そのに
神殿は腐っていました。様々な派閥が現れて、権力を求めて、派閥間での抗争が表だろうが裏だろうが絶え間なく続き、本来の教義に背いて自分本位な行動をして、それが「神の御意志だ」と言って正当化し続けました。
地域ごとに教会を建て、民衆を監視し、お布施という名の強制徴収によって搾取しました。もちろん、お布施を充分に出さない者は異端認定です。
民衆は搾取されていたので神殿に敵対することが出来ませんでした。心の中で神殿や教会、果ては神様までも憎しみの対象としました。
そんな中で現れたのが魔王の国です。民衆の希望の光でした。
しかし、あろうことか神殿はその国に攻撃を仕掛けました。
その様子を、神様はずっと見ておられました。人間は自分を見捨て、勝手な行動をとり、憎まれるようにまでなった中で、魔王は違っていました。昔の人間のように、神様の友達のような関係になれるように努力していました。
魔王の苦痛を知り、腐った神官に名を騙られて傷つけられたご自分と重ね合わせて共感されました。助けてあげたいと感じられました。
しかし、直接干渉してしまうと世界そのものが壊れてしまいかねません。そうすると、数少ない神様お気に入りの心の綺麗な人たちが死んでしまうかもしれません。そんな事は不本意です。
なので考えました。魔王の国の人たちを救う方法を。




