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無名の剣士  作者: むー
第一章
14/31

13

初のゲーム描写です。(前にちらっと書いたかもしれませんが・・・)

固有名詞だらけにならないように注意して書きましたが、文章力なくて(ry


ということで、ゲーム設定&固有名詞の説明。

第一回目になりますので状態異常について上げていきます。


・ブラインド=盲目。通常攻撃が100%外れるようになる。

・フィアー=恐慌。操作不能となり、移動速度が下がった状態でランダムに移動する。

・ノックバック=仰け反り。後方へ吹き飛ばされ短時間行動不能になる。壁に押し付けられた際、さらに短時間スタン付与。

・エアボーン=打ち上げ。空中に打ち上げられて短時間行動不能になる。

・サイレンス=沈黙。全てのスキルを使うことが不可能になる。

・スロー=減速。移動速度が減少する。

・スネア=捕縛。移動不可、行動は可能だが移動系スキルが使えなくなる。通常攻撃や攻撃スキルは使用可能。

・スタン=失神。操作不能+アイテム使用不可状態にする。AO屈指の状態異常。

・サプレッション=抑制。操作不能状態+アイテム使用不可状態にし、見方からのリカバリーも不可にする。AO最強の状態異常

・タウント=挑発。操作不能となり、使った対象を勝手に通常攻撃するようになる。対象が通常攻撃範囲外の場合は、範囲内になるまで勝手に移動する。

・カースド=呪い。移動速度減少、攻撃力減少、攻撃速度減少、クリティカル率を0%にする。

・フリーズ=凍結。凍結し行動不能になる。自身の防御力・魔法防御力マイナス50%になる。効果時間が切れるか、次のダメージを受けると解除される。

・スリープ=睡眠。睡眠し行動不能になる。非クリティカルダメージ、クリティカル率が二倍になる。効果時間が切れるか、次のダメージを受けると解除される。

・ポイズン=毒。1秒毎にMAXHPの1%減少。HPとSPの自然回復停止。防御力・魔法防御力マイナス25%される。



「第一ライン突破されてんじゃねぇか!! 何で情報あげねーんだよバカ共!!」


 思わず怒鳴った渚だった。

 それもそのはず、本日はAOの領地戦の日である。

 画面越しに怒鳴っても聞こえるはずがないのだが、反射的に叫んでしまうのだ。


 領地戦は一時間の長期戦になる。

 その一時間の中で砦の取り合いをするわけだが、防衛が不利な攻城戦など普通に考えればありえない。

 砦の構造によって言い切れない部分はあるが、基本的に防衛側が有利に設定されている。

 ただし、これはあくまでゲームなので、難攻不落の要塞というものもまた存在しない。 

 極端に防衛が有利になると、どこのギルドも攻めなくなり過疎化が進行してしまうからだ。


negi:こらああああああああ

negi:第一ラインやられてるなら誰か言え!!

negi:防衛ラインを第二に移行!!!!!!!!!!

negi:誰か情報上げてくれー@@@@@@

negi:誰か情報上げてくれー@@@@@@@

negi:誰か情報上げてくれー@@@@@@

さっち:第一突破されて、第二に後衛陣集合中!

さっち:ちょっと差し込まれてますが、なんとかライン構築はできそうです

negi:上等!後衛のライン整うまでA班遊撃開始!時間稼いでくれ


 こうやって第一ライン、第二ラインと飛び交っているが、防衛側が砦を守る箇所を指示している。

 砦の構造は城門、中庭、扉、廊下、玉座となっていて、防衛側が守りやすい箇所がどの砦にも三箇所ほど用意されている。

 城門、扉、玉座の三箇所だ。

 そのうち、まず第一ラインとなるのが城門で外敵の侵入をとにかく止める必要がある。


 先ほど言ったように、基本的には防衛側が有利となっている。

 三箇所の防衛で一時間守りきれればいいからだ。

 第一ラインで10分、第二ラインで20分、第三ラインで30分。

 おおよその目安だが、このペース配分でいければ防衛側が勝つことになる。

 第三ラインが一番強固なのは、攻め側がやられて徒歩復帰する距離が長くなるからだ。

 集まるのに時間がかかる上、その道中を遊撃して足並みを乱せば、さらに時間を削ることができる。

 攻め側からすると、このペースよりも早くライン破壊することができれば、その砦を落とせる可能性が出てくる。

 

 そうして今、渚が所属する『Desire』『テディベア』を中心とした連合、《DT連》の第一ラインが5分で決壊したのだった。


「くっそがああああ。5分で落ちるとか、どこで巻き返せばいいんだつーの!! 指揮官泣かせの展開じゃねーか!!」


 渚が悪態を付きたくなるくらい状況は良くなかった。

 事前察知ができなかった事が原因だが、そのまま先制攻撃をくらい展開する間もなく突破されたのだった。

 現在、最低限の編成だけ済ませ、対応している形ではあるが、前衛と後衛が分断されていて苦しい状況に変わりはない。

 とにかく火力の高い後衛を防衛ライン展開させることを優先した。

 その為、先ほどの指示で遊撃部隊を投入したのだが、下手をするとそれが各個撃破させてしまい、さらに状況を悪化させる可能性があるのだが、賭けにでないと先々まで考えた時、かなり際どい気がしたのだ。 

 

さっち:後衛陣展開完了


 そうして、待っていた報告があがる。

 一応賭けには勝つ形にはなるが、これでも体勢はあまりよくない。

 すぐさま指示を飛ばす。


negi:A班撤収@@@@@ 

negi:A班撤収@@@@@@

negi:前衛部隊、今のうちに補給と再編成を!!!第二ライン通常から5分の延長を目指す@@@

LaLiLuLeLuLiLi:前衛再編させました準備できてます。

negi:早いな了解。その場待機で指示だすから待ってろ、支援だけ回していつでも突入できるように

negi:敵の衝突まだか?状況どうなってるか報告頼むぜ@@@

§フレア§:敵の前衛が扉張り付き始めました

negi:なんでそれいわねーんだよ!!!!前衛突入@@@@@@@


 今日はどうやら連絡の行き違いが多いようだ。

 指揮を飛ばす関係上、どうしても最前線に居れないため、情報の共有を最優先事項にしているのだが。

 これではどうしようもない。


 今日の対戦相手は渚のいる国家の二大連合の一つ、ライバル関係にある《AS連》だった。

 やはり並の相手ではないらしい、展開が異常に早い。

 渚が情報を得る前にどんどん進んでくる。

 

negi:やられた数報告頼む@@@

negi:やられた数報告頼む@@@@

さっち;後衛現場に30人ほどでライン形成してます

LaLiLuLeLuLiLi:前衛15で荒らし行ってます。5は復帰中

negi:わかった今日の参加は60人だからそのつもりで。AS連も同じ人数だからな押し負けんなよ!


 この報告を受けて、違和感を覚えた。

 領地戦の基本戦術として、まずは防衛側の戦力を無力化することから始まる。

 敵を倒せばそれだけ邪魔されずに建物を破壊することができるからだ。

 逆に防衛側は建物を修理するよりも、敵を倒した方のが早い。

 

 実際には同時進行で進めていくのだが、基本姿勢は『敵をぶっ倒す』である。

 なのにもかかわらず、こんなに攻め込まれてるのに人的被害が15人しか出ていない。

 これはちょっとした異常事態だ。

 

「無理矢理でも展開早くしてやがるなぁ……あっちは速攻編成で建物破壊にきてんのかぁ?」


 渚はつぶやいたのだった。

 奇策の一つにそういう戦術があるのは頭にあったが、まさか大手連合がどうどう奇策を用いてくるとはちょっと驚きなのだ。

 そんなことしなくても《AS連》は強い。

 国家二強の名は伊達ではないし、他の国でもAS連ほど強いところがあるかというと疑問視されるほどだ。

 現に先月の国家戦では《AS連》指揮のもと完勝している。


 だが、実は自分たち《DT連》はそれ以上の記録を持っていた。

 今のこの砦を確保してから半年以上が経とうとしているのだ。 

 この長期防衛は全てのサーバーと国家を合わせても、すでに最長記録になる。

 

 裏では色々と言われている。他の連合が雑魚だのなんだのと。こんなことになったのはライバル連合の責任だ。

 そんな具合だ。

 なので《AS連》としては何としてもここらで落城させたいのだろう。そういう意思を感じる。


「つーことはオーソドックスに行くより、ペースダウン狙ってみたほうが面白いかもな……」


 そう言いながらガチャガチャとチャットを打ち始める。

 

negi:作戦変更@@@@@@

negi:第二ラインで行けるとこまで行くが、もし突破された場合、後方に罠敷き詰めてくれ@@@@

オフィーリア:それだと俺たち前衛が合流できなくなるんだが?

ヒマワリ:前衛みすてるわけですね、わかります。でどうすんの?

さっち:了解しました。現在防衛ラインは後10分は粘れそう@@@

negi:@10分了解!!死に戻りのやつで罠師出せるやついるか!?!?!?!?

ぷちこ:うちだせまーす!

negi:じゃ頼んだ@@@

negi:悪いが前衛と分断させちまう!!!相手の構成が速攻系な気がするから足止めメインで動き止める@@@

LaLiLuLeLuLiLi:前衛の役割は?

negi:LaLiに任せる、おそらく遊撃メインになると思うんだが・・・第二突破されたら

negi:前衛はLaLiの指示に従ってくれ@@@あとは現場で任せる@@@


(まだ始まって10分ってとこなのに……2防衛で粘れて後10分かよっ!)


 ここまでで30分ほどは使いたかったが、早い展開に引きずり込まれたのだ。嘆いても仕方ない。

 一応次の手は打ってある。

 罠のアンクルスネアは足止めには非常に優秀なのだが、味方も掛かってしまうというデメリットがある。

 先ほどメンバーから反発があったのはそのためだ。

 メリットとデメリットを比べたとき、どうしてもデメリットが目立ってしまうのだ。

 

 これはもう周知の事実で、作戦として取り入れている連合は無い。

 情報ページの『戦術一覧』にも取り入れられていない物で、『もしかしたら使えるかもページ』その端に名前がある程度だ。

 今この瞬間のぶっつけ本番でどれだけそれを生かせるかが不安ではあるが、今のこの状況を考えたとき、チャンスがある気がしたのだ。


 そうして必要な指示を飛ばしているたが、新戦術を伝えるには時間が足りなすぎた。

 10分があっという間に過ぎたのだった。


さっち:もう扉壊れる@@@@@@@@@

マリアベル:扉壊れます!

negi:おおおwwww予定通り10分だなwwwww勘弁してくれよwwww

negi:A班撤退、扉の裏回って!!!

negi:ぷちこ罠置き開始!

ぷちこ:え罠の置く場所指示してください!!!

negi:くっそwすまん!えっと第二ラインの後ろ、廊下に置き始めて!!!ただし

ぷちこ:罠了解

negi:B、C後退@@@@@第三ライン付近まで後退@@@@@

さっち:B班後退開始しました!!!Cも後退してください!!!

negi:A班扉壊れてから、遊撃特攻!!罠の時間稼いでくれ@@@@

negi:後衛陣、敵が罠掛かったら火力は魔法のみでOK

negi:状態異常ばらまくこと意識して@@@相手の足止めるぞ@@@

さっち:ぷちこさん罠お願いします@@@後退完了です

negi:補給今のうちに@@@@@

negi:ほきゅういまのうち!!!!!


 なんとか指示が間に合ったようだった。

 あとはこの作戦がうまくいくことを祈るのみだ。


くろす:扉こわれ

LaLiLuLeLuLiLi:突破した敵と衝突@@

negi:罠の準備と補給の様子どう!?時間ねーぞ!!!

ぷちこ:罠もうすこし

さっち:補給は完了です

negi:了解、ぷちこほどほどでいいからな!お前やられたら罠全部消滅するから頼む生きてくれ

くろす:LaLiさん死亡@@@@@@@現場での指揮求む@@@@@

negi:んげっ!


 やはりイレギュラーなことは起きる。

 中間指揮を任せた人物がやられてしまったのだった。

 こうなると前衛は烏合の衆と化す。


LaLiLuLeLuLiLi:ごめんなさい・・・

negi:むちゃしやがって・・・

ヒマワリ:☆彡

negi:前衛陣できるだけ敵陣突入して@@@

negi:やられてもいい!!とにかく突っ込んで!!

negi:LaLi、砦の前で前衛集めて再突入@@@タイミングはわかるな??

LaLiLuLeLuLiLi:了解です。再編すすめますタイミング大丈夫です


 最低限の指示だけ出す渚だった。

 それだけ前衛指揮のLaLiLuLeLuLiLiを信じている部分があるからだ。

 さらに言うなら今回の作戦は前衛よりも後衛に比重があるので、そう言った意味では前衛はそこそこ遊ばせてしまう形になる。

 こういう機会にある程度指揮権を与えて、指示を出すことにも慣れてもらいたいという狙いもあった。


さっち:敵罠にはまりました@@@@

negi:きたか!!!

negi:どれくらい効いてる??????

ぷちこ:しにかけた・・・

negi:よく生きたwwwwwwぷちこ遠距離で状態異常とヒットストップかけてやれ罠は一旦停止

negi:敵いなくなったら再開それの繰り返しで

さっち:罠相当きいてます。多分ですけど罠解除いないっぽい@@@除去出来てない感じ@@@

negi:やはりか!

LaLiLuLeLuLiLi:前衛突入!!!

negi:ナイス!敵後衛に食らいつけよ!?

LaLiLuLeLuLiLi:了解。前衛A1とA2に分けてます

negi:わかったお前に任せる

negi:後衛!敵仕留めなくていいから足止めメインで状態異常かけてけよ@@@

negi:状態異常メインで足止めろ@@@@


 思った以上に効いている様子のようだ。

 先程までお通夜状態だったチャットが活発になる。

 指揮官をやって最高の瞬間がコレだ。

 『劣勢だった状況を自分の指揮で一掃する』

 『流れを変える演出が出来たとき』

 コレを感じるときが一番充実している気がする。

 だが、今回はその快感に浸っている場合ではなかった。

 うまく行ったものの、予断を許さない状況に変わりはない。


 《AS連》はやはり速攻系編成できているのだろう。

 本来であれば必要なもの全てを犠牲にして、建物破壊一極化して来たのだ。

 罠除去ができない、状態異常耐性がない、状態異常リカバリーもできない。

 これでは欠陥軍勢なのだが、極めるとここまでの破壊力を生むのだ。


 しかしそれも冷静に対応してしまえばそれまでだ。

 罠という奇策にハマり、これでは流石の《AS連》も足が止まる。

 そこを畳み掛けるように前衛が食い込む。


 さらにこの作戦の狙いは別にあった。

 相手を倒さないで状態異常で動けなくさせるとどうなるか?

 答えは決まっている。

 防衛ではないのだ、補給が滞る。

 そして再編成もできない。

 状態異常耐性を上げたくても、死に戻るなりなんなりしないといけないのに、状態異常で固められているのだ。

 もはや動くことも困難であろう。敵を一時的に封印した形になるのだ。

 

 これが後に、『罠防衛』『2.5ライン』と呼ばれる作戦として産声をあげた瞬間だった。

 

 《AS連》はここまで20分という短時間で攻め込みながら一時撤退を余儀なくされた。

 これでようやく状態が五分にもどった。


さっち:敵後退していきます@@@@@

さっち:敵後退です@@@@@@@

negi:後退了解した。補給今のうちに@@@@@

ぷちこ:罠置き開始します。踏まないように注意で@@@@@@

オフィーリア:その前に建物修理だろ

negi:待て待て

negi:修理はしなくていい、罠置き開始で@@@

オフィーリア:はあ?ここまで来られてんのに修理しないってどういうこと?

negi:修理は間に合わねーからだよ

オフィーリア:ふーん


 今日はやけにオフィーリアが突っかかってくる。

 実際、修理は間に合わないと感じている。


 今は落ち着きを取り戻しているが、再編を済ませて攻め込んでくるだろう。

 ここで修理に人員を裂き、その瞬間攻め込まれたら手の施しようがない。

 そういったリスクをなるべく避けたい。

 もはや丸裸の玉座しか残ってないが、いまのこの防衛が機能している限りはそう簡単には行かないはずだろう


 ここまで一瞬で考え、そうして指示を出しているのだ。

 オフィーリアがなんと言おうと曲げるつもりはなかった。


さっち:敵きました!!!!


 報告があがる。

 圧倒的なスピードだった。

 この短時間で再編成を済ませて、突入してきた《AS連》の統率力はさすがだった。


(この展開読まれてたのか? あまりにも早すぎる……)


LaLiLuLeLuLiLi:敵のギルドスキル使用確認!!!!

LaLiLuLeLuLiLi:ギルドスキルです@@@@対応求む@@@

ぷちこ:しんじゃいました……

negi:ばかやろう!!


「あれほど死ぬなって言ったのに!! っていうのも酷か……まさかこんなに早く来るとは……」

 

 そう、それほどまでに圧倒的な速度だったのだ。

 ぷちこが反応する間も無く大軍で攻め上がってきたのだろう。

 その進行スピードの原因はギルドスキルを使ってきたということらしい。


 ギルドスキルは一時間の領地戦で一度だけ使うことができるマスター固有のスキルで、その効果は”マスターを中心に自連合のメンバーをワープさせることができる”というものだ。

 

 ワープなどゲームだからこそではあるが、その効果は折り紙つきだ。

 当然これ一発で戦局ががらりと変わるし、これの使い方が上手いか下手かで連合のランクが上下するほどだ。

 その用途は多岐に渡る。

 最後のダメ押しだったり、

 最終防衛手段であったり、

 格下が守っている砦に強襲したり、

 マスターだけ突破しライン裏で召喚かけたりと、様々な使い方がある。


 だが、まさか再編するためだけに使ってくるとは予想外だった。

 さすがの渚も居を突かれた形になり、《DT連》も浮き足立った。

 


negi:やばいな、こっちも対抗でギルドスキル使う。

negi:死んだやつ対応変える。従来の火力メインの装備もってこい

negi:状態異常は今残ってるやつで撒き散らすことで対応!!!!

negi:3分後ギルドスキル許可@@@@3分後ギルドスキル許可@@@@@

俺がマスター:ギルドスキル了解。いまの位置でいいか?

negi:今の位置でOK


(チィ! さすがだな、そう簡単には流れをやりませんってか? まず間違いなく状態異常使われるって分かってた対応だな。相手の指揮官と一度会ってみたいもんだぜ)


 そうしてギルドスキルが使用される。


俺がマスター:カウント@@@@@@@@@@

俺がマスター:333333333333333

俺がマスター:22222222222222

俺がマスター:1111111111111

俺がマスター:詠唱中@@@詠唱中@@@@詠唱中@@@


 そうして暗転して最前線に呼び出されるのだった。

 この時は渚も自身のキャラを使って戦うのが常だ。

 戦場の空気を感じれば、その状況に合った作戦を思いつくかもしれないからだ。


「くそが!! やっぱオーソドックスな構成に戻してきやがったか!」


 試しに敵の火力陣の前に姿を晒す。

 案の定火力のフルコースが飛んでくるが、渚が使ってるキャラはナイトでそう簡単には落ちない。

 その中でも耐久力だけは並以上に設定してあるので、タンク要員としては圧倒的なタフネスだった。

 それでも大ダメージを受けたので慌てて後ろに下がる。


negi:敵の構成普通に戻ってる

negi:火力めちゃくちゃたけーから気をつけろ@@@

LaLiLuLeLuLiLi:どうしますか?

negi:今の状況は野戦をしかけてる感じになるからな、もうちょっと待ってろ。

negi:こっちから絶対攻め込むなよ?機をみて3ラインに後退する。

さっち:はい


 さすがに、みんな戦闘中だけあって、チャットを打つ人数が減っている。

 しかもその内容も簡素なもので必要なことだけに留まるのだった。


 ここから緊迫した押し引きが始まった。

 本来は防衛に向かない廊下で守っているから、ほころびが出てもおかしくないのだが、先ほど決まった罠の優位性が生きている。

 膠着状態で新たに設置するのは無理だが、状態異常は相変わらず有効で、相手に決定的なチャンスを与えない。

 

 そうして膠着状態は防衛側が圧倒的に有利な状況を作ってくれる。

 とにかく時間を潰すのが防衛側の目標だ。

 攻城戦なのに野戦という変則的な状況にも関わらず、今まさに本来の防衛のスタイルに戻ったのだ。


 逆に攻め側は焦れてきていた。

 第二ラインまでをかなりのペースで突破し、ほぼ完勝したといっても良いくらいの戦果をあげたにもかかわらず、今まで見たこともない防衛法で防がれてしまった。

 ましてや、防衛不向きである廊下で粘られ、決定打すら見いだせずにいる。

 このあと第三ラインが待っていると思うとこれ以上は時間を掛けられない。

 そんな意識が見え始めていた。

 徐々に《AS連》は前のめりになってくるのだった。

 《AS連》の指揮官であるLyra(リラ)はその動きを察知し、抑えるように伝える。


Lyra:前衛焦らないで!!!大丈夫だから!まだ時間はあるから!こっちも苦しいけど相手のほうがギリギリなんだから!


 こうやってチャットを打つが、必死になっている前衛にまで届かない。

 徐々に徐々に最強の統率力が失われていく。


 そしてこの隙を逃すほど、渚は指揮官として無能ではなかった。

 千載一遇のチャンスを逃すはずもなく、落ち着いて指揮を飛ばすのだった。


negi:相手が出てきたぜええええええ

negi:もう少し引きつけろ!!!やることはわかってんな!?

LaLiLuLeLuLiLi:A班、敵前衛を取り込んだら後衛との連携を分断します!!合図は私が出します

さっち:後衛部隊、コンボスキル全て温存してください!!敵前衛を圧殺予定で@@@@@

negi:イエス!オレの言いたいこと全部言われたぜ。頼むぜえええええ!! 


 そうして時間が無くなり焦った敵前衛が予想通りに動いてくれた。

 防衛勢力を殲滅せんと、ものすごい勢いで突っ込んできたのだった。

 

 その勢いはとてつもないものだった。

 並の連合であればその勢いに押しつぶされていただろうが、渚たちは長期防衛の記録を突き進む、百戦錬磨の《DT連》だ。

 守ることに置いてはどこにも負けない自信がある。 


negi:きた!サプレッションかけろ!!!!!

negi:フルコンボ叩き込め@@@@@@

LaLiLuLeLuLiLi:A1班突入!!A2班は後衛のフォローを!!!

negi:いや、もうフォローいらない!!A2班も突入@@@@@

negi:つーかもう良いんだよ!!!全軍つっこめええええええええ!!!!



 一時間の戦いもこれで大勢は決したのだった。

 緊張感ある戦いも、最後は《AS連》が自滅したような格好になってしまった。

 この差は中間指揮による差かもしれない。


 戦闘中になるとどうしても指揮官の指示が通り辛くなる。

 そこを補ってくれる存在が必要なのだ。

 《DT連》で言うと、前衛はLaLiLuLeLuLiLi、後衛はさっちだ。 


 こうして《AS連》を追い出すことに成功した《DT連》は、砦を修理し、格下連合が守っているであろう砦に強襲をかけた。

 二箇所の領地を得ようとしたのだが、さすがに《AS連》との戦いで疲弊したのとギルドスキルを事前に使ってしまった事が原因で、動きにキレが無く派兵は失敗に終わった。


 残念ながら一砦だけでは今回の熱い戦いの経費は賄えず大赤字なのだが、長期防衛のおかげで蓄えはあるし、勝利できたこともあって良しとした。

 

 

 こうして今週の領地戦は幕を閉じた。

 だが、この戦いを機に国家全体が大きく動き出すのだった。

 



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