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無名の剣士  作者: むー
第一章
16/31

15

だんだん更新が遅くなってる気がする・・・

ごめんなさい

 領地戦開始から10分が経とうとしている。

 案の定というべきなのか、《DT連》の領地戦は暇防衛と化していた。

 明らかに頭一つ以上飛び出しているのだ、どこも攻めてくるはずが無い。

 渚はこの展開を予想していたので、次のように指示を出した。


negi:予想通りな感じだ

negi:作戦書に書いたようにA班・B班・C班に分かれてくれー

negi:各班持ち回りで攻め・斥候・防衛をやっていく

ヒマワリ:総指揮殿!3班に分けてすべて把握できるでありますか?w

negi:だから言い方wwwま、とりあえず問題ないとは思うが難しくなったら

negi:言うから対応してくれ

negi:現場指揮はA班オフィーリア

negi:B班はLaLi

negi:C班はオレが見るのと、マスターは本城居残り組でいくからそのつもりで

negi:ギルドスキルは使えないそのつもりで!

negi:各班まけんなよ!


 そうして班に分かれて飛び出していくメンバーたちであった。

 

 とりあえず、戦場の分析を行う。

 25人25人10人という班編成を行い、基本的に25人班で戦えそうな中堅規模を叩く予定だ。

 同じ人数であったとしても、連合で固まっている方が分けて戦うよりも優勢になるのは当たり前であるが、あえて縛り要素を入れることで今後の練度向上に役立つかもしれないと思ったのだ。

(たんにやることがない、ということもあるが……)


:1砦に元AS連のS発見!数は30くらいいるねー

:5砦はC連とD連の戦争おきてます数40vs50

:数の利でD連押してるけど、C連防衛かてーわ攻めきれてない印象

:9砦にE連20くらい

:7砦は三つ巴だわF・G・H連の戦いっぽい


 と、まぁ情報が上がり始める。

 5砦の戦争に介入するにはさすがに細かく分けすぎているので却下。

 AS連が解散となった今中堅上位連合が二個できたような形だろう、30人防衛など簡単に崩せるものではないが《DT連》の総力をあげれば一瞬で片付く。

 だがそれをやったら今回の趣旨からずれるのでこれもパス。

 こうやって消去法で戦場を選択したのだった。


negi:A班は7砦に向かってくれ、戦場あらすぞ!

negi:B班は9砦に!20分いないにブッ潰せ!!!


 すぐに戦況の情報が上がる。


 B班のほうは強襲に成功したようだった。

 ほどなくして第一ライン突破の報告が入る。

 ある程度強メンツを揃えた班編成になっているから、これくらいしてくれないと困るのだが、楽しそうにしているからとりあえず良いだろう。

 

 逆にA班のほうは苦しいようだ。

 三つ巴のところを荒らす第四勢力になる予定だったのだが、《DT連》の姿を確認した瞬間、他の連合が共闘を開始したようだった。

 三連合が一致団結して《DT連》排除の流れになったとのこと。


negi:ちいいいいいメンドイ!!!

negi:さすがにどうにかならないか?

オフィーリア:どうにかってなんだよ現状これでいっぱいいっぱい

オフィーリア:戦線支えすらできねってなんとか残ってるメンバーで後退しつつ復帰ラインは

オフィーリア:確保してる状況

negi:ジリ貧になるな・・・

negi:B班状況は?

LaLiLuLeLuLiLi:第二ラインを襲ってます!奇襲成功したのでいい形で戦闘入ってます

negi:わかった。B班第二突破した瞬間転進予定!

negi:A班と合流して戦況の盛り返しを測る

ヒマワリ:それだと9砦修理されてしまう・・・

negi:今はしょうがない修理させてやろう

negi:大事なのは両方勝つことだ!!!!!

LaLiLuLeLuLiLi:両方勝つ!いいですね~!

マリアベル:うちのLaLiちゃんが目を輝かしてるよぉwww

ヒマワリ:勝利に貪欲な子だもんねぇ!w


 LaLiのおかげで士気もあがる。

 だがイレギュラーはどこでも付き物だ。

 三つ巴で戦っているはずのF連が《DT連》長期防衛をしている本城に攻めてきたのだった。


negi:第一ライン整えろ!!!!!!!!!

negi:おいどうなってるF連がこっちきたぞ!!!

negi:B班撤収@@@@@@@@@@

negi:B班撤収してこっち合流、挟撃する!!!!

LaLiLuLeLuLiLi:もう向かってます!

negi:まじか!ないす!!!

ヒマワリ:挟撃成功@@@@

negi:GJ!!!!!!!


 ふうと一息付いた渚だった。

 さすがにF連だけでどうにかなるほど本城をおろそかにはしていなが、焦るものは焦る。

 こんなくだらないことで長期防衛が崩れたとあってはメンバーに顔向けできない。

 しかしながら驚かせるのは、この瞬間に差し込んでくるF連の首脳陣とLaLiの指揮だ。

 渚が指示を出す前に、B班が合流出来たのが良かった、最悪第一ライン突破されて、修理に時間を掛けないといけないと思ったからだ。

 うまく挟むことができたので、さしたる打撃も受けずご退場願えた。


 だが、問題点もある。 

 F連がいなくなった報告がなかったことだ。

 何故戦ってるA班はその兆候を見逃したのか謎だった。


negi:おい、オレの言いたいこと、わかるか?

俺がマスター:ネギちょっとまて

俺がマスター:今はまだ領地戦の真っ最中だ、反省会は後でちゃんとやろう

俺がマスター:継続して指揮をたのむ

negi:んー・・・まぁ、わかった


 先週から情報伝達がうまくいってないことを反省しなかった上、また同じことを繰り返された。

 マスターの言う通り、今この場で話し合うことでもないので一歩下がったが、正直面白いと思わない。


negi:とりあえず、残党狩りといこうか!

negi:B班は半分に分けてくれ、B1はA班と合流、B2班は9砦へ継続攻めで。

negi:フリーダムに修理させない方向で維持を目指してくれ

LaLiLuLeLuLiLi:判断は私でいいですか?

negi:ああわり、LaLiで班分けたのむー

マリアベル:本城は残党なしですね

negi:了解、A班状況の報告あがってねーぞどうなってんだ?

negi:F連の行方がわからねーんだが7砦戻っていったのか?

オフィーリア:戻ってきてない

negi:え、それだけ?現状どうなってんの?

オフィーリア:一進一退。陣地を作ることには成功

negi:了解、もうすこしでB班合流するから現状維持で

negi:合流後に攻略開始で!

さっち:B1班突入開始します@@@@

negi:了解よろしくたのむオフィーの補佐をたのむぜさっちいいい


 補佐と言ったが、今回はオフィーリアの手落ちだろう。

 そこらへんをうまくサポートしてもらえれれば、うまく回るはずだ。

 

さっち:F連の姿は確認できず、もし余裕あったら斥候飛ばしたほうがいいかも

negi:了解C班から多少回す。マリアベルいいな?

マリアベル:あいあいさー!

さっち:さすがにgdgd展開でしたね・・・

negi:すまん・・・。とりあえずどうだ?

さっち:こっち30人規模になったんで流石に安定しました

さっち:ですけど押すのは無理かも

negi:GとHの共闘がそんなに強固だとはな・・・これでF連がいたら無理だったか・・・

negi:って7砦どうだ?

LaLiLuLeLuLiLi:どさくさに紛れて修理要員を排除に成功しました

negi:wwwwwwwwwwやるなぁwww

negi:OKそういうことなら、撤収@@@そっちもA班に合流してくれ

ヒマワリ:ええええええこの状況でそれ?

negi:さっきもいっただろ、両方勝つんだよ!

LaLiLuLeLuLiLi:はい!!

マリアベル:うちのLaLiちゃんが(ry

negi:w

俺がマスター:tannshibaw

negi:うっせーなwwwんじゃまぁ50人規模でさくっとG・H排除してくれよな!


 こうして今日の領地戦が動き出したのだった。

 

 本来の戦力の八割を投入して襲う《DT連》にさすがの《G・H共闘連》はなすすべもなく撃破されていく。

 最後の抵抗か、先週の罠防衛をされるが、そんなものは時間稼ぎにしかならず、程なくして確保の報告が上がるのだった。

 これで攻守交替《DT連》が城主の《G・H共闘連》が攻めという形になるのだが、G連・H連ともにこれ以上の戦闘は無意味と判断したようですぐに転進していった。


 《DT連》は勢いをそのままに先ほどの7砦に襲いに行く。

 この時の配分としては、本城5人、偵察5人、7砦10人、9砦40人という形をとった。


 9砦を守るE連の数は20人ほどで、倍近くいる《DT連》の猛攻を防ぐことは不可能であった。

 最低限の防衛をされ、やはりここでも罠防衛をされたのだが、勢いが違う、人数も違う、さらに先ほど修理要員を排除に成功したこともあって、圧倒的な速度で奪取する。

 これで三砦確保完了。


 そうしてここまでで領地戦も50分経過していた。

 残り10分。


 あとはこの三砦を防衛維持することで、今週は大領地を得ることができるが、ここで渚がさらに攻めの指示をだす。

 メンバーからの反発の声も上がるが、早い段階で偵察隊を組織し動かしていたこともあって状況を事細やかに把握しているのだ。

 渚は譲らず本城10人、7砦守り無し、9砦守り無し、攻め50人。


 攻め先は6砦。

 この時間まで確保できていない連合が集まり、乱闘になっている砦だった。

 その中にはF連を始めG連、H連の姿もあった。

 F連の動向をチェックしていたからこそあえて被らせた。先ほどみたいな奇襲はもうさせない。

 

 こうして、乱戦の中を突っ込ませる。

 さすがに乱戦状態の砦である、統率がうまく取れていないようで、《DT連》の姿を見ただけで浮き足立ち、バラバラと行動をする。

 もうすぐで終了の時間がくるが、ここで慌てさせないのが指揮官の役目だ。

 浮き足立つ他連合を個別撃破させ、あえてゆっくりと進軍させる。

 

 程なくしてF連が先ほどと同様姿を消す。

 その動きを察知した渚は、攻めの人員を総動員で本城へ戻らせる。と、同時にマスターは6砦へと単独潜入させる。

 案の定、F連が本城へと姿を現す。

 F連20人vs《DT連》60人のバトルが始まるが、数が違いすぎる。F連の動きを先読みしたことも大きく、戦いの形を作らせないほどの蹂躙ゲームと化すが、F連のメンバーが突如としてワープする。

 おそらくギルドスキルを使用したのだろう。終了まであと5分を切る。

 ここまでくれば、例え本城を攻められたとしても建物破壊だけでタイムアップになる。

 

 それを確認した渚はギルドスキルの使用を指示。

 守りの人員をゼロにし、全ての力を攻めに注ぐ。

 先ほどマスターだけ単独潜入させたこともあってスムーズに事が運んだ。

 渚自身もワープで最前線に召喚される。


 あとは時間との戦いだった。

 投入している戦力であれば、ほかの勢力を排除には成功するだろうが、建物破壊、城主交換のためのフラグ折りも残っている。

 もはやチャットで指示を飛ばす時間も無駄に感じるほどのタイミングであったが、ここはさすがに最強連合《DT連》であった。

 渚は何も言わなかったが、それぞれがそれぞれの仕事を着々とこなしていく。

 全てを最善手で通せたと言ってもいいだろう。それぐらい意思疎通ができたのだった。


 そうして……。


negi:きたあああああああああああ!!!

ヒマワリ:うおおおおまじかああああああああああwwwww

ぷちこ:やりましたね!!!  

LaLiLuLeLuLiLi:やったあああああw


 6砦確保完了。

 その瞬間領地戦終了の公式アナウンスが流れる。

 

 6砦、7砦、9砦、本城と前代未聞の四ヶ所の領地を得たのだった。


 単一連合での確保数は最高で三砦であったが、それを上回る結果になった。

 さらに長期防衛記録も継続しているとあっては、さすがにこれは住人たちも過剰反応せざるを得なかった。


 ふざけるな!

 お前らのせいで俺らは宿無しだぞ!

 いやいや、素直に褒めようよ

 ライバルのいない弊害か・・・

 留め役いないわけ?

 記録更新中にもう一つ記録つくったのか・・・すげーな・・・

 そんな喜んでらんないよ

 そうそう毎回こんなことされてちゃ、この国家のギルドはほとんど潰れるって

 よほど指揮がうまかったんだろうな

 あぁ野菜の名前の人だろ?

 そうそう、あの人が国家戦に出ればこの国負けなしだろうな

 いや、そうだとしても今回のこれはやりすぎ

 やりすぎっていったってどうなのよ?

 ちょっと強すぎますね・・・

 ボスDT連を討伐できる勇者様募集中!!1!!


(7砦と9砦の防衛なしだったの知ったらこいつらどんな顔するんだろうな……)


 住人たちの書き込みをみてそう思わずにはいられない渚だった。


 今回の意見をおおよそに分けると批判コメントが多数を占めるようだ。

 つまりこれは『渚の考えた筋書き通りになった』ということになる。 


 今の《DT連》は数の利を活かして戦っている。

 《AS連》が解散した今となっては他の追従を許さないほどに強い連合であるが、それでも最強と呼ぶほど練度が高いとは指揮官の渚は思っていない。

 しかし、他連合が攻めて来なければ、今回の前半戦のように暇防衛で終わってしまう。

 それはどうしても避けたいし、競う相手がいなければつまらない、自分たちの成長もない。

 これはリアルで実証済みだ、渚に比肩する存在など妹の香奈しかいない。

 

 ゲームの世界でもそんなのは非常に面白くない。

 だったらどうすればいいのか?

 そう考えた渚がたどり着いた答えは『自分たちを無視できない存在にすればいい!』と至極単純なものだった。

 こうやって多数砦を取得していけば、いずれば無視できなくなるだろう。

 現状を打開するために、他連合同士がくっつき合えば数の利を補えるし、新しい戦術も出てくるかもしれない。


 オレはこのスタイルを貫く『止めれるもんなら止めてみろ』と挑発したのだ。


 見事にそちらへと方向が進んでいく。

 今後の展開が非常に楽しみだと一人ほくそ笑んだのだった。


negi:さて今日の反省点を今日中におさらいしようぜ

ヒマワリ:別にやらなくていいんでは!?結果よければなんちゃらって言いますし!

マリアベル:そうそう四ヶ所なんて自分らでやってみてびっくり!

negi:お前ら・・・たった四つで満足してんの?

ぷちこ:おっふwwww

LaLiLuLeLuLiLi:まんぞくしません!

マリアベル:LaLiちゃーん!そうだよねぇ満足できないよねーうちとprprしましょーwww

ヒマワリ:そっちの満足じゃねーよwwwLaLi嬢、俺としましょう!

LaLiLuLeLuLiLi:えと・・・?

negi:脱線させんなwwwLaLiもうまく返せ!

negi:とにかく今回は何が何でも反省会する!!

negi:問題点ははっきりわかってる。情報の伝達がうまくいってないことだ

LaLiLuLeLuLiLi:そうですねぇ・・・戦場に立つとどうしても戦闘メインになってチャットが

LaLiLuLeLuLiLi:おろそかになっちゃうんですよね・・・w

negi:笑い事じゃねーけどな。一言でいいんだよ今日だって

negi:「Fいない」

negi:これで済む話なんだよ

negi:この一言があれば事前に察知できる

negi:まぁ吊るし上げる形なって申し訳ないんだが、オフィーに現場指揮任せたんだから

negi:オフィーが何かしらの情報を上げる必要があったと思うんだが、どうかな?


 渚からしてみたら物凄く下手に出た形になる。

 あくまでこれはゲームだから、一人を追い詰めるつもりは無いのだ。


negi:オフィー?

LaLiLuLeLuLiLi:今いないみたいですね・・・

negi:まじかよ・・・反省会するって言ったのに・・・w

ヒマワリ:まあまあ、今回はいろいろ戦場渡り歩いたし疲れたでありますよ!

negi:そうはいってもなー・・・これ大問題なんだぞ?今は何とかなってるが

negi:今後絶対どこかでこける

ぷちこ:結構なんとかなってるじゃないですかー?それでも駄目なんですか?

negi:今は、なんだよ。

ぷちこ:まぁそうですよね・・・いずれうち以外の大連合が出来た時に困りますよね

negi:そういうこと。これがクセになったらまずいってかクセになり始めてる

ヒマワリ:とはいっても個人個人で気をつけるしかない、くらいしか思いつかないー

さっち:それはすごく大事ですよね

negi:正直この話は当たり前すぎてしたくもない物なんだよ

LaLiLuLeLuLiLi:一応がんばってるんですけどねぇ・・・

negi:とりあえず今回のは結構際どかった、あれが40人規模の連合とかだったら

negi:ちょっとどころじゃない騒ぎになったと思う。

俺がマスター:まあゆっくり修正していくしかないな。

negi:ゆっくりってなぁ・・・

俺がマスター:焦り過ぎもよくない。オフィーは確かによくなかったが

俺がマスター:今回の戦場はかなり大変だったみたいだし、大目にみてやってくれないか?

俺がマスター:オフィーにあったときにお前の言葉ちゃん伝えておくからさ

negi:んーわかったよ。マスターにそこまで言われちゃ嫌ですとも言えないしな

俺がマスター:すまんな・・・。ネギも運営に携わるか?

negi:いやそれは勘弁wマスターにはまだまだ頑張ってもらう感じで頼む

俺がマスター:www


 こうして具体的な案もでず、今回も反省会が終了するのであった。

 そして話題は一気に変わっていく。


:さーてやってまいりましたオフ会!今週の金曜です!

:改めて詳細あげたんで確認よろしくー!

:参加できるひとは掲示板のほうに書き込みおねがい~

:いまんところ10人くらいかな

:ちゃんと女の子もいるから安心しろい!男だけでむさっくるしくなんないしー


(そうか今週やるんだっけか……)

 

 こっちに話振られる前に退散しますかね、と思った渚だった。

 ログアウトするため、いつもの定位置に戻る。

 その拍子にマスターとすれ違い、個人チャットが飛んできた。


(俺がマスター:今日はわるかったな)

(negi:別にマスターが謝ることじゃないだろう)

(俺がマスター:そうは言ってもな。気になるもんはきになるんだよ)

(negi:そんなもんかぁ?ゲームなんだしもうちょっと気楽にやれよ)

(俺がマスター:これが俺のスタイルなんだよ)

(俺がマスター:さっきも言ったが、まじで運営に携わらないか?)

(俺がマスター:雇われ指揮官じゃなく、一緒に運営しようぜ)

(negi:どうしてそうなるんだよw)

(俺がマスター:いや、そうすればネギの発言権ももっとよくなるだろう)

(俺がマスター:今だとやはり認識が甘いからな)

(negi:せっかくの誘いなんだがな、まぁ不満はあるが、それこそ今の形がオレのスタイルだぜ)

(俺がマスター:そうは言ってもなぁ・・・ネギはこのゲーム長いだろ?たくさん知識も持ってるし)

(negi:まぁお陰様で?それなりに長くやってるなー)

(俺がマスター:別段なんか重要なポストを用意するってわけじゃないんだ)

(俺がマスター:ただ、その知識量活かして俺の相談相手になってくれるとたすかるんだがなぁ)

(negi:どうしたよ急にwww)

(俺がマスター:これでも結構買ってるんだぜお前のこと)

(negi:そいつぁどーも?つってもどんなに言い寄られたって無理なもんは無理だぜ)

(俺がマスター:そんなにか?)

(negi:ああ、勘弁ねがいたいね。マスターだから言うけど、あんま人付き合いしたくねーんだよ)

(negi:ギルド運営なんて変なしがらみがついてまわるだろう、それはありがたくねーんだ)

(negi:指揮官やらせてもらって申し訳ないんだが、今のこの距離感がオレにとって心地いいってわけ)

(俺がマスター:なるほど・・・まじで、残念だ・・・)


 そういって会話が途切れる。

 よほど渚を首脳部入りさせたかったのだろう。チャットで会話してるだけなのに残念感が伝わってくる。


(俺がマスター:それは別として、オフ会の話なんだが)

(negi:マスターがその話すんのかよww勘弁してくれぇw)


この話題が嫌で逃げてきたのに、まさかこの人から話を振られるとは予想外だった。


(俺がマスター:そんなに嫌か?結構たのしいぞ?)

(negi:それは人付き合いをしたくない人には当てはまらないんだよ!)

(俺がマスター:どうしてそこまで・・・ww)

(俺がマスター:いいじゃないかちょっとくらい。人付き合いというよりもゲームの話したっていいんだぜ?)

(negi:それは唯一の魅力だな)

(俺がマスター:本当にゲームバカだな・・・)

(negi:そーゆうわけじゃねぇさ、実際いくわけじゃねーし)

(俺がマスター:そんなこと言うなよ。戦術論だけでもいいから聞かせてもらいたいもんだチャットじゃ)

(俺がマスター:深いところまでわかんもんだしな)

(negi:行かねーもんは行かねーって)

(俺がマスター:そう、か。仕方ない本当は訊きたくなかったんだが)

(negi:なんだもったいぶるんだな?)

(俺がマスター:この連合どう思う?)

(negi:なんだよ、改まって・・・?)

(俺がマスター:俺はこのままだとまずいと思ってる)

(negi:というと?)

(俺がマスター:お前があげた問題点に誰も反応を示さないことがまずおかしい)

(俺がマスター:こればかりは意識の問題だからな。俺が何言っても無駄だろう)

(俺がマスター:それを踏まえてだが、今のままだといつまでも頂点ではいられないと思ってる)

(negi:ふむ?)

(俺がマスター:いつか俺たちを超える大型連合ができるかもしれない)

(俺がマスター:もちろん俺たちがポカやらかして自滅する可能性もあるが)

(俺がマスター:そんなことはなるべくならなくしたい。ネギはどう思う?)

(negi:まぁ黙っていたんだが、だてにマスターはやってないかw)

(negi:オレもまったく同じ意見だ。いまDT連は消去法で最強になってる)

(negi:俺たちはそこそこ強いがあくまで「そこそこ」なんだってことを認識しなくちゃいけない)

(negi:全員の練度が高くて最強、、、ではなく、人数が単純に多いから強い)

(negi:ただこれだけなんだよ)

(俺がマスター:もし俺たちよりも人数おおいところができたら)

(negi:ああ、それだけでやられちまうかもな)

(negi:ずばり訊くがこの連合の強みってどこだとおもう?)

(俺がマスター:それは・・・ネギの指揮と)

(俺がマスター:それを忠実に再現できる組織力じゃないか?)

(negi:半分は合ってるな。だがよく考えてみろ突拍子もないオレの指揮だぞ?)

(negi:オレの指揮を聞きそれを末端まで届かせてくれる存在がいないと実現不可能だ)

(negi:だからオレが思うに、DT連の強さは中間指揮の強さだ)

(俺がマスター:なる・・・ほどな)


そこからは自身の指揮の価値観を交えた複雑な話をしていく。

 マスターの知識量もそこそこあるようで専門用語を使ってもちゃんと理解してくれる。

 こんな貴重な時間を今まで満足に取れなかったので非常に有意義に感じた渚だった。

 末端構成員に同じような話をしても、まず理解されないだろう。まずは言葉の説明から始めないといけない。


 別段それが嫌というわけではない。

 新人に教えるというのも指揮官の役目の一つだと思っているし、この連合を育てるのも指揮官の仕事だろう。

 当然、指揮官の色で組織の色が決まり、そこらへんも含めて指揮官の醍醐味だ。

 だがそれとは別に、こうやって同じレベルで話ができるのは物凄く楽しいと感じるのだ。

 

(negi:まさかここまで話せるとは思わなかったぜ)

(俺がマスター:いやーそこまで考えてるのか・・・さすだ・・・)

(俺がマスター:この話題だったら永遠と話してられそうだなw

(negi:まったくだw一晩じゃ全然たりねーな)

(俺がマスター:だから言ってるだろう、オフ会に参加すればもっと深く話せるんだぞ)

(negi:どうしてそっちに持っていくんだよwww

(俺がマスター:どう考えたってもったいないだろうが、これが連合のなかに浸透していけば明らかに強くなる、なれる)

(俺がマスター:その可能性をみすみす捨てたくはない)

(negi:つってもなー。時間かければ結局同じなんだぞ?)

(negi:結局オレがいうことはゲーム内で伝えることができるんだ)

(俺がマスター:だが間に合わなかったらどうする)

(俺がマスター:こうやって話している間に、今回の4領地の対抗策作られて大連合ができていたとしたら)

(俺がマスター:そうして今のままの俺たちではあっけなく負けるかもしれない) 

(俺がマスター:ここまできたんだ、俺は負けたくない)

(negi:たしかに可能性はあるが・・・)

(俺がマスター:明らかに強くなれる方法があって強くなれるとわかっているのに)

(俺がマスター:それをしないなんてもったいなさすぎる・・・)


 そうしてマスターの想いが篭った話を永遠と聞かされるのだった。

 その話はブレることなく『強くなりたい』ということに焦点を当てられていて、今回のオフ会に渚が参加しないともう負けが確定すると思い込んでいるようだった。

 「藁にもすがる」とはこのことを言うのかと実感するくらいだ。

 

 あまりのしつこさに辟易する渚だったが、それとは別に『強くなりたい』『勝ちたい』という想いは好ましく感じた。

 自身も子供のころはそうだったし、ルリ子も理由はいろいろあるにしろ、『強くなりたい』と言ったのだ。だから協力する気にもなった。


(はあ……。オレはまっすぐ来られるのに弱いのかね……)


 内心ため息を付いた。

 どうしても行きたくないとは思っていたが、マスターの熱意が想像以上だったのが予想外だった。

 ここまで熱烈に言い寄られたんでは強くしてやりたいという気持ちが湧いてしまったのだ。

 我ながらお人好しだなと思ったのだった。

 

(negi:ますたー・・・強く、なりたいんだな?)

(俺がマスター:ああそうだ!今この連合に必要なのは絶対にそれだ!)

(俺がマスター:内部の雰囲気はすごくいい。こうやってオフ会も何度もやってるくらいだしな)

(negi:はあ・・・)

(俺がマスター:ん?)

(negi:もう、わかったよ・・・諦めたぜ)

(俺がマスター:おお!?)

(俺がマスター:つまりどういうことだ?w)

(negi:ったくわかってるくせに・・・)

(negi:オレも負けるたくはないからな。いいだろうオフ会参加してやる)


 こうしてオフ会に参加することが決定したのだった。








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