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無名の剣士  作者: むー
第一章
22/31

21

なんと、一万PV達成しました!

自分のものが多くの皆様に見ていただいて嬉しく思います。

ありがとうございます!

negi:何で負けたのがオレのせいなんだよ!?


 領地戦の敗戦処理に追われていた。

 

 終了時間の5分前に落城したため、カウンターを仕掛けることもできず、さりとて他の城を狙うにもギルドスキルを使っていたため、移動できず、そのまま終了になってしまった。

 結果、長期防衛の記録が途切れたのに加え『DT連』創設以来、初の領地無しという自体に陥っていた。


 これには住人たちも歓喜した。

 先週あのようなことをしてきた『DT連』だ。憎くて憎くて仕方なかったのだろう。

『AFG連』よくやった!

 というような書き込みばかりで埋め尽くされたのだった。


 そして反省会という名の吊るし上げ大会が開かれたのだった。

その矛先は当然の如く、総指揮だった渚に向けられる。


 渚自信、やれるべきことはやったつもりだった。

 負けるつもりは微塵もなかったが、頭を振り絞り、できる限りの指示を出し、それで持って行かれたのだ。


 悔いがないと言えば嘘になるが、それでも誰かのせいで負けたなど思いもしなかった。

 ましてや、自分のせいなど冗談ではない。

 真っ向から反論するのだった。


negi:答えろよ。何でオレのせいになるんだ?

negi:そもそも誰かのせいなのかよ?完全に相手のが力量が上だった

negi:単純にそういう話じゃないのか?

マリアベル:序盤の偵察の数が多すぎました

negi:おいあれは

ヒマワリ:気持ち悪いぐらい多かったな

ヒマワリ:それのせいで俺ら主力が合流できなかったわけなんだけど?

negi:とりあえず聞けよ!

negi:少なくとも、事前情報無しでそれは言いすぎだろう

negi:実際、偵察を飛ばしたから事前に、撤収指示だせたわけだし

ヒマワリ:前提が間違ってる!

ヒマワリ:そもそもあんな大規模な偵察は必要なかった!!

マリアベル:確かに偵察部隊じゃない人も偵察行ってましたよね~

ヒマワリ:そうそう、それがそもそもおかしい

ヒマワリ:あんなに情報錯綜してて何が偵察だよ!わろけてくるわ!!

negi:何?喧嘩うってんの?お前の頭だったら錯綜に見えるのかもな

negi:オレはちゃんと把握してたっつーの

俺がマスター:二人とも言いすぎだ!少し落ち着け

ヒマワリ:どんだけ積み上げたと思ってんの?

半年だぞ半年!

ヒマワリ:ゲームで半年って言ったら相当なんだかんな!!


 ヒマワリの叫びはあながち間違っているわけではない。

今までやってきたことが全て消え失せたのだ。この喪失感は計り知れない。


negi:んなもんオレだって一緒だっつーの!

俺がマスター:落ち着けって!

ヒマワリ:マスターは悔しくねぇのかよ!こんな形で終わってよ!!!

俺がマスター:悔しいに決まってるだろ!!だが、なっちまったもんは仕方ないだろう

俺がマスター:とにかく冷静に話をしよう

ヒマワリ:いいよな落ち着いてられてよ!そんなもんですか?ギルドの運営ってその程度ですか?

俺がマスター:お前が言いたいこと全部言ってるからだろうが!いいから落ち着け

俺がマスター:俺だって叫びたいんだよ!!

俺がマスター:だけど、誰かが進行しないと話にならないだろう

俺がマスター:だからネギ、お前の意見を聞かせろ!

俺がマスター:少なくとも、全員が納得しないとお前はこのままA級戦犯扱いだ!!

negi:責任は全て指揮官にありますってか?

negi:何故こんなに言われなきゃいけねーのかまったくわかんねーよ。

俺がマスター:いいから答えろ!!!!!!


 あくまでチャットなのに、マスターの怒りがこちらまで伝わってくるようだった。

 冷静に言い諭しているように見えて、マスター自身も内心ぐつぐつ沸いているのだ。


negi:偵察についてなら、戦場を探してた

negi:少なくともあの時点で暇防衛だった。negi:他の連合の姿も見えなかったし、偵察と言うよりも

negi:捜索に近い形だった。

negi:AFGが同盟を組んでると思ってなかったからな

negi:その兆候が見えたときには、撤収を指示出した

negi:だが、それよりも早くまとめあげて突っ込まれた

negi:以上


 渚の目から見たらそういう印象だった。

少し釣られたのかもしれないが、あのタイミングで合流指示を出したのはベストだと思っている。

それ以上にLyraの統率力が見事だったのだ。

 姿を見せてから、突入まで一分もなかったはずだ。

 全軍の突入陣形を組み、支援を掛けなおし、そこからカウントを始める。

 同じことをできる連合が果たしていくつあるだろうか。少なくとも『DT連』にはできない。


ヒマワリ:ほらみろ、あの大規模のせいで一歩遅れたんだろうが!

negi:何言ってやがる!じゃあどうしろってんだよ!?

ヒマワリ:少なくとも、あのままカッチリ防衛していれば最悪な状態にはならなかった!

ヒマワリ:偵察なんて出す必要が無かっただろう!

negi:遅かれ早かれ、隙はできてだろうよ!

negi:一時間も弾幕貼り続けれるわけねーんだからな!

negi:そうしたらそうしたで、暇防衛乙です!

negi:とか言い始めるやから出ただろうが!

ヒマワリ:そんなもん、出たら出たでいいじゃねぇか!

ヒマワリ:負けるより全然いいよ!!

negi:勝手なこと抜かすな!んなもん結果論だろうが!!

ヒマワリ:どっちが結果論だよ!!!!


自分のせいだと、絶対に認めるわけにはいかない渚と、責任を押し付ける相手を欲している連合の話し合いは平行線をたどるように見えた。だが、一人が口を開く。

 

オフィーリア:俺には気になる点がもう一つあるんだがいいか?

俺がマスター:どうした?


(何だコイツ、まだいたのか? どんな面の皮してんだよ)


 敗戦の影響が大きすぎて存在を忘れていたが、ギルドから抜けていなかったのだ。


オフィーリア:あのギルドスキルについて説明してほしい

ヒマワリ:そうだ!先出しして勝ったなんて話一度だってきいたことないぞ!

negi:バカにはわかんねーんだな・・・

俺がマスター:ネギ!!!!!

negi:あーめんどくせぇな

オフィーリア:逃げるのか?w

negi:それで挑発してるつもりかよ?

negi:よくもまぁ、オレの前に面出せたな?

オフィーリア:どうだっていいだろう、そんなことw んで指揮官様は

オフィーリア:我ら愚民に説明してくれるのかな?w


 火花散るとはまさにこのことだろう。

 オフィーリアの言うことを一々聞くのも癪に触るが、こうやって全体に投げかけられてしまえば、こちらが一方的に悪者になってしまう。


(ちぃ、掻き回しやがんなぁ)


 思わずここで、リアルのパソコン台をぶっ叩くのだった。


negi:あれの狙いは、相手のギルドスキルを引き出したかったんだ

negi:あのまま合流できずに、第二ライン突破されたとき

negi:もう後が無いと判断した。

オフィーリア:何が後が無いだよ、まだ第三も残ってただろう

オフィーリア:時間も残り20分あったぞ

negi:その時点でお前の言う先出し?を相手がしてきたよ

negi:そうなれば、後出しでギルドスキルを使っても間に合わない

negi:例え間に合ったとしても60vs70だ

negi:絶対に勝てると言い切れるだけの確証は無かった

オフィーリア:はいでました結果論。

オフィーリア:指揮官様はすごいですねーそんな後まで考えるだなんて!


 一々癪に触る言い方をしてくる。

 正直うんざりだった。


negi:当然だろ。そうじゃないと務まらねーからな

オフィーリア:その結果、指示は丸投げだったよなぁ

オフィーリア:俺は知ってるんだよ。お前が指揮とったくせに

オフィーリア:具体的な行動指示は中間指揮たちがとっていたことに

オフィーリア:当然齟齬が発生していたと思うんだが?

negi:それは当然そうだろうなぁ、だができてただろうが!

オフィーリア:それはお前の手柄じゃないつってんだよ!

オフィーリア:次もあったとき同じことをするのか?

オフィーリア:無茶振りして、実際するのは自分の部下。いい身分ですねぇ~

negi:お前がそれを言うのか!だったら毎度の反省会ちゃんとやれよ!

negi:少なくとも、オレの頭の中にはあるんだよ

negi:反省会の一つもまともにできないから付いてこれねぇんだろうが!


 頭に若干血が上っていたこともあるが、この一言は言ってはいけなかった。

 その事に気付くのが若干遅れた。


オフィーリア:聞いたか?

ヒマワリ:ああ聞いた。

俺がマスター:ネギ、つまり俺たちが悪いって言いたいのか?


 盛大に舌打ちした渚だった。


先ほどまで、この敗戦は誰のせいでもないと思っていたのは自分だ。

当然、自分はできる限りのことはしたし、メンバーもそれに答えてくれた。

その結果負けたのだ、むしろ相手を賞賛する気持ちのほうが強かった。


それなのに今じゃ、メンバーのせいだと言ってしまった自分がいるのだ。

うまく誘導されたようなものだ。


negi:メンバーのせいと言うつもりはない。ただ、反省会をしっかりやっていれば

negi:ここまで酷いことにはならなかったはず

オフィーリア:どんなに言い繕ったって無理だね

オフィーリア:俺らのせいにするような指揮官様に俺はついていけねーわ

negi:何が言いたい?

オフィーリア:まぁ俺が言うのもなんだけどさ!

オフィーリア:どうせ雇われ指揮官なんだから、出てって欲しいなーって

オフィーリア:思うんですけど、マスターどうでしょう?

俺がマスター:それは・・・あまりにも飛躍しすぎてないか?

俺がマスター:みんなはどう思う?


 そう問われると、一部のメンバー以外はなんとも言えなかった。

 調子にのって反省会をしてこなかったのは事実なのだ。

 自分たちに非があるわけではないと思っているが、この場合指揮官に全て押し付けていいものか判断しづらいのだ。


俺がマスター:ふむ、これだと何とも・・・とりあえず落としどころとして

俺がマスター:少なくともネギの実績は確かだ、脱退と言わずに

俺がマスター:今回の損害額を罰金という形で保証してもらい

俺がマスター:継続でどうだろうか?


 そう聞いたメンバーたちは「あぁそれなら」といった形で頷くのだったが、渚は大笑いだった。


negi:何勝手に納得してやがるwww

negi:オレがお願いしますこの連合で指揮をやらせてくだしあ!とでも言うと思ったか!

negi:馬鹿やろう!前提が大間違いだ!!

negi:何で俺が謝らなきゃならない!?

negi:オレは何もまちがっちゃないんだよ!

negi:ここまで言われて、オレがこの連合で指揮を取らなきゃいけない理由はなんだ?

negi:馬鹿にすんのも大概にしろよ!!


 この言葉で今まで静観していたメンバーたちも敵に回すことになったのだった。

 マスターどうにかして間を取り持とうとしていたが、無駄だった。

渚自身がもうこの連合で何かをする気力が失せたのだ。

 だが、これだけボロボロに言われた渚だったが、最後まで一般メンバーたちを誹謗するようなことは言わなかった。

 そして短く、

negi:世話になった。あばよ

 それだけ言って、ギルドを脱退した。


オフィーリア:あばよw

negi:・・・オフィー。すべて計算通りか?

オフィーリア:はて、なんのことやらwwまぁまさか負けるとは思ってなかったがな

オフィーリア:他のとこでもがんばってくれやw

negi:おぼえとけよ・・・

オフィーリア:おーいおいおいwそいつは負け犬のテンプレって

オフィーリア:やつなんじゃないですか?www

negi:テンプレかどうか、お前の体で味わうんだな。

negi:みんなも達者でな。戦場で会ったらよろしくな


 そう言ってその場から立ち去った渚だった。

 傍目からみても、負け犬が尻尾巻いて逃げる姿に見えたかもしれない。

本人はそんな自覚は一切無かったが。


その場を後にした渚ではあったが、特別行く当ても無かった。

とりあえず人が集まるだろう、中央広場へと向かうのだった。

そうしていると、マスターから個人チャットが飛んでくる。


(俺がマスター:おいネギ!なんであんなこと言ったんだ?)

(negi:本気で訊いてるなら始末に負えないぞ、マスター殿)

(俺がマスター:俺はただ、落としどころをだな・・・全員の溜飲が下がればなんとかなると)

(negi:その前提が間違ってるつってんだよ、オレの指揮が悪いってなったんだろうが)

(negi:信用されない指揮官ほど惨めなもんはねーよ)

(negi:金を払ってその信頼を買えってのか?まったくもって無意味だな)

(俺がマスター:どうしてそこまで・・・)

(negi:これだけは言っておいてやる。半分はお前がオフ会に来なかったのが原因だ)

(negi:あとは勝手にやってくれ、がんばれよ)

(俺がマスター:おいちょっとまてネギ!)


 最後にそう言っているのが聞こえたが、もう話すことは無かった。

一方的にチャットを打ち切る。


まだ中央広場まで距離があったが、キャラを歩かせるのも面倒に感じてしまった。

その場で立ち止まる。

 

正直、喪失感がかなりでかいのだ。負けて一番悔しい想いをしてるのは自分のはずだ。

 そんな心の整理が付く前に、なんやかんやと言いがかりを付けられ、挑発され、冷静でいられなかったのだ。


 ましてや自分があそこまで育ててきた連合だ。それを投げ捨ててしまった。

次にやることなど思い浮かばない。


 完全にオフィーリアにしてやられたわけだ。

 あの時のことでギルドを脱退させてやろうと思ったが、逆にこちらが追い出された格好になってしまった。

今思い返せば腹が立つが、後の祭りだ。

あの時「覚えておけよ」と言ったセリフも本心からだったが、今となってはどうでもよくなってきた。

 

「このゲームも止めるか……」


 思わず口に出てしまった。

 だが、このまま引退をしてみたらどうなる?


ただの負け犬指揮官として名を馳すだろう。それだけは許せなかった。


「くそがあああ!!!!!」


 叫びながら、本日二回目のパソコン台を打つのだった。


その声と音を聞きつけたのか、慌てて香奈がやって来るのだった。


「な、ナギ姉! どうしたの大きな声で叫んで?」

「ああ、わりぃ何でもねーよ」

「それが何でも無いって顔? 台バンなんて珍しいじゃない」

「…………」

「どうしたの?」

「……どうもしねぇって」


 本当は言いたいことは一杯あった。

 だが慰めてもらうなど、そんなこと意地でもされたくなかった。


「ふーん、あっそうですか。じゃあウチはナギ姉のベッドで本を読みます。話し掛けないでください」

「おい! 何だよそれ、出てけよ!」

「話し掛けないでください」

「っち、勝手にしろ!」


 またパソコンに向き直すのだった。

ちょっと目を離した隙に、ゲームの中では予想外なことが起きていた。


LaLiLuLeLuLiLi:ネギさーん!!起きてください!!

LaLiLuLeLuLiLi:朝ですよー


 チャットで言葉を投げかけながら、自分の横で派手なエフェクトのスキルを連発している瑠璃子がいた。


negi:うるせーぞ、近所迷惑だ。

LaLiLuLeLuLiLi:よかった反応あったw

negi:何の用だよ、俺はいそがしーんだ

LaLiLuLeLuLiLi:とてもそんなには見えないんですけど・・・w

negi:お前、ゲームの中じゃ普通にしゃべれるのな

LaLiLuLeLuLiLi:そんな事どうでもいいじゃないですか!!

negi:あーはいはい。んで何だよ?

LaLiLuLeLuLiLi:DT連酷過ぎです。

LaLiLuLeLuLiLi:私もネギさんについていきます。

negi:はー・・・荷物が一つ増えるから遠慮するわ

LaLiLuLeLuLiLi:ひどいです!本気なんですからね!今ここ抜けますから!!


 本当に抜けるようだった。

それからすぐにキャラを落とし、ログインしなおす。瑠璃子のキャラからギルドマークが消えている。


LaLiLuLeLuLiLi:ふっふっふ

negi:いや、意味わかんねーし

LaLiLuLeLuLiLi:えーここは喜ぶところですよ!?

negi:おまえ、キャラ変わりすぎて喋りづれーよ!!

negi:まぁいいや、お前はどうしたいんだよ?

LaLiLuLeLuLiLi:ネギさん!私たちで一からギルド作りましょう!

negi:はあ? 今から新しくギルドをか?

LaLiLuLeLuLiLi:そうです!絶対楽しいですよ!私がマスターやりますから!


 瑠璃子がマスターという、一抹の不安はあるが、確かにそれが出来るなら楽しそうではある。

だが、問題点もちゃんとある。


negi:言うのは簡単だけどな、今はもう情勢もほぼ決まってるんだぞ

negi:新規参入できる隙間なんてないぜ

negi:そもそも足りないメンバーどうするつもりだよ?

LaLiLuLeLuLiLi:そう言うと思ってました!

LaLiLuLeLuLiLi:今の情勢だと、おそらく15人規模でないと領地を得ることはできないと思います

negi:しっかりわかってんじゃねーか。だったら無理だってのもわかるよな?

LaLiLuLeLuLiLi:確かにいきなりで確保するのは無理でしょうが、少し時間をかければ

LaLiLuLeLuLiLi:その程度ならいけると思うんですよね!

negi:何だぁそりゃ。根拠もなんもない。皮算用じゃねーか。

LaLiLuLeLuLiLi:根拠ならちゃんとありますよ!

negi:??

LaLiLuLeLuLiLi:強力な助っ人がいるのです!ちょっと待ってくださいね今呼びますから


 それだけ言って、別のチャットをしているようだ。

瑠璃子の動きが止まるのだった。

そうして待つこと数分。

 呼び出したメンバーは、『DT連』の中核を成すメンバーたちだった。


さっち:お待たせしました!

ぷちこ:私たちもネギさんたちがすることに付いて行こうって

ぷちこ:話あったんです

さっち:どう考えてもあの流れは不自然でした

さっち:まるでネギさんを失脚させるためのような・・・

さっち:あれでは付いていこうって気になりません

くろす:・・・

negi:くろす、いるのはわかったから、沈黙だけの発言するのは止めろw


 本当に強力な助っ人だった。

さっち、ぷちこ、くろす。

三人が三人とも渚の懐刀と言っても良いメンバーだ。

だからこそ、あの時の会話に参加させなかったのだ。

 渚と一緒に巻き添えを食わせる訳にはいかなかったからだ。

 逆に『DT連』のほうが心配になってくるくらいの引き抜きメンバーだ。


negi:おいこれ、15人なんて必要ねーかも!

LaLiLuLeLuLiLi:ですよねですよね!じゃあギルド作っちゃいますか!?

negi:おう!!行こうぜ!


「きたあああああ!」


 こうして今日三度目のパソコン台を殴る。


「な、ナギ姉?」

「あ、わりぃカナがいるんだったな……ってカナ!?」

「は、はい!?」

「何てタイミングでいるんだ!! 手伝えよ!」

 

そうにっこり笑う渚だった。


「ちょっといきなり何なの?」

「お前の力が必要なんだよー! 頼むAOで手伝ってくれ!!」

「じゃあ説明してよ! 何があったの?」


 事の顛末を説明する渚だった。

その話は昨日のオフ会から始まり、最終的に自分のせいで負けたということにされたことまで、しっかりと全部話したのだった。


「ふーんそんなことがあったの……。二人だけでナツミさんと遊んだなんてずるい!!」

「そこじゃねーよ!」

「まぁ大体わかりました。ナギ姉を悪者にするなんていい度胸じゃない。絶対潰してやる!」


 この瞬間、渚にとってこれ以上無いほど、頼りになる相棒が復活することになった。


「恩に切るぜぇ! じゃあ早速ログインしてくれよ。みんなに紹介したい」

「いますぐ!? もうパッチも当ててないし、課金も切れてるよ?」

「課金なら一日だけのチケットあるからとりあえずそれで! パッチは今すぐ当ててくれ。みんなに待ってもらうから」

「はいはい、言いだしたら聞かないんだから……」


 自分の部屋に戻っていく香奈だった。


negi:おーい、みんなもう少し待ってもらってもいいか?

LaLiLuLeLuLiLi:どうしたんですか?

negi:俺も紹介したい人がいるんだ

LaLiLuLeLuLiLi:はぇーネギさんにもそんな

人がいたんですね

negi:お前失礼だな。あとで覚えとけよ?

さっち:どんな人なんですか?

negi:説明が難しい。すぐ来るからちょっと待ってくれ


 香奈がログインするまでの間に、今後の方針などをある程度話していくのだった。

準備期間は短いのだ。

また来週すぐに、領地戦が始まるからだ。


kamo:ネギーお待たせぇ

negi:結構はやかったな。つーことで紹介する

negi:俺の相棒、カモ君だ

さっち:kamoってまさか・・・?

negi:その反応、さすがに知ってるかw

さっち:知ってるも何もネギさん並に有名人じゃないですか!

ぷちこ:昔に伝説ばかり残していった人ですよね!?

kamo:伝説って・・・w

kamo:今どんななってるの?

negi:まぁ、5人で30人倒したとか

negi:色々だな

kamo:いやいやいやいやwwww30人とか無理w

kamo:さすがにあのとき20人くらいだったって!

さっち:それでも十分すごい気が・・・

kamo:いやーあの時はレベル差とか合ったしね。今じゃもう無理

negi:確かに今の環境だと一騎当千はむずいけどな

negi:まぁカモネギコンビの復活だ。多少は何とかなるだろうだろう!

LaLiLuLeLuLiLi:あのー・・・kamoさんてまさか?

negi:ああwそのまさかだww

kamo:ん?どういうこと?

(negi:言い忘れてたwこのLaLiってのルリだから)

(kamo:ええ!?どうしてそんなことが!?)

(negi:それはあとで話すわ)

LaLiLuLeLuLiLi:すっごい助っ人ですね!

negi:おうよ! 初期メンバーはこの6人でいいな?


 みんなが返事をしていく。

 それを確認した渚はさらに続ける。


negi:初めに言っておく、まず狙うのはDT連の首だ

さっち:わかりやすくていいですね

negi:その後、AFG連をぶっ潰す

ぷちこ:なんでAFGもなんですか?今日ヤラレタから私怨ですか?

negi:ばーか。これは単純にだな

negi:AFGはこれからこのサーバー最強になるだろうよ

negi:それをブッ潰せるくらいになったらゲームが楽しいに決まってんだろうが


 それを聞いてみんな頷くのだった。

このメンバーの共通項は『ゲームを楽しみたい』と言うことだった。


 こうして渚率いる、新規参入ギルドが産声を上げるのだった。

初期メンバー6人という、ありえないほど少ない人数で始まった。

にもかかわらず、そのうち住人たちは渚たちの存在を無視できなくなるのであった。

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