」

「信じられない事態?」

 王女がそう言うと魔姫がくらい表情になっていた。

「・・・魔王私の父はまだ復活していないんです。さらに私たち魔界国はあなたたち人間に危害は加えておりません」

「・・・・・・えぇ!!どういうことですか!?」

「確かに百年前、私の父、魔王はそちらの国を攻めようとしていました。ですがそちらで召喚された先代勇者パーティよって封印され世界は平和になりました。ここまでは知っていますよね?」

「はい」

「でも実はその事実は確かに間違ってないんですが、正確には封印ではなく、その、心を折られてひきこもりなってしまったんです」

 ・・・は?引き籠り?

「唖然としてらっしゃいますね。当然です。でも事実はこうなんです」

 彼女の話だと、自分の力を過信した魔王は王国を攻めたて、世界征服しようと目論んでいた。だが王国側が勇者を召喚し魔王に立ち向かう。ここまではよくあるRPGの世界、だけどその時召喚された勇者が強すぎた。魔王軍きって豪傑も鬼才軍師も暗殺者も物の数秒で全滅、しょうがねぇなと魔王が立ち向かうがあっけなく惨敗。その時勇者側の一人が

『はぁ、拍子抜けもいいとこだわ。こんなんで貴重な私の時間を取られたの?なに?バカなの?アホなの?滅びるの?あんたみたいな厨二病は部屋の中でずっと魔王ごっこでもしていればいいの!わかった?』

 などをかなり怖い顔で言われたらしい。それから魔王は恐怖心から自室に逃げ込み自ら部屋に強固な結界を部屋の周囲にかけ、それから百年間ずっとひきこもっているらしい・・・そんなアホな。

「私は100年前の戦争にはいなかったんですけど、まぁかなりすごかったらしいんですよ。その父がまたこの世界で悪さをしてると聞いて、魔王城にいって事情を聴こうとしたんですが、当の本人は部屋に閉じこもって100年間の引き籠りを今もまだ続けているんです。あ、私は違うんですが、父やほかの魔族は1000年以上の寿命が長いので生きてはいたんですが、でもそうなるとなんでこちらの国で魔族が暴れまわっているのか」

「まさか、魔王以外の誰かが勝手に軍を動かしたいるとか?」

「いえ、一応その線も調べておいたんですが、誰もその疑いもなくそもそもこちらの国で魔物が暴れてたことすら知らなかった様なんです」

 魔物側が知らない人魔戦争。なんかどんどん話がやばくなってるような。

「それで先日今この国で暴れてる魔物を調べようと調査団を送り調査した結果・・・暴れている魔物が我々の国のもではないことが分かったんです」

・・・ッ!なんだって!

「つまりあなた達の魔王軍とは別の魔王軍が私たちの国を滅ぼそうとしているということなのね。アクア」

「えぇ。二人ともこれを見てください」

 というと魔姫は二枚の紙を机に置き僕と王女に見せる。

「これは絵・・・かしら?」

 というより写真見たいだけどこの世界にはないよな。科学よりも魔術がメインの世界だもんな。

「いえ、これは写真といってアカシさんの世界のカメラという機械で作った精巧な写し絵のようなものです」

「ってこれ本物の写真なんですか?なんでこの世界に?」

「それは後で説明します。それよりもこれに映っているものを見てください」

 言われるがまま僕たちは写真に写っているものを見た。

 一枚には可愛いらしい角を生やした子鬼みたいな生物、もう一枚にはいかついなんかわからない生物だった。

「こちらの子鬼みたいなのが私たちの軍の魔族、ちなみにゴブリンの橋田さんといいます。そしてもう一方が今現在こちらの国に攻め入っている魔物の一匹です」

「これが魔王国の魔族!?かわいい(ていうかなんで和名?)」

 王女も驚いていた。

「あなたからいろいろ聞いていたけどまさかこんなにかわいい生物になっていたとは」

「なった?」

「100年前の魔物もこちらの不気味な感じの姿をしていたんですが、年月がすぎ魔王の魔力供給がほとんどなくなり弱体化しこんな姿になってしまったんです。可愛いので結果オーラいなんですけどね」

 でも確かに今攻め込んでる子に魔物違いすぎる。でもだったらなんなんだ?こいつら。

「あの・・・じゃぁ今攻め込んで勢力はいったい?」

「それは申し訳ありませんが、まだわからないんです。ただ一つ、予想ですがもしかしたら・・・異世界の魔物かもしれません」

「異世界の!?ってここと僕たちの世界以外にも異世界があるんですか?」

 前回の召喚も今回の召喚も僕たちの世界からの召喚だからてっきり。

「あなたたちのような人間がいる世界はごく少数なんですが実際は沢山あります。私たちのような魔物や精霊なんかが住んです世界がほとんどなんですけどね。あなたの世界の天国や地獄も異世界に入ります」

「・・・」

 僕は自分の驚き限界値超え唖然となっていた。

「それで今言った通り異世界にはまだ私たちの知らない魔物がいるためおそらくそこから攻めてきているのかと」

「それでアクアは魔物独自の魔術で異世界へ飛び調査をするそうなんだけど・・・」

「大丈夫だよ、アスタ。彼なら信用できそう」

 ・・・?なんかいろいろ聞きたいこともりだくさんだけどまず一番気にぬところから聞いてみよう。

「あのお二人は名前で呼び合う仲なんですか?よく考えたら敵国のお姫様の話をかなり信じていますけど」

 二人はハッとした顔になり僕に言った。

「ごめんなさい、アカシ。そのことについても説明しなきゃいけなっかたわね」

「実はこの100年の間、この戦争が起こるまでは魔王のいない我が国は、王国と魔王復活後の活動について話し合いが設けられていたの。私の母と王国の偉い人たちとで。それで私も母に連れられてこの王国によく遊び来ていたのです。年も近いことからなよくなっていき今のような関係になっていたんです」

 ・・・僕たちが来る前までにはすでに和平交渉が行われていて、二人は友達になった。だけど魔王復活と同時にまた魔物が攻めてきた。お偉いさんのほとんどが裏切られたと思い戦争が再び勃発、だけど王女様と姫さんは内密に会談し今の現状を保った。それで今僕も交えて再び会談。

「なるほどなんとなくですが、話は分かりました。じゃぁ今度は旅に出ているみんなを呼びもどして話をしてみては?そもそもなんで僕ここに呼ばれたんでしょう?」

「今回の件はすでに彼らにも話してありますよ。ですが彼らには現在も奴らと戦っていてもらっています。奴らは今だなお攻め込み続けていますから奴らと戦えるのはいまだ彼らだけ、彼らを欠いては国があっという間に滅びます。そしてなぜあなたをここに呼んだのか、それは勇者セイシロウの案なのです」

『なるほどな!だが魔物のお姫さんだけで行かせるなんざぁ、できねぇ!そうだな。灯を連れて行け。あいつなら絶対頼りになるからよ!あとあいつは頼まれたら断れない男だからな』

 ・・・誠士郎てめぇ!なんだその断れない男って!えぇそうですよ、確かに僕は何でもかんでもしょいこんじゃう男ですよ。でもその主な無茶ぶりはほとんど誠士郎の無鉄砲のせいでしょうが!フォローするこっちの身にもなってほしいわ。

「・・・てことはつまりこれから行く異世界にお姫様と一緒に行って調査して来てほしい、ってことですよね?ですけど僕にはなんの力もありませんよ。それだったらそちらの魔物兵を連れて行ったほうが・・・」

あっ、ダメか。そちらだって謎の魔物達に襲われかねない。そんなときに兵を減らすのは得策じゃないのかな?

それにこんなかわいい魔物じゃ、ちょっと頼りないかな?

「それがダメなんです。異世界に飛ぶ魔術はもともと異世界人か術者である王族のみなんです」

あぁなんだ元々無理なのか。

・・・勇者パーティーもだめ、兵隊もだめ、んでまだ何かしら可能性のある異世界人の僕だけってことなのかな?

「・・・」

「ごめんなさい。やっぱりいきなりこんなこと混乱してしまいますよね?すぐにではなくても。もちろん断ってくれても大丈夫ですよ。何とか私一人でも・・・」

「わかりました。僕、姫さんといっしょにいきますよ」

「え?」

「あいつが僕を選んだのならきっと僕が適任だと判断したんだと思います。それに僕は断らない男らしいですからね」

その言葉を聞き二人は唖然としていた。

「そんな簡単に決めていいの?」

 僕は頷き言う。

「誠士郎は昔から人を見る目はあるからね。僕とあなたなら大丈夫だと判断したんだと思います」

 僕には僕にしかできないことをする。

 誠士郎達がこの世界をために戦うなら僕は別の異世界にいってやれることをやる。

 勇者の武器を持たない僕に何ができるかわからにけど・・・。

「そういうことで僕はアクア姫と一緒に別世界へ行きます」

 その言葉を聞き姫さんの顔が明るく笑顔になった。

「ありがとう。アカシ君!あっ、そうだ。私のことはアクアと呼んでください。姫とか継承は入れません」

 

―龍車内の現在―

 それから僕たちは旅の準備を整えてアクアさんが乗ってきた龍車で、魔王城に向かっている。なんでも旅に必要なものを魔王からもらうらしい。

 しばらくしてあたりが暗くないり僕は窓から顔を出す。

 外はまだ昼間なのに薄暗く空は同じ世界とは思えない紫の色をした空、下に見える木はなんかおどろおどろしく・・・ていうか動いてるね。あの木。

「アカシ君。もうすぐ魔王国に着くよ」

「あっ、はい」

 僕はそう聞き少し窓から身を乗り出し龍車の先にある街を見た。

「・・・あれが魔王城?」

 見た先には何ともよくゲームに出てくる魔王城・・・とはかなりかけ離れたお洒落なお菓子な城があった。

はい。皆様 読んでいただきありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。

あ、それと文章内のお菓子な城、誤字ではございません。

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