第二話「なにそれ美味しいの?」
「あのー。一応ここ、会員制でして……会員じゃない方は、ちょっと」
僕は驚き戸惑いながら、3人組にそう伝えた。
3人は、まるで「そんなルール聞いてない」
みたいな顔をしている。
「迷惑はかけない。下手に動くと座標がズレるから、できるだけ動きたくないんだ」
魔法使い風の女性がすまなそうに言う。
いや、迷惑とか以前に、剣と杖と聖書って……。
正直、怖い。
でもどうしよう。
しょうがない、最近変な人多いし、、あんまり無下にしても。怖いんですけど。
「と、とりあえず……お茶でもどうですか?」
3人の顔がぱぁっと明るくなる。
「ありがとう!」
悪い人たちじゃなさそうだ?。
1時間で帰るなら、まあ……。
「烏龍茶でいいですか? それとも何か飲みたいものありますか?」
僧侶が首をかしげる。
「ウーロンチャ? なにそれ美味しいの?」
「……は?」
烏龍茶知らないとか、そういうキャラ設定のロープレ?
「お茶みたいなもんです」と軽く流す。
戦士が口を開く。
「できれば、お茶よりお酒がいいかな?ここバーでしょ?」
魔法使いが肘でつつく。
「ごめんね。こいつ図々しくて。ウーロンチャだっけ?全然いいわ。ありがとう。」
僧侶も笑ってうなずく。
僕は苦笑しながら、つい提案してしまう。
「お酒でしたら、ビールとかどうでしょう?」
戦士が目を輝かせる。
「ビール? なにそれ美味しい?」
……またか。ロープレね。はいはい。
「特に仕事終わりに飲むと格別に美味しいですよ」と、営業スマイル。
「じゃあそれで!」
カウンター下の冷蔵庫から冷えたグラスを3つ出し、
サーバーから丁寧にビールを注ぐ。
3人は、まるで儀式でも見るようにじーっと見つめている。
「こ、怖いんですけど……」
そう思いながらも、3人の前にビールを置く。
ごくっ。ごくっ。ごくっ。
戦士が一気に飲み干し、
「プッハーーーー!!!」
魔法使いと僧侶に向かって叫んだ。
「めっちゃくちゃうまい!おかわり!」
銀座のバー「葦原」。
今日の初来店は、異世界の冒険者3人組。
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合計9杯目
一応伝票に書く。
サービスとは言ったけど、
遠慮を知らないらしな。
もしかししてワンチャン払うのかな?
3人からは質問ぜめ
「ギンザ?ドコの国の街だ?」
だの
「ビールは本当にうまいね。その魔道具?から注ぐのも不思議だな?」
だの
「店内に流れてる音楽は何だ?どこから?」
だの
「この店内の明かりは魔法か魔道具か?」
だの
ここはロープレ合わせほうがいいなと思い
「魔法です」ニチャァ
3人は
とても関心したようだ。
なんだコレ?
はやってるの?
そういうプレイ。ロープレはやってるの?
ロープレの会話に付き合いつつ
名前とか聞いてみようかと思い
「御三方のことなんてお呼びすれば良いですか?」
戦士が
「俺はパパーンだ。この魔法使いがディード、そしてモンクがクレリだ。よろしくな。お前さんはなぜ仮面を?さっきから気になったんだがフードまでかぶって」
魔法使いと僧侶は
ヨロって言いながら、同じく疑問らしい。
「仮面かぶってればいろいろ利点多いんですよ。フードも。例えば、僕の顔がわからんほうが都合が良いので。」
3人組はあまり納得しないながら、ビールを飲んでる
3人はテストがーとか転移がーとか失敗したのにちゃんと戻れるかなとか。話し合ってる。
話のネタに僕は
「良ければチラッと戻れるか占いましょうか?」
と振ってみる。
魔法使いは興味津々で
「ぜひお願い。魔法で占うの?そういう魔法あるの?」
食いつきがハンパない
やれやれロープレね。はいはい。
「そうなんです。ちょっとした魔法です。」
背中側の棚からカードを出す。
「僕の占い特殊でね」ニチャァ
カードをきり、魔法使いのディードさんの前に出す
「ディードさん。1枚引いてカードをひっくり返しください」
ディードさんが端のカードを選び
ひっくり返した。
「あ、これは幸運の、、」
って説明しようとしたら
僕の周りがエフェクトっぽく光り
「幸運のバフがかかるにゃん、これで元の世界戻れるにゃん、よかったにゃん、」
猫耳の天女が出てきて言った
「「「「え?」」」」




