第十一話 洗濯機会議 4
「と、言う訳よ」
カレーをほぼ食べ終えて、雪は言った。
安、優乃、山川は食べ終えてお茶を飲んでいた。
「山川は洗濯機ないし、いつもコインランドリーでしょ。関係ない話だから戻っていいわよ」
雪はさらっと言った。
「おいおい、いい案あったら聞かせてくらい言えよ」
安は山川を止めるように言った。
「それもそうね」
雪は頷いた。
「しかし、会議って言うから新しいの買うのかと思ったら、そうじゃなかったんだな。むしろ、今からが会議じゃないか」
安に続いて優乃が言った。
「何か一方的ですよね。共用にしようなんて」
「その通りなんだけど、気持ちは分からなくもないわね」
「そうですよね。でも、新しいの買ってまた五台並べるのもなんだし。洗濯機って言ったって千円二千円の買物じゃありませんからね。多少不便になるかも知れないけど、三台使い回した方が出費もなくてすみますし」
山川がしみじみと言った。コインランドリー派の山川としては、洗濯機を買うという重みが分かるのだ。
「さて、そう言うことは置いといて、共用にするかどうか決めましょ。条件もあったら言って」
雪が仕切り始めた。
「僕はOKだな。今回飛ばされて、壊れたものと思えばどうってことないし。条件も特にない。使ってもらっていいよ」
安は軽くOKを出した。
「どうして安さんのは飛ばされなかったんでしょう」
優乃の疑問に山川が答えた。
「安さんのは雪先生と優乃ちゃんの全自動に挟まれて置いてあったから飛ばされなかったんじゃないかな。全自動が壁になってたんだと思うよ」
「そうなんですか。両手に花ってやつですね」
「言いたいことは分かるけど、全然違うわ」
雪が優乃に冷たく突っ込んだ。
「それでお前はOKなのか」
安は話題を元に戻して、雪に聞いた。
「本音を言えば嫌ね。住人全員のこと知ってる訳じゃないし、月森さんとかもう一人使うって男の人がどんな使い方するか分からないしね。だけど、使うたびにホースつけ替えたりしたくないから。後で言うけど条件付きで許可するわ」
「優乃ちゃんはどうする」
「皆さんがいいって言ってるのに、私だけイヤなんて言えないじゃないですか。そりゃ本音を言えば雪先生と同じですけど、きれいに使ってくれるならそれでいいです」
優乃も笑いながらいいと言った。
「それじゃあ条件があるのは私だけね」
雪はそう言って続けた。




